2019年8月15日18時37分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
15日午後2時10分ごろ、東京都練馬区向山3丁目の遊園地「としまえん」にあるプールで、水面に浮かべられた遊具の下の水中に女児がいるのを監視員が見つけた。
女児は病院に搬送されたが、午後4時ごろ死亡が確認された。
警察は女児がおぼれたとみて、詳しい経緯を調べている。
警察によると、死亡したのは埼玉県朝霞市仲町1丁目の小学3年生の女児(8)。
両親と妹(1)の家族4人で訪れていたという。
警察によると、女児が見つかったのは、水面に浮かべた大型遊具などで遊ぶ子ども向けエリア「ふわふわウォーターランド」。
としまえんによると、競泳用の50mプール(8レーン)に設置されていて、水深は最も深いところで1.9mある。
利用者全員にライフジャケットの着用を求め、身長110cm未満の子どもは大人の付き添いが必要だ。
女児の身長は110cm以上だった。
ライフジャケットも着けていた。
このエリアでは正午と午後2時、利用客にプールから上がってもらったうえで点検をしている。
女児は午後2時の点検の際に、「浮島」と呼ばれる遊具の下で見つかった。
正午の点検では異状はなかったという。
ここには監視員が7人配置され、当時は約270人が利用していた。
監視員は、利用客に「遊具の下に潜り込まないように」と呼びかけていたという。
としまえんは事故を受け、このエリアの営業を中止し、この日のナイトプールも取りやめた。
16日は、プール全体の営業を中止する方針だ。
東京都北区から園を訪れた女性は、以前、「ふわふわウォーターランド」で9歳の息子を遊ばせたことがあった。
「息子は足がつかず、『怖かった。もう行きたくない』と言っていた」と話した。
https://www.asahi.com/articles/ASM8H5PX4M8HUTIL02R.html
8月16日11時54分にNHK首都圏からは、当該プールの管理運営は広島県の企業が行っていたなど、記趣旨の記事がネット配信されていた。
捜査関係者によると、女児はプールの水面に浮かんだマットのような遊具の下の真ん中付近で、うつぶせの状態で見つかったという。
警察は、何らかの理由で遊具の下に入り込んだあと、救命胴衣の浮力で遊具に押しつけられ溺れた可能性があるとみて、詳しい状況を調べている。
「としまえん」によると、園内のプールは6つのエリアに分かれていて、事故が起きたのは遊具などを浮かべた「ふわふわウォーターランド」と呼ばれるエリアだった。
このエリアは3年前の平成28年夏から営業を始めていて、管理・運営は広島県の企業が行っていた。
エリアには大小2つのプールがあり、現場となった大きいほうのプールは、長さ50m、幅20m、深さは1.2mから1.9mある。
水面には浮き島のようなマット状の遊具がつながっていて、子どもたちが救命胴衣を着用したうえで、歩いたり遊んだりできるようになっていた。
15日は、このエリアに延べ270人が訪れた。
監視員はエリアの大小のプールに合わせて7人配置され、プールサイドから異常がないか確認していたという。
正午と午後2時には、利用者全員にプールから上がってもらったうえで水中の点検を行っていて、15日は午後2時の点検の際に遊具の下から女の子を発見したという。
警察によると、遊具はマットのような形で、縦2.5m、横5m、厚さは30cmあった。
子どもの水難事故に詳しい、小児科医でNPO法人「Safe Kids Japan」の山中龍宏理事長は、「複数の監視員を配置していても、大型の遊具で下が隠れていたり太陽光の反射で水面が見えにくくなったりして、事故を防ぎきれないということが、今回、浮き彫りになった。何らかの対策をしなければ、同じような事故がまた起きてしまう」と話している。
安全対策の事例として、「水上からの監視では限界があるので、水中にカメラを設置して、一定の時間を超えて子どもが動かなくなるとアラームが鳴る仕組みを導入している施設もある」と言う。
そのうえで、山中理事長は、「施設の運営者などは、事故に関する情報をまとめて詳しい検証を行うべきだ。『気をつけましょう』で終わらせず、具体的な対策を繰り返し取っていくことで、遊具を安全なものにしていく必要がある」と指摘している。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20190816/1000034384.html
8月16日17時46分にNHK首都圏からは、一緒にいた父親が女児を見失い、監視員に相談していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察のその後の調べによると、女児は午後1時すぎごろから現場のプールで父親と遊び始めたが、まもなく行方がわからなくなったという。
父親が監視員に相談し、拡声機で名前を呼びかけてもらったが見つからず、遊び始めてからおよそ1時間後の午後2時の定時点検で監視員が水中に潜って確認したところ、女児を発見した。
今回事故が起きた水面に浮かべる遊具は、「水上アスレチック」とも呼ばれている。
大型のものもあり、子どもたちから人気で、近年、プールや海水浴場などに多く設置されている。
一方で、文科省などによると、こうした遊具の安全基準はなく、安全管理は事業者に任せられている。
国の指針は、プールそのものの構造や設備などについて定められているが、遊具に関する決まりはないという。
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https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20190816/1000034397.html
(ブログ者コメント)
父親から相談を受けた時点で、全員をプールから上げ、女児の所在を確認したりプール内を点検することはできなかったのだろうか?
(2019年8月30日 修正1 ;追記)
2019年8月29日17時29分にNHK首都圏から、過去に東京の小学校で同じような事故があったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
管理会社が「遊具の下への潜り込みは想定していなかった」と説明していることが、関係者への取材で分かった。
警察によると、事故当時、監視員が水中に潜って遊具の下を確認したのは、女児を探し始めてから、およそ1時間後だったという。
今回の事故と同じように、水面に物を浮かべたため死角が広がったプールでは、過去にも死亡事故が起きていた。
遺族は、関係者の間で教訓が共有されていなかったのではないかと話している。
東京・杉並区の宮崎さん(男性、69歳)は19年前、小学1年生だった娘さんを学校のプール事故で亡くした。
事故が起きたのは水泳の授業中で、4人の教員が見守る中、およそ120人の児童がプールに入っていたが、水面に畳1畳分ほどの大型のビート板などを複数浮かべていて、死角が広がっていたという。
杉並区教育委員会は娘さんの事故のあと検証を行い、学校のプールでは水面に浮かべる大型の遊具などを使わないなどとする手引きをまとめていた。
宮崎さんは今回の事故について、「娘と同じ事故がまた起きたかと思った。学校と遊園地という違いはあるが、プールに遊具を浮かべると大きな死角が生まれ、監視の目が届きにくいという点では同じで、過去の事故の教訓が関係者の間で共有されていなかったのではないか」と話している。
その上で、「小さな子どもが遊ぶ際の危険性について、施設は安全への配慮をもっとすべきだと思う。今回の事故を一過性のものとしないで、しっかりと原因を究明し、得られた情報を今後に生かしてほしい」と話している。
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https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20190829/1000034971.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。