2018年5月6日5時14分にNHK関西から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
和歌山県岩出市は、災害が起きた際、飲料水などに使えるよう浄水機能を備えた新しい市民プールを建設することになった。
岩出市には2つの市民プールがあるが、いずれも建設から30年以上が経過し老朽化が進んでいる。
このため今年度、2つのプールを統合し、およそ5億7000万円をかけて岩出市荊本にある市民総合体育館の隣に新たに屋外プールを建設することになった。
プールには浄水施設が併設され、災害が起きた際には、年間を通してプールにはられたおよそ49トンの水を飲料水として利用できるという。
プールが建設される地区では、南海トラフや中央構造線断層帯を震源とする大地震が発生した場合、市民総合体育館と中学校にあわせて1300人あまりが避難すると想定されていて、岩出市では、このプールによって避難者全員の30日分の飲料水と生活用水を確保できるとしている。
岩出市では来月から建設工事を始め、来年夏には営業を始めたいとしている。
出典
『岩出市災害備えたプール整備へ』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180506/4285931.html
(ブログ者コメント)
今回の報道は市民プールだが、小学校のプールでも浄水機能を持たせたところがある。
以下は甲府市の例。
(2017年2月24日 甲府市HP)
甲府市内各小中学校のプールの水は、災害時に備え、常に満水の状態にしてあります。
これは、火災が起きたときの消火用水に使ったり、地震などの災害で付近の住民が避難したときの緊急用の飲料水として確保してあります。
各小中学校には、プールの水を飲料水にする浄水機(甲府市所有)が設置してあり、緊急時に備えています。
この浄水機は、活性炭でろ過し、次亜塩素酸ナトリウムで滅菌して飲料水にします。
出典
『避難場所での飲料水確保』
https://www.water.kofu.yamanashi.jp/general/saigai/20160301200607.html
以下は田辺市の例。
(2013年11月13日0時38分 朝日新聞)
田辺市南新万の市立田辺東部小学校で12日、市が災害で水道が使えなくなった際の給水対策として配備を進めている緊急用浄水処理装置の実演と試飲会があり、同校の5年生65人がプールから引いたホースを装置につないだり、浄水処理された水を実際に飲んだりするなどの体験をした。
市は今年度、南海トラフ巨大地震などの津波被害に備え、浸水域周辺の避難所に指定されている市内8小中高校に、滋賀県彦根市の水道バルブメーカーが開発した可搬式の浄水処理装置の配備を計画。
今年度は4校に配備した。
装置は、10時間の稼働で15トンの処理能力があり、1人あたり1日3リットルの飲料水が必要と仮定すると、1日約5000人分が確保できるという。
装置を使った実演では、プールの水を濾過や消毒などの処理をして、仮設のタンクから飲料用の水が流れ出すと、子どもたちは次々とコップを手に試飲した。
出典
『学校プールの水で浄水実験、災害時は飲料水に 和歌山』
http://www.asahi.com/edu/articles/OSK201311120095.html?iref=com_footer
小学校のプールの場合は、文科省の「小学校施設整備指針」に従い、設置が推進されているということかもしれない。
以下は当該指針の該当部抜萃。
第8 章 設備設計
第1 基本的事項
3 機能性
(4) 災害時には地域の避難所としての役割も果たすことから, 必要な情報通信,電気,ガス, 給排水等の機能を可能な限り保持できるよう,貯水槽,浄水機能を有するプール,自家発電設備,避難者のための便所など,代替手段も含めた対策を講じることが重要である。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。