(2013年7月8日 修正3 ;追記)
2013年7月5日付で朝日新聞(聞蔵)から、7月5日17時34分にmsn産経ニュースから、運転開始当初と設備の使い方が変わっていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
施設を共同運営する日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構が設置した有識者会議は5日、会合を開き、放射性物質が漏れやすい構造に設備を改造していたとする調査結果を発表した。
実験しやすくするためだったという。
施設では、陽子のビームを金属の標的にぶつけて、そこから生まれるビームを様々な実験に使う。
2009年1月の運転開始当初の設計では、高いビーム出力の運転に備え、標的のニッケルをステンレス製の容器で密閉して運用する計画だった。
だが09年10月以降、より多くのビームを出せる白金や金などを標的にするよう設計を変更。
この際、放射性物質が漏れやすい気密性の低い容器に取り替えられた。
気密性が低かったことで、事故の際に放射性物質が漏れた。
有識者会議の報告では、密閉された容器ならば、ビームの異常照射があっても、放射性物質が漏れなかったと指摘した。
事故では、想定を超える高出力のビームにより金属が溶けて放射性物質が外部に漏えい。金属が密封容器に入っていれば事故は防げた可能性が高く、管理体制が問われそうだ。
実験を担当した高エネ研は、密閉容器を使わなかった理由について「ビームの出力は低く、金属が溶けるとは思っていなかった」としている。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130705/dst13070517350006-n1.htm
(ブログ者コメント)
○当初の設計思想を変えて運転する場合は、よくよく安全性についても検討しなければならない。
本件、変更管理がうまくいかなかった事例だと言えるかもしれない。
○7月5日に開かれた第2回有識者会議の資料2には、標的などの変遷経緯が写真付きで解説されている。
http://j-parc.jp/HDAccident/images/HDAccident20130705_02.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。