2014年10月7日1時4分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大型の台風18号が6日、首都圏を直撃し、横切った。
大雨の影響で、都市部でも土砂災害や浸水被害が発生。
台風が通過した自治体では避難指示や勧告が相次ぎ、多くの住民が不安を抱えながら通過を待った。
台風の接近・通過に伴い、太平洋側の自治体では避難勧告や指示の発令が相次いだ。
朝日新聞の集計では、12都県で約134万世帯、316万人が避難勧告の対象になった。
「空振りを恐れずに」との国の呼びかけに応じたかたちだが、避難者が限られた地域も多かった。
東京都港区は約2万3千世帯、4万5千人に避難勧告を出した。
オフィス街が集まる都心だが、急傾斜の崖など土砂災害の危険箇所が東京23区内で最多の118カ所ある。
午前9時過ぎに土砂災害警戒情報が発表されたのを受け、すぐに発令を準備。6カ所の避難所を設け、ツイッターなどで周知した。
実際に避難所に来たのは6人だけだったが、担当者は「広島市の災害が頭にあった。空振りでも仕方ないとの判断で動いた」と話す。
神奈川県鎌倉市も、市内の3分の1に当たる約2万4千世帯、5万7千人に勧告を出した。
松尾市長は、「鎌倉は急傾斜地が多く、崖崩れが心配。結果的に何もなくても、対応が遅かったと悔やむよりいい」。
内閣府は今年4月、市町村が避難勧告や指示を出す際の指針を9年ぶりに改め、「空振り」を恐れず発令することを基本原則とした。
昨年10月の伊豆大島の土石流災害で、町が発生まで避難勧告を出さなかったことを受けた措置だ。
内閣府の担当者は、「ハードルが下がり、早めに出す動きが広がった」という。
改訂後に発生した今年7月の台風8号と梅雨前線による大雨の際は、全国で約50万世帯、119万人が避難勧告の対象になった。
一方で、乱発による勧告の軽視を懸念する声もある。
静岡県沼津市は今回、5地区の約8600世帯、1万9千人に避難勧告を出した。
しかし、実際に避難所に行ったのは42人で、1%にも満たなかった。
自営業の男性(58)は母親(87)と2人で避難したが、「あまり勧告が頻発することで、信じられなくなるのも困る」と話す。
千葉県松戸市は6日午前10時20分、人口約49万人の市内全域に勧告を出したが、「台風のスピードが速く、地域を精査する余裕がなかった」と説明する。
内閣府は指針改訂の際、河川水位などの数値基準のほか、発令範囲を事前に定めるよう求めたが、まだ基準を見直し中の市町村も多い。
牛山素行・静岡大学防災総合センター教授は、「空振りを恐れずに出すことは間違ってはいないが、いきなり市内全域に発令するなど、安易な例も目立つ。明確な基準と事前のシミュレーション、丁寧な情報提供が必要だ」と指摘する。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASGB655KKGB6UTIL04N.html
(ブログ者コメント)
「空振りを恐れずに」という言葉の意味はよく分かるのだが、避難勧告の乱発によりオオカミ少年化することとの兼ね合いが難しいところだ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。