2024年11月18時37分にYAHOOニュース(高知放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月9日の夜、高知県内約8万戸を含む四国で最大36万戸あまりの大規模な停電が発生したことを受け、四国電力送配電の関係者が11月12日に高知市で会見を開き、関西電力送配電との認識の齟齬が原因だったと発表し謝罪しました。
9日夜の高知龍馬空港の映像です。
照明が消え真っ暗になりました。
土佐清水市では、住民が懐中電灯で照らし明かりを確保している映像が。
四国電力送配電によりますと、9日午後8時22分、四国4県の広い範囲で最大36万5300戸の停電が発生し、県内では南国市や四万十市など10市町村、7万9500戸で停電になりました。
約1時間半後の午後9時49分までにすべて復旧。
県によりますと、内で停電によるけが人の報告はありませんでした。
武藤経済産業大臣は、1日の会見で四国電力送配電に対して原因究明と再発防止策を検討するよう指示したことを明らかにしました。
大規模停電を受け、12日に四国電力送配電の高知支社長などが四国4県でそれぞれ会見を開きました。
停電は送電線の復旧作業を行う中での四国電力送配電と関西電力送配電の認識の齟齬が原因だとしました。
四国エリアは、中国エリアと本四連系線、関西エリアと阿南紀北直流幹線という、合わせて4つの送電線で本州と連携しています。
9日はそれぞれ1つずつが作業中で停止していて、さらに9日午後に本四連系線の1つで事故が発生し、送電が停止したことから、四国電力送配電は作業で停止していたうちの1つの復旧に取りかかっていました。 復旧作業は関西電力送配電と連携して進める必要がありました。
しかし、作業を行う中で両社の間で認識の齟齬があり、本来は同時に停止しなければならなかった周波数を合わせる機能と電力の流れを振り替える2つの機能のうち1つのみが停止する事態となり、これにより四国エリア内の供給力が減少。
需要と供給のバランスを維持するために設置されている装置が作動して送電を自動で停止。
広範囲の停電にいたったということです。
四国電力送配電は原因についてさらに調査するとともに、再発防止策についても検討していくとしていて、今後、経済産業省に報告書を提出します。
https://news.yahoo.co.jp/articles/35a2e67fc0fcea3350323428d50c573c52a4e950
11月 12日付で四国電力送配電のHPには、マニュアルではEFCとEPPSを同時停止するようになっているので、そのつもりでEFC停止とだけ依頼したところ、相手側はEFCだけを停止するものと受け取ったなど、下記趣旨の記事が掲載されていた。
四国エリアは本四連系線(交流:2回線、以下「本四」という)と阿南紀北直流幹線 (直流:2回線、以下「DC」という)により他エリアと連系しており、当日の状況は以下 の通りでした。
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原因分析
・ 四国と関西間の給電申合書では本四の同期並列が完了した後にEPPS+EFCを同時停止する運用を定めています。
・ 今回は、本四の同期並列操作において大きく位相がずれたままで同期がとれなかったことから、 四国はDCの1回線連系が長期化することを懸念し、本四の同期並列前にEPPS+EFC を同時停止することを検討しました。
・ 四国から関西にEFCの停止を依頼(四国はEPPS+EFCを同時停止する認識)しましたが、関西はEFCのみの停止依頼と認識し、EFCのみを停止しました。
※ EFC ; 「DC」の潮流を変化させ、 四国エリア内の周波数を本州エリアに合わせる機能
EPPS ; 「本四」連系が途絶した場合、 「ECS」の信号により「本四」から「DC」に潮流を振替える機能
https://www.yonden.co.jp/nw/press/2024/__icsFiles/afieldfile/2024/11/12/npr002_1.pdf
2024年12月6日17時34分にYAHOOニュース(あいテレビ)からは、報告書が経産省に提出されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
四国電力送配電は6日、原因と再発防止策をまとめた報告書を関西電力送配電と連名で経済産業省に提出しました。
報告書によりますと、停電が発生した当日、四国から中国地方に向けて電気を送り出す送電線にトラブルがあり、送電を関西方面に振り替える措置が取られていました。
その後、中国方面の送電線の復旧作業を行う際、関西への送電に必要な2つの装置を停止するよう関西電力送配電に依頼しましたが、片方の装置のみ停止させたことから広範囲での停電を引き起こしたということです。
両社は「装置の操作について認識の違いがあった」と認めた上で、再発防止策として装置の操作を依頼する際にその目的と内容をより具体的に述べることや、運用者の教育改善などを申し合わせました。
また、今回の停電を受け四国電力送配電の横井社長と高畑副社長は、今月分の役員報酬の一部を自主返納するということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/72b4fa6e090839a355d9a55c02974bd2daa251e8
(ブログ者コメント)
報告書では、双方の認識の齟齬について以下のように説明されている。
4.給電連絡用語に対する認識齟齬
四国はEFCによる制御が原因と想定し、「本四EFCの停止」を関西に依頼したが、系統制御装置の操作に関して四国と関西に認識の齟齬があり、関西は本四EFCのロック (本四EFC機能のみ停止)を実施。
四国の 依頼と認識 ;
給電連絡用語で「本四EFCの停止」を依頼し、操作スイッチを押下することで、EPPS+EFCを停止する認識
関西の 操作と認識 ;
本四EFCのロック操作の依頼と認識し、 操作スイッチのロック操作を実施 (本四EFC機能のみ停止)
https://www.yonden.co.jp/nw/press/2024/__icsFiles/afieldfile/2024/12/06/npr001.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。