2016年11月11日8時45分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神奈川県を中心に、冷凍メンチカツによる病原性大腸菌O157の集団食中毒が発生した問題で、今回のカツのように油で揚げる調理手順などを残して販売される「そうざい半製品」が、国の衛生基準の対象から外れていることが感染拡大の背景にあることが、分かってきた。
厳密な基準のある冷凍食品と混同される恐れもあり、事態を重くみた厚労省は、新たな基準策定などに着手する方針を固めた。
そうざい半製品は、ギョーザやカツ、コロッケなどが一般的で、材料の準備や味付けの手間をかけずに出来立てを食べられるのが特長。
冷凍食品と似たパッケージで、同じコーナーで販売されることが多いが、冷凍食品のように、細菌数の上限や保存温度などの基準はない。
今回、食中毒が出た食肉加工会社Y社(静岡県沼津市)の冷凍メンチカツと、食品会社I社(神奈川県平塚市)の冷凍メンチカツも、そうざい半製品だ。
被害は、10日までに50人超に拡大している。
厚労省生活衛生・食品安全部は、「消費者にとって冷凍食品と区別しづらく、調理時の生肉加熱処理がおろそかになりやすい」と問題視。
冷凍食品と同様に衛生基準を設けたり、そうざい半製品という名称の使用を禁じて冷凍食品に統合させたりする措置を検討する。
冷凍メンチカツによる集団食中毒の患者に対し、被害の最も多い神奈川県が聞き取り調査を始めたところ、「生っぽかった」、「割った面が赤かった」との声が上がっていることが分かった。
病原性大腸菌O157は、75℃で1分以上加熱すれば死滅するが、被害者らは肉の中心部まで火を通していなかった可能性があり、県は、全患者への調査を続ける。
I社のメンチカツは、包装の裏面に「凍ったまま、170℃~175℃の油で6分間揚げてください」と小さな文字で調理方法が記されている。
神奈川県は表示が不十分だとし、「加熱が十分でないものを家庭で食べることがないよう、具体的表示をすべきだ」と、同社に改善を指導した。
ただ、今回の商品に限って集団食中毒が起きていることから、神奈川県の担当者は、「特定の日に作られた商品が高濃度に汚染されていた可能性がある」と疑い、静岡県は、問題の冷凍メンチカツを製造した同県沼津市の食品加工卸会社T社を4日間立ち入り調査し、原材料や製造ラインに汚染がなかったか調べている。
また、10日には「食べてから、半生に気づいても手遅れです!!」として、ひき肉製品は中心部までしっかり加熱するようにと、危機管理情報を発表した。
新潟薬科大の浦上弘教授(食品安全学)は、「一部の商品は調理法の記載が足りず、文字も小さくて配慮に欠ける。だれもが温度を適切に測って揚げ物をするわけではなく、安全確保の責任を消費者に負わせ過ぎている。間違えない手立てを二重三重に講じなくてはならない」と指摘。
淑徳大学の石井克枝教授(調理学)は、安全な調理法として「解凍してから揚げると中まで熱が伝わりやすい。油は初めは150~160℃に抑え、そこから170~175℃くらいまで上げていく」とアドバイスする。
出典
『そうざい半製品 冷凍食品にあらず 衛生基準、国が策定へ』
http://mainichi.jp/articles/20161111/k00/00m/040/184000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。