22日午前8時40分頃、福井市のえちぜん鉄道三国芦原線の町屋踏切(遮断機、警報機あり)で、同市の50歳代女性運転の軽乗用車と三国港発福井行き電車(1両)が衝突。女性と乗客ら40人は無事だった。
女性は「遮断機が上がったので踏切に入った」と話しており、同鉄道は近くの駅で作業中の社員が、遮断機を上げる機能があるのを知らずに作業用スイッチを押したのが原因とみている。
警察などによると、事故の3分前、西約500mの西別院駅をこの電車が出発。その後、社員が停車中の別の車両を同駅内で方向転換させるスイッチ「入れ換えテコ」を押した。
これにより、同駅の上り、下り双方にある場内信号機はともに赤が点灯。駅内に別の電車が入らない仕組みだった。
このスイッチは松本、荒町、町屋の3踏切と連動し、遮断機が既に下りていても動作を止め、上がるようになっていた。
しかし同社は、この連動を把握しておらず、この日はスイッチの操作と電車が町屋踏切を通過するタイミングが、たまたま重なったらしい。
同社のマニュアルでは、西別院駅から最も近い松本踏切を越えた段階でスイッチを入れても、安全に運行できるとされていた。
同社は記者会見を開き、同社幹部は「会社としてスイッチの機能を把握していなかった」と説明。社長は「鉄道事業者としてあってはならないこと。マニュアルの見直しなどを進める」と謝罪した。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130523-OYT1T00067.htm
また2013年5月24日7時6分に福井新聞から、5月24日付で毎日新聞福井版から、他にも38踏切で同様な現象が起きる設計だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社は23日、勝山永平寺線を含む全線で、同様の事故が起こる可能性を調査した。
警報機・遮断機がある計99カ所の踏切のうち、3分の1以上に当たる38踏切が、近くの駅で行われる操作に伴い、遮断機が上がってしまうなど意図しない動作をする設計であることが分かった。
同社が原因を調べたところ、同踏切近くの西別院駅で、列車の進行方向を変える「入れ換え」のためにスイッチ操作を行った際、町屋踏切を含む付近の3カ所の踏切が連動。意図せずに遮断機バーが上がってしまうことが分かった。
また、同駅構内にある一つの踏切は下がったままになる仕組みだった。
2路線で列車が方向転換ができる駅は23駅あり、同社は23日、その全駅の配線図を点検。
その結果、三国芦原線で西別院を含め6駅、勝山永平寺線では越前開発など9駅が、西別院駅と同様のシステムだった。
スイッチ操作で付近の計38踏切が連動、意図せず遮断機が上がったり、下がったままになる設計だった。理由は不明。
同社によると、この15駅では臨時列車や除雪車両の運行などのため、年間約20件の方向転換が行われていた。
通常は遮断棒が上がった状態で作業するため、問題に気付かなかったという。今回の事故は、臨時電車の方向転換の際に起きた。
システムは京福電鉄から経営を引き継いだ2003年に既にあり、10年にわたって使われてきた。
運転士らから異常を知らせる報告はなく、意図しない動作はいずれの駅でも把握していなかったという。
同社は「10年間にわたり危険を把握してこなかったことを申し訳なく思う。安全対策をきちんと取り、乗客や沿線住民の信頼を取り戻すよう努力したい」と話している。
出典URL
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/42747.html
(ブログ者コメント)
○通常と違う使い方をして初めてシステムの不具合がわかる、そんな事例のようだ。
○車を運転していた女性も、遮断機が上がっても左右確認してから踏切に進入するという、運転の基本を守るべきだった。
もし、確認はしたが電車は来ないものと思い込んでいたがゆえの「見れども見えず」状態だったとしたら致し方ないことだが・・・。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。