2020年10月25日に掲載した元記事がブログサイト運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/11114/
(2020年11月12日 修正1 ;追記)
2020年11月5日17時46分にNHK首都圏からは、近くに別の空洞が発見された、付近には川が流れているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
陥没現場から40メートル北で新たに空洞が見つかったことが4日、明らかになりました。
空洞は地表面から深さ5メートルより下に広がり、幅4メートル、長さ30メートル、高さ3メートルほどあったということです。
これについて東日本高速道路は5日、対策委員会で検討し、終了後、担当者と専門家が会見を開いて、トンネル工事との関係はわからないとしたうえで、空洞の状態などについて説明しました。
それによりますと、地表面と空洞の間には固い地盤があり、ただちに地表面に変化を及ぼす状態ではないこと、また空洞の中には深さ1メートルほどの地下水があったということです。
対策を検討する委員会の委員長で早稲田大学の小泉淳教授は、「空洞の場所は川が近いので、川からの地下水が流れ込んで、空洞ができる要因となった可能性も考えられる。地下水の流れを調べて空洞の原因がもともとの地盤によるものなのか、工事による影響なのか、判断する必要がある」と説明をしました。
また小泉委員長は、先月の陥没現場はすぐに埋めてしまって詳しい調査ができなかったとして、今回は詳しい調査を行うべきだと東日本高速道路に指摘したということです。
これについて東日本高速道路は、「住民の不安を考えると、調査を行うために空洞をそのままにしておくことはできない」として、埋め戻し作業を急ぐ考えを示しました。
東日本高速道路は、埋め戻し作業の準備が整うまでの数日で地下水の流れの方向や速さを測定し、川との関係などを確認するとしています。
また、周辺で地盤の状況を調べているボーリング調査を8か所から10か所に増やすとともに、住民から調査の要望があれば、個別に対応するとしています。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20201105/1000055833.html
(2020年12月19日 修正2 ;追記)
2020年12月19日付で毎日新聞からは、中間報告がまとまった、緩い地盤ゆえ砂や小石が沈み込むのを防ぐため気泡を注入するという特別な作業をしていたなど、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
東日本高速道路の有識者委員会は18日、直下の大深度で行われていた東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事で土砂が引き込まれたとみられるとし、「工事が要因の一つである可能性が高い」と指摘する調査結果(中間報告)をまとめた。
同社は記者会見で「工事との因果関係を認めざるを得ない。おわび申し上げる」と謝罪し、周辺住民に補償する方針を明らかにした。
トンネル工事は「大深度地下利用法」に基づき、地下47メートルで行われていた。
同法は、用地買収や地権者の同意なしに地下40メートルより深い場所の利用を認めるもので、実際の工事は4例あるが、他に道路陥没の報告はない。
今後の調査で工事が陥没の原因と認められれば、初のケースになる。
東日本高速道路によると、現場の地中は緩い層が連続する特殊な地盤。
夜間に工事を休止すると、円筒形の掘削機「シールドマシン」(直径16メートル)に上から砂や小石が沈んできて、回転式のカッターが動かなくなった。
このため、地中に気泡を注入して土砂が崩れるのを防ぐ特別な作業をしていた。
だが事後の実験で、気泡を注入すると掘削面の地盤が煙突状に緩むことが判明。
9月14日に現場下を通った掘削機が上部の土砂を取り込み、陥没を起こした可能性があると結論付けた。
・・・・・
https://mainichi.jp/articles/20201219/ddm/001/040/119000c
12月18日20時4分に朝日新聞からは、騒音対策で掘削機を止めた後、掘削再開時に内部の土砂を取り除く必要があったが、その際に外部の土砂を取り込み過ぎた可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中間報告では、現場付近の地盤について、流動化しやすい砂の層や礫(れき)があり、掘削しにくい特殊な地盤だったと分析。
現場地下の地盤がトンネルの直上まで緩んでいたことを明らかにした。
また、工事による騒音対策で、作業中にシールドマシン(掘削機)をたびたび止めており、掘削再開時に内部にたまった土砂を除くなどの作業をするなかで、外部の土砂を取り込み過ぎた可能性があるなどと指摘。
「工事が陥没を含む空洞の要因の一つであった可能性が高いと推定される」との見解を示した。
一方で、地下空洞がもともとあった可能性も否定できないとした。
https://www.asahi.com/articles/ASNDL6GRWNDLUTIL025.html
12月18日7時20分に日本経済新聞電子版からは、周辺は田んぼや沼地だった、沈下原因の一つとして地下水も考えられるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
市内の不動産鑑定士によると、周辺はかつて田畑が広がる農地だった。
50年近く住むという男性(76)は、「昔は田んぼや沼地だった。沈下は工事だけが原因ではないと思う」と話した。
専門家は、地盤の軟弱さに加えて、工事の影響を指摘する。
東京工業大の竹村次朗准教授(土木工学)は地盤沈下の原因を「工事の振動で緩い砂層が締め固まったためではないか」と指摘。
沈下エリアで陥没や空洞が起きた理由については
①掘削機による土の過剰な取り込み
②下水管破損
③トンネル工事による地下水の流れの変化
といった可能性があるという。
都内の地下構造に詳しい東京都立大の鈴木毅彦教授(地形学)は、衛星データが示した地表隆起に着目し、原因として地下水の可能性を挙げる。
地下40メートルより深い場所を掘る「大深度」工事は地下水への影響が懸念され、今回の外環道トンネル工事でも地下水についての調査が行われていた。
鈴木教授によると、周辺の地下は東久留米層という砂層と小石が積み重なった礫(れき)層で、水が通りやすい。
西から東に向かって流れる地下水脈がトンネル工事によって遮断され、行き場を失った地下水がたまって隆起が起きたと推測できるという。
「場所とタイミングをみると(工事との)因果関係はあると考えざるをえない」としつつ「全体でみて、ここだけで起きていることを思うと個々の問題」との見方も示した。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG16BI50W0A211C2000000/?n_cid=NMAIL007_20201218_A
(2021年2月15日 修正3 ;追記)
2021年2月13日0時14分に読売新聞からは、地盤が強固だったため掘削機がたびたび停止し、都度、始動させるため薬剤を注入したが、その際に土が掘削機内に流入したなど、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
東日本高速道路の有識者委員会(委員長=小泉淳早稲田大名誉教授)は12日、最終報告書を公表し、大深度地下利用法で認可された東京外郭環状道路(外環道)の工事が原因である可能性が高いとし、因果関係を認定した。
東日本高速は、不動産価値の減少や健康被害についても補償対象とする方針を示した。
・・・・・
陥没や空洞発生の仕組みも推定。
工事は特殊な掘削機で掘り進めるシールド工法で、鹿島などの共同企業体が実施したが、地盤が強固なため、掘削機がたびたび停止。
始動させるために薬剤を注入した際、土が掘削機内に流入して地盤が緩み、さらに薬剤が過度に浸透して緩みが拡大した。
現場より上の地盤が、振動を伝えやすい特殊な構造だったことも影響した。
東日本高速は年度内に再発防止策をまとめ、その後、工事を再開させる方針。
2年かけて地盤の緩みも補修する。
東日本高速は「住民の不安を解消するため、被害補償や補修を適切に行っていく」とした。
・・・・・
日本のシールド工法の技術は世界屈指とされるが、過去には陥没や空洞が発生し、近畿地方整備局が、独自に施工管理などの指針を作成したこともある。
国には大深度工事の「安全神話」を封印し、安全対策の議論を進めることが求められる。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210212-OYT1T50182/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。