4日午前9時10分ごろ、宮城県大崎市のガス卸会社「M高圧」で爆発があった。
警察などによると、男性従業員(48)が吹き飛ばされて頭の骨を折るなどして即死、別の男性従業員(36)が胸の痛みを訴えて病院に運ばれた。けがの程度は不明という。
警察によると、空のガスボンベ(高さ約80cm、直径約50cm、内容量100ℓ)をグラインダーで解体作業中に、ボンベが爆発したという。
M高圧は、プロパンガスボンベの点検、充填、廃棄、解体、大崎市内を中心に主に家庭用のLPガスを供給している。
爆発が起きた当時は15人ほどの作業員が、屋外でボンベの解体などの作業を行っていたという。
死亡した男性が1人でボンベを切断する作業を行い、36歳の従業員は、2~3m離れたところで、フォークリフトを使って別の作業をしていた。
死亡した男性は、勤続20年以上のベテランという。
近所の男性会社員(63)は「『バン』と1度だけ爆発音が聞こえた。事故と思って外に出てみると、工場の2階より高いところまで水蒸気のような煙が上がっていた。地響きもあった」と振り返った。普段は風向きによってにおいがあるが、この日は感じなかったという。
現場から50mほど離れた住宅の玄関先には、縦横各3cmほどの金属片2個が飛来した。
約300m離れている自動車整備工場の工場長(60)は、「ドガーンの音とともに、胸に風圧を感じた。M社のほうを見たら、茶褐色の煙が上がった」と話した。
ボンベはFRP製で、繊維と樹脂を用いてプラスチックを補強することによって強度を向上させたもの。
同社によると、塩釜市の業者から「東日本大震災で被災した空のボンベを処分してほしい」と依頼されたもので、圧縮天然ガスが入っていたという。
同社は、圧縮天然ガスの入ったFRPボンベを取り扱うのは初めてだった。
同社社長(55)は、「通常は、作業する人が、ガスが抜けているか確認している」と話し、「解体作業の際に、圧縮天然ガスボンベのあることを注意していなかった」と話した。
現場はJR岩出山駅から南東に約400mの住宅などが立ち並ぶ地域。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120904/dst12090411530004-n1.htm
http://www.asahi.com/national/update/0904/TKY201209040185.html
http://www.nhk.or.jp/lnews/sendai/6004761561.html?t=1346802497546
http://mytown.asahi.com/miyagi/news.php?k_id=04000001209050002
一方、9月5日付の毎日新聞宮城版からは、作業時の様子などが、下記趣旨でネット配信されていた。
警察などによると、2人は事故当時、フォークリフトに乗せた直径約50cm、高さ約80cmのガスボンベを、機械で切断する作業中。
ボンベに残っていたガスに、切断用機械の火花が引火した可能性が高いという。
現場はコンクリート敷きの屋外作業場で、爆発したボンベの一部とみられる真っ黒にすすけた金属容器片が転がっていた。
同社建物や近隣の家屋には被害はなかったが、ボンベ容器の破片とみられる数cm前後の金属片が、北東側100m先の住宅地に飛散した。
出典URL
http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20120905ddlk04040123000c.html
(ブログ者コメント)
朝日新聞に掲載されている現場写真を見ると、円筒形のものが長手方向に一直線に裂け、筒の一部に凹みも見える。まるで金属製のようだ。
FRP製のボンベが破裂すると、粉々に砕かれるのではなく、一部が裂けるだけなのかもしれない。
(2013年9月11日 修正1 ;追記)
2013年9月9日19時57分にNHK東北NEWS WEBから、社長などが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この会社の56歳の社長が、解体すると破裂するおそれのあるボンベを適切な場所に保管していなかったとして、業務上過失致死などの疑いで書類送検された。
この事故では、ガスボンベの解体中にボンベが破裂し、解体作業にあたっていた作業員1人が死亡したほか、近くにいた作業員も破裂音の影響で、高い音が聞き取れなくなった。
このため、警察が捜査にあたったところ、この会社の社長を務める56歳の男が、解体すると破裂するおそれのあるボンベを、適切な場所に保管しておくなどの安全管理を怠ったとして、業務上過失致死などの疑いで書類送検された。
社長の男は、警察の調べに対し、「容器の取り扱いについて社員に伝えていなかった」と容疑を認めているという。
死亡した当時48歳の作業員も、処理方法を確認せずに作業をおこなったなどとして、業務上過失致死などの疑いで書類送検された。
警察によると、破裂したガスボンベは「圧縮天然ガス」というガスが入った強化プラスチック製のもので、会社にこのタイプのガスボンベを処理する設備はなかったという。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20130909/4395501.html
(ブログ者コメント)
「適切な場所に保管していなかった」とは、具体的にどういうことだろうか?
報道からは、容疑の内容がイマイチ伝わってこない。
FRP製ボンベは金属製ボンベと処理方法が異なるので、本来ならば、金属製ボンベと区別した場所に保管しなければならなかった、ということだろうか?
それとも、中にまだ可燃性ガスが残っているボンベを、空のボンベと同じ場所に保管していた、ということだろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。