2013年12月2日11時46分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
(この記事の内容をもとに、笹子事故のタイトルを第1報から全て修正した)、
山梨県大月市の中央自動車道・笹子トンネルで9人が死亡した天井板崩落事故を受け、建設会社や高速・鉄道各社、研究者らでつくる土木学会は、コンクリートにボルトを接着剤などで留める工法による重量物のつり下げを原則禁止する方針を固めた。
年度内にも、業界として初めてつくる同工法の統一指針に盛り込む。
建物や空調の分野では、地震時の落下災害を念頭に既に規制がかけられており、事故を受けてようやくトンネルなどを造る土木業界でも対策が取られることになった。
笹子トンネル事故は昨年12月2日に発生。
約140mにわたって天井板(1枚1.2〜1.4トン)約340枚が落下した。
天井板はトンネル上部からつり下げられ、コンクリートに穴を開けてボルトを接着剤で固定する「あと施工アンカー」という工法が使われていた。
国の事故調査・検討委は、1976〜77年の天井板設置時の施工不良や材料の劣化などでボルトが引き抜けたと結論付けた。
土木業界では、トンネルや高架などコンクリート構造物に設備を固定する目的で「あと施工アンカー」が採用されている。
笹子で使われた接着剤を使う手法のほか、コンクリートの穴の内部で部品を押し広げて固定する手法があり、天井板のほか、ジェットファン(大型換気扇)、照明、標識などが対象だ。
だが、この工法はボルトが万が一抜ければ事故に直結するため、建築基準法は柱やはりなど主要構造物での使用を認めていない。
空調設備団体「空気調和・衛生工学会」は2005年、エアコン設置などで接着剤アンカーのつり下げ使用を原則禁止した。
専門家によると、工法が簡便なことや、天井板などは付属物との意識があったことから、土木業界では容認されてきたという。
国交省が工法の長期耐久性に疑問符を付け、接着剤を使う工法による重量物つり下げのみを禁じる通達を出したのは、事故後の今年5月だった。
土木学会によると、笹子事故を受けて対策を検討。
来春をめどにつくる設計・施工指針の中で「常時荷重が作用しない条件で使う」との原則を示し、つり下げなどボルトに常に力がかかる箇所では、「あと施工アンカー」を原則禁止する方向になった。
代替の工法がない場合は、「補強などで荷重を分散させ、安全が十分に確認されれば使える」と使用の余地も残す方向だが、既存設備の撤去や補強、新設時の工法変更など影響が広がりそうだ。
指針には、
○有資格者による施工
○点検の確実な記録
○耐用年数の設定
なども盛り込む見通し。
同学会で指針を担当する中村光・名古屋大教授(コンクリート工学)は、「あと施工アンカーは長期的な荷重の影響が分かっていない。笹子と同じ事故を起こさないことが大前提だ」と話している。
中日本高速は、「学会の指針は尊重したい」としている。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20131202k0000m040116000c.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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