2014年11月20日7時15分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月20日15時56分に読売新聞から、11月20日付で毎日新聞大阪版(夕刊)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪市の印刷会社の従業員らに有機溶剤が原因とされる胆管がんの発症が相次いだが、兵庫県明石市の金属加工工場に勤務していた男性(56)が別の有機溶剤で腸疾患を発症し、加古川労基署から労災認定されていたことが分かった。
この溶剤による同疾患の認定は全国2例目。
専門家は、「労働現場に有機溶剤に対する危機感が薄い」と指摘している。
男性は2011年2月~14年6月、同工場で有機溶剤の一種、トリクロロエチレンの液体や蒸気を使って給湯器部品の銅管(直径約10cm)の洗浄を担当。繁忙期には、一日6000~7000本を洗浄していた。
トリクロロエチレンは有害物質だが、洗浄機の局所排気装置や発生源を密封する設備はなく、当初の約半年は、防毒マスクすらつけずに洗浄機に頭部を突っ込んで銅管を出し入れしていたという。
昨年秋頃、腹痛や便秘の症状が現れ、今年5月、腸に気泡状のものが多くできる「腸管嚢腫様気腫症」と診断された。
有機溶剤の体への影響を示す男性の尿中クロロ酢酸濃度は、日本産業衛生学会による許容値の1.5~15倍の高さだったという。
男性は、有機溶剤を使った大阪の印刷会社で胆管がんが多発していることを知り、労働組合「あかし地域ユニオン」に相談。
加古川労基署に労災申請し、10月に給付が認定された。
トリクロロエチレンは有機塩素系溶剤の一種で、常温では無色透明の液体。揮発性があり、大量に吸い込むと急性アルコール中毒のような症状になり、肝臓や腎臓に障害を起こす場合もある。発がん性も指摘されている。
このため労働省は、排気装置の設置や防毒マスクの着用などを義務付けている。
加古川労基署は、「男性の業務内容と腸疾患の発症に因果関係があると認めた」としている。
男性は6月に退職。快方に向かっているが現在も通院中といい、「仕事で使う溶剤がこれほど危険だとは知らなかった」と話している。
労働環境問題に詳しい産業医科大学の熊谷信二教授によると、「今回の認定は当然だ。有機溶剤は毒性が強いが、労働現場に危機感が浸透していない。事業者は安全管理を徹底するとともに、働いている方にも毒性を知らせて、十分に注意喚起するべきだ」と話す。
出典URL
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201411/0007517726.shtml
http://www.yomiuri.co.jp/job/news/20141120-OYT8T50143.html
http://mainichi.jp/area/news/20141120ddf041040025000c.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。