2016年11月12日3時5分に西日本新聞から、図解付きで下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前5時42分ごろ、福岡県筑紫野市のJR鹿児島線で架線が破断して停電が発生し、同8時ごろには、佐賀県江北町や吉野ケ里町の長崎線でも架線の部品が損傷しているのが確認された。
この影響により、JR九州は、鹿児島線の門司港-鳥栖間で最大約10時間、長崎線の鳥栖-諫早間で最大約5時間、運転を見合わせ、約11万人以上に影響が出た。
JR九州によると、筑紫野市内の天拝山-原田間にある、架線の電気を分ける絶縁部分で、「デッドセクション」と呼ばれる直径16mm、長さ8mの繊維強化プラスチック製のパーツが破断していた。
さらに、長崎線の吉野ケ里公園駅や肥前山口駅の架線でも、損傷が見つかった。
車両を調べたところ、破断した筑紫野市の架線を通過した列車4本で、パンタグラフの損傷を発見。
通過していない別の列車1本でも、損傷が見つかった。
JR九州は、通過した列車の1本が長崎線を運行した際に、異常があるパンタグラフで架線を傷つけ、別の列車は、その架線で損傷したとみている。
この事故の影響により、午後2時半時点で、鹿児島、長崎両線の上下線で特急108本、普通284本が運休した。
長崎線で同2時7分、鹿児島線で同3時40分に全区間で運転が再開されたが、列車の大幅な遅れは続き、久大線や佐世保線、日豊線でも運休や遅れが出ていることから、影響人員は大きく増える見込み。
事故を受けてJR九州は記者会見を行い、福永・取締役運輸部長が、「早朝より、大規模な輸送障害を発生させてしまいました。ご利用のお客さまに大変ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした」と謝罪した。
出典
『JR不通11万人超影響 長崎、鹿児島線、架線損傷で停電 392本運休』
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/288540
(2016年12月6日 修正1 ;追記)
2016年11月29日1時38分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
JR九州の青柳社長は28日の記者会見で、今月2度にわたって停電で大規模トラブルを起こしたことについて、「大変ご迷惑をおかけした」と陳謝した。
また、最初に起こした11日の事故は、想定していなかった部品劣化が原因だとし、来年9月までに管内54カ所で部品を交換する方針だ。
11日の事故は、JR鹿児島線の天拝山―原田の架線のうち、電気を通さない「デッドセクション」と呼ばれる約8mの部分が破断。
通過した列車のパンタグラフが壊れ、その列車が鹿児島線と長崎線の架線を損傷。568本が運休し、約17万人に影響が出た。
JR九州によると、デッドセクションは繊維強化プラスチック(FRP)製の線を樹脂のカバーで覆った架線を使っていたが、何らかの原因で隙間ができ、内部に水が入った。
FRPに含まれる化学物質と水に電気の火花が加わり、内部で化学変化が起き、劣化。
架線にかかる力も加わって、破断したと考えられるという。
担当者は、「経験もなく、想定もしていない損傷だった」という。
JR九州管内にはデッドセクションが83カ所あり、うち計54カ所で同じFRPを使っていた。
来年9月までに、すべて別の部品に取り換える。
JR九州は、22日にも約6万5千人に影響が出るトラブルを起こした。
仮設の架線を設置する際に、必要な部品の取り付けを忘れたことが原因だった。
出典
『化学変化で架線が劣化 JR九州、11日の破断原因説明』
http://www.asahi.com/articles/ASJCX527CJCXTIPE01L.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。