2013年11月15日21時56分に朝日新聞から、11月16日0時35分に毎日新聞から、事故の第一報が、下記趣旨でネット配信されていた。
15日午後4時10分ごろ、千葉県野田市二ツ塚の工業団地内にあるEC社(本社・東京都千代田区)の廃油リサイクル工場「千葉リサイクルセンター」で爆発が起きた、と工場関係者から110番通報があった。
県警によると、同社作業員の男性2人(50歳と52歳)が死亡し、16人が重軽傷を負って病院に搬送された。
調べでは、爆発は工場建屋内にあるリサイクル装置周辺で発生。建屋は屋根や壁が吹き飛んで炎上し、1時間後に鎮火した。
死亡した作業員のうち1人は建屋の2階で見つかった。もう1人は1階でがれきの下敷きになっていたという。2人とも全身にやけどを負い、心肺停止状態で見つかった。
亡くなった52歳の作業員は、廃油を遠心分離機にかけ、不純物を取り除く作業などを担当していた。50歳の作業員は、同じ施設で別の作業中だったとみられる。
県警によると、死亡した2人以外、この工場の作業員ら13人が重軽傷を負ったほか、近くの別の工場にいた3人も軽いけが。
当時、工場内にいた作業員は、県警の調べに、「廃油の精製作業中に煙が上がった。機械を止めたが、タンクが爆発した」と説明しているという。
県警は、業務上過失致死傷の疑いもあるとみて、特別捜査班を16日に設置して原因を調べる。
敷地内には汚泥を処理する施設もあり、放射性物質を含む汚泥も扱っていたが、同社は「爆発では飛散していない」としている。
現場は東武野田線梅郷駅の東約1kmの工場地帯。
野田市消防本部によると、付近の建物では爆風で窓ガラスなどが割れる被害が出た。
工場から5km圏内の住民から爆発について通報が相次いだという。
市消防本部は、隣接する茨城県や埼玉県の消防署にも応援を要請し、計約25台の車両が出動。発生から約1時間で鎮火したが、現場は騒然となった。
同センターには約100人が勤務。関東のガソリンスタンドなどから廃棄されるエンジンオイルなどを回収し、再生油に精製していた。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/TKY201311150223.html
http://mainichi.jp/select/news/20131116k0000m040011000c.html
以下、ポイントとなる続報のみ記す。
(11月16日 18時56分 NHK千葉)
施設内の作業には、廃油に熱を加える工程があることがわかり、警察は「爆発の直前にガソリンが気化したような臭いが充満し、まずいと思って窓を開け、設備を緊急停止したところ爆発した」という従業員の証言などから、引火性のあるガスが発生した疑いもあるとみて、廃油の成分についても詳しく調べることにしている。
施設では、持ち込まれた廃油はサンプル検査をしているということだが、「水分の量を確かめ、においや目視で異常がないか点検するもので、軽い油の成分が混ざっているかどうかの確認は出来ない」と話している。
http://www.nhk.or.jp/lnews/chiba/1083095361.html?t=1384635695856
(11月16日20時34分 朝日新聞)
工場の近くで新たに軽傷者2人が確かめられ、重軽傷者は計18人となった。
http://www.asahi.com/articles/TKY201311160054.html
(11月16日 23時51分 毎日新聞、11月17日22時46分 読売新聞)
同社によると、普段はガソリンスタンドなど1日に400~500の取引先から、主に廃エンジンオイルを回収して精製、再生油にしていた。
しかし13日から事故当日の15日までの回収記録を調べたところ、通常は主に200〜300ℓのエンジンオイルしか回収しない取引先から、14日、7700ℓの引き取りを依頼され、15日の爆発前、この量に近い廃油をタンクローリーで回収して工場のタンクに入れたという。
同社は、「一度にこれだけ大量のエンジンオイルを回収することは考えにくく、回収段階でガソリンなど揮発性の高い油が混ざった可能性がある」との見方を強めている。
廃油はタンクローリーの運転手と工場の社員が目視と臭いで確認したが、記録上は「問題なし」とされていたという。
内規によれば、回収時と施設搬入時に廃油の成分を調べることになっており、社内で経緯を調査している。
http://mainichi.jp/select/news/20131117k0000m040090000c.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131117-OYT1T00527.htm
(2013年11月17日14時03分 読売新聞)
野田市消防本部は16日、爆風被害が工場から約1km離れた民家で確認されたと発表した。
同消防本部が、工場から半径約1kmの範囲を巡回した。被害は主に工場で、近隣の14企業27棟で壁が崩れたり、窓ガラスが割れたりした。民家の被害は8軒。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131117-OYT1T00219.htm
(2013年11月18日11時0分 千葉日報)
重傷を負った作業員は「作業現場がもやがかった感じがしたので、窓を開けたら爆発が起きた」と同社に説明しているという。
http://www.chibanippo.co.jp/news/national/166611
(2013年11月18日18時00分 朝日新聞)
火災当日の15日に工場に持ち込まれた廃油の回収作業の際に、担当者がガソリンのような臭いに気付いていたが、そのまま回収し、社内マニュアルで定めたサンプル調査をしていなかったことがエバー社の調査でわかった。
工場の検品担当者のチェックも不十分だった可能性があるという。
通常は扱わない高揮発性の廃油がチェックをすり抜け、火元とみられる精製ラインの遠心分離器に流れ込んだ可能性があると同社は見ており、油の特定や作業手順の検証を進めている。
http://www.asahi.com/articles/TKY201311170286.html
(11月18日 18時03分 NHK千葉)
爆発火災が起きた当時、事故が起きた施設の隣にある金属部品の製造会社で作業に当たっていた37歳の従業員は、「爆発の20分か30分前に、ガスのような、刺激のある臭いを感じました」と話していた。
http://www.nhk.or.jp/lnews/chiba/1083146952.html?t=1384811501107
(ブログ者コメント)
「作業現場がもやがかかった感じ」とか「隣の会社でも刺激臭」と報道されている点、また現場のすさまじい破壊状況から考えると、建屋内のかなりの範囲に可燃性ガスあるいは蒸気が充満し爆発したということかもしれない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。