2013年4月11日付で読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午前11時10分頃、平塚市の香料製造会社「高砂香料工業」平塚工場から出火、香料を作るフレーバー棟(鉄筋コンクリート造3階建て)約6300m2をほぼ全焼し、約6時間後に鎮火した。
けが人はなかったが、現場周辺は一時、異臭が立ち込め、工場から半径400m以内の住民約960人のうち、約160人が近くの中学校2校に避難した。
警察によると、同棟2階のフレーバー製造室では、歯磨き粉用のペパーミントの香料を作るため、化学薬品を調合中だった。何らかの原因で発火し、付近の薬品に燃え移ったという。
警察は、火が有害物質を含む薬品に延焼する可能性があるとして、工場の半径約400mを通行止めにし、この範囲内に住む約400世帯約960人に防災行政無線などで避難するよう呼びかけた。市は急きょ、市立中2校の体育館に避難所を開設した。
同棟では、歯磨き粉や食料品に添加する香料を作っている。工場では従業員約200人が働いているが、避難して無事だった。
現場はJR平塚駅から北に約1.5kmの工場地帯。工場からは黒煙が立ち上り続け、異臭も立ち込めた。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20130410-OYT8T01651.htm
一方、4月12日付の朝日新聞横浜版(聞蔵)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、歯磨き粉用の香料を製造していた同社社員は、「原料の化学物質を小分けしている際に発火した」と話しているという。
近くの可燃性の原料などに引火し、3階建て約6000m2の建物のうち、2、3階の約4000m2が全焼した。
(ブログ者コメント)
「小分け中の発火」という点から考えると、原因は静電気かもしれない。
(2013年4月26日 修正1 ;追記)
2013年4月11日付で高砂香料HPに、下記趣旨の記事が掲載されていた。
食品香料の調合作業中、アースの接続が不完全であったため、静電気が原因で引火した。
http://www.takasago.com/ja/news/2013/0411_1741.html
(2013年11月6日 修正2 ;追記)
2013年6月10日付で高砂香料社HPに事故報告書が掲載されていた。
要点のみ紹介する。
「事故の概要」
○ゴム手袋を装着した作業者が、1階から(ブログ者注記;酢酸エチル入りドラム缶を載せた?)台車を押して、エレベーターで2階に上がった。
○ドラム缶と小分け専用容器は、ともにアルミパレット上に置かれた。
○台車とパレットの間に位置した作業者は、エアーでドラム缶内を陽圧にし、アースを接続したサイフォン管を使って小分け作業を開始した。
○作業者は抜き出し具合を目視で確認していたが、容器に10cmほど貯まった時、容器内で突然発火した。
「事故の原因」
○静電気放電による火花が、小分け容器からの酢酸エチル蒸気(可燃性混合気)に引火したことによると考えられる。
○台車を移動させることでキャスターが摩擦帯電し、静電誘導により台車本体が放電可能な電荷を持った。そして作業者の脚が台車に接近した時、台車から作業者に向けて火花放電が発生した可能性がある。
http://www.takasago.com/ja/news/2013/0807_1103.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。