11日午前7時10分ごろ、大阪市北区長柄東3の大川で係留中の土砂運搬船「成和丸」(約55トン、全長約20m、幅約8m)の所有者の男性から、「プロパンガスが爆発した」と119番通報があった。
消防によると、船員の男性(68)が死亡した他、別の船員(45)が重傷、船長(72)と別の船の男性も軽傷を負った。
乗組員の1人は「調理中に爆発した」と話しており、警察は、操舵室でガスを使って湯を沸かそうとした際、引火して爆発したとみて、原因を調べている。
警察などによると、成和丸は事故当時、何も積んでいなかった。
プロパンガスのボンベが爆発し、船員らは飛び散った破片に当たって死傷したとみられる。死亡した船員は船上にいたという。
船内からは重さ約5kgの破損したプロパンガスボンベが見つかった。
この爆発で、船首部分の屋根がめくれ上がるなど大破し、周囲数10mにわたり船の部品が飛び散った。
爆発した船の部品は、現場近くにある団地敷地内にも飛散。エンジンとみられる機械が落下していたほか、部品の直撃を受けた乗用車もあった。
また、鉄板や工具などが周囲の保育園や住宅街に散乱した。
現場から西に数10m離れた長柄保育園の園長によると、事故当時、園内には職員が1人だけおり、けが人はいなかった。「もし園児がいたらと思うとぞっとする」と驚いていた。
別の女性(76)は「マンションが地震のように揺れた。駐車場にはスコップや鉄板が転がっていた」と話した。
近くを散歩していた女性(75)も、「突然、『ドカン』という音がした。(現場近くの)自宅マンションに戻ると、敷地に40cmぐらいの鉄の塊などが飛んできていた」と不安そうだった。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20121211k0000e040168000c.html
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121211/dst12121108240002-n1.htm
(ブログ者コメント)
漏れた調理用プロパンガスが室内に充満しての爆発であれば、一般家庭での爆発と変わりないので掲載は見送るところだが、「ボンベが爆発」という報道があったため珍しい事例だと思い、掲載した。
(2013年1月25日 修正1 ;追記)
2013年1月24日10時41分に朝日新聞から、漏れたガスに引火したらしいという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運輸安全委員会は23日、船内にあったガスボンベからプロパンガスが漏れ、引火した可能性が高いと発表した。事故後、中身が空になったボンベが見つかったという。
事故調査官が乗員らに聞き取ったところ、爆発があった船首の倉庫には重さ5kgのガスボンベがあり、ゴムホースでコンロにつながれていた。
ボンベは事故前日に交換され、何らかの理由でガスが漏れたらしい。
出典URL
http://www.asahi.com/national/update/0124/TKY201301240051.html
(ブログ者コメント)
同委員会の報告書にボンベ本体とゴムホースの写真が掲載されているが、ボンベ本体が爆発した様子は見られない。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/flash/seiwa_121211-130123.pdf
(2014年5月29日 修正2 ;追記)
2014年5月20日付で毎日新聞から、ボンベが違法な場所に置かれていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月20日13時11分にmsn産経ニュースwestからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(その旨を反映し、タイトルも変更した)
成和丸が近畿運輸局の指導を無視し、ガスボンベを船内の倉庫に違法に置いていたことが、捜査関係者への取材でわかった。
警察は、倉庫内にガスが充満して引火して事故が起きたとみており、当時の船長の男性(73)を近く、業務上過失致死傷の疑いで書類送検する方針。
捜査関係者によると、元船長は、爆発の危険を知りながら、ガスボンベを船首付近の倉庫に置いたままにし、事故を起こした疑いが持たれている。
船舶安全法は、船にプロパンガスを設置する場合、風通しが良い甲板上に置くよう定めている。
運輸局の船舶検査官が21年7月の成和丸の定期検査で、ボンベを甲板に移動させるよう指導していたが、無視していたという。
元船長は、「事故が起きるとは思わなかった」と話しているという。
事故は12年12月11日早朝、湯を沸かそうとした船員が倉庫内のコンロにライターで点火した際に起きたとされる。
事故前日からボンベのバルブが開いたままで倉庫にガスが充満していたとみられる。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140520k0000m040120000c.html
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140520/waf14052013110019-n1.htm
(2014年10月7日 修正3 ;追記)
2014年10月7日0時39分に毎日新聞から、船長は不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪地検は6日、業務上過失致死傷の疑いで書類送検された当時の船長の男性(73)を不起訴にした。理由は明らかにしていない。
船舶安全法の規定でガスボンベは甲板上に置く必要があり、大阪府警は風通しの悪い倉庫にボンベを置いたとして船長を書類送検していた。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20141007k0000m040109000c.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。