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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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本件、情報量が過大に過ぎ、また運輸安全委員会から今後事故報告書が公表されるであろうこともあって、ここでは、現状、指摘されている問題点を列挙するにとどめる。
(出典URLは代表的な記事1件のみ添付)

こうやって問題点を並べてみると、平常状態から事故に至る事象の連鎖が改めて浮かび上がってきた。

ちなみに、報道だけで断定するのは早計だと感じたものには「?」マークを付している。

 

①経営者の安全意識欠如 

 ・ウトロ港が穏やかだったので大丈夫だろうと、天気予報などを軽視
して出航させた。

   https://www.yomiuri.co.jp/national/20220425-OYT1T50161/ 

 ・観光船会社を5年前に買い取った後、昨年3月までに、ベテラン
船長を含むスタッフのほぼ全員を解雇(雇止め)した。 
 
https://news.yahoo.co.jp/articles/a49a99f9d77f5b859c7d34a68ad6061ffddb06d2

 ・元船長から新船長に仕事を教える時間的余裕をとらなかった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/29dba17751ccc6ef589cfa524c96acdb92982222

 ・ベテランは残すべきだという他社船長の意見を聞き入れなかった。

 https://mainichi.jp/articles/20220427/k00/00m/040/096000c

 ・難所である知床沿岸の運航を、知床に来て2年目の現場経験の
ほとんどない船長に任せた。
 
https://news.yahoo.co.jp/articles/6f5759f9a3b841d159a59a79d21151bba7dee870

 ・天気が悪くなれば引き返すという、あり得ない条件付きの運航を
させた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ef0e630a2405912c34cc02dea60bee5b2ba40f02

 ・欠航基準など安全管理規程に書かれている内容を知らなかった?

https://news.yahoo.co.jp/articles/5636b2ec5191a2144f4c97d1ce47129b03b6bce7

・荒天予想時に出航させることが過去に何回もあった。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220427/7000045935.html

・複数の遊覧船で出航すれば万一の時にも救助が早いが、他社に
先駆けて1隻だけで出航させた。

 https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220427/7000045935.html

②船長の経験不足、安全管理不適切 

 ・漁協組合長などから午後から天気が悪くなるので出航しないほうが
いいと忠告されたが出航した。

 https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220425/7000045847.html 

 ・出航前に天気予報を確認していなかった?

https://www.sankei.com/article/20220426-ONZAUXNEGRJJRA2BUBF7HNSP74/

・船室内にいる乗客にライフジャケットを着用させていなかった。

 https://www.sankei.com/article/20220428-5RGDNMKGNBPUBJST4IRWW4MNCE/ 

  
義務ではなかったが・・・   https://news.yahoo.co.jp/articles/90128c3af96e06fefdf2297a510949bcac590ddc

③教育訓練不足

 ・去年、豊田船長とは別の人が?操船中に事故を起こしているが、
その原因はGPSの入力ミスだった。
 
https://news.yahoo.co.jp/articles/87711ec08c463532ee8b983ddebf9eaff2072c7c
 https://mainichi.jp/articles/20220428/dde/041/040/021000c

④設備管理不備

 ・事務所の無線アンテナを、電波が通じる場所なら通常の携帯電話でも
構わないという理由で、3ケ月前に強風で折れたまま放置していた。
 
https://news.yahoo.co.jp/articles/1f02a44f5b2a09d91046ddffd50ac80a17e2981f

 ・衛星携帯電話も修理に出したままで船には積んでいなかった?

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220427/7000045957.html 

その結果、船長と連絡がとれないと聞いた他社従業員が自社の無線で
交信し、異変を察知して118番通報した。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220426-OYT1T50264/

 ・昨年の座礁事故で船首に生じた亀裂を修理していなかった?

https://news.yahoo.co.jp/articles/473b416bc8c2f2fee3760c8cad6b6474daa02a61

 ・操船の重要アイテムGPSプロッターは壊れたので取り外し、整備中
だった?

   https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220425/7000045847.html

 ・毎年交換していた腐食防止用の亜鉛プレートを去年は交換して
いなかった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6f5759f9a3b841d159a59a79d21151bba7dee870

 ・船は穏やかな瀬戸内海で使われていたもので、前の会社が05年に
買い取り、荒れる知床で運航していた。
 
https://news.yahoo.co.jp/articles/3e23a805b3bb238516e2a4cfc53be07e6ce25fbb

⑤検査機関の検査方法不十分

 ・検査時に通信手段を携帯電話に変更すると申請された検査官は、
海上でもつながるという船長の説明などを元に、実際に確かめる
こともせず認めた。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220430-OYT1T50193/ 

 ・事故直前に行われた定期検査では船体の損傷や変形は検査項目に
含まれていないので、さっと目視という感じらしい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/04756336074add8b507e010821470c2aa11bc69b 

 

(ブログ者コメント)

4月27日に開かれた初の社長記者会見では、冒頭の「お騒がせして」に始まり、「悪天候でも客の要望に応じようと出航することはある」などと発言したことで、当事者意識の欠如や責任感のなさが指摘され、また赤系統のネクタイは不適切など、メディアでサンザンな扱いを受けている。

しかし、船の運航は全て船長に任せていたなどと言うのではないかと思っていたブログ者は、責任は私にあると認めた点だけは評価している。

 

(2022年12月18日 修正1 ;追記)

202212151019分にNHK北海道から、前甲板のハッチの蓋が壊れ、そこから水が侵入したなどとする経過報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
後日発表される正式報告書でも、本筋に変わりはないと思われる。

国の運輸安全委員会が経過報告書をまとめ、公表しました。

それによりますと、浸水については、船の前方の甲板から船の倉庫=船倉につながる「ハッチ」から相当量の海水が流入したと推定されるということです。

具体的には、ハッチのふたの留め具が削れていたことや、事故の2日前に行われた訓練でふたを確実に閉めることができなかったという証言があることから、ハッチのふたが十分に閉まっていない状態で運航するなか、船体の揺れでふたが開き、海水が流れ込んだ可能性があるということです。

また、甲板の下にある2つの船倉とエンジンがある機関室などを仕切る3か所の壁に穴が開いていたことで浸水が全体に広がったと考えられ、隔壁を密閉していれば浸水の拡大を防ぎ、沈没を回避できたとしています。

さらに、ハッチのふたが外れて客室前方のガラス窓に当たって割れたことで、大量の海水が流入し沈没を早めたとみられています。

一方、船長や乗客の通話内容などから20分ほどで急速に浸水が進んだとみられることもわかったということです。

調査結果を踏まえ運輸安全委員会は、小型旅客船の事業者に対するハッチの点検や隔壁の水密化について検討するよう、国土交通大臣に意見を出しました。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20221215/7000053413.html
 

 

12152330分にYAHOOニュース(テレビ朝日)からは、ハッチは4隅を取っ手付き金具で固定されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

番組が入手した事故が起きる前のハッチをとらえた写真には、4隅に取っ手があり、金具で船に固定されています。

ところが、船が引き揚げられると、ハッチはなくなっていました。
金具がポッキリと折れていたのです。

海水は、このハッチから船内へ。

甲板の下の船倉や機関室は壁で仕切られていましたが、完全に密閉された空間ではありませんでした。

隔壁に人が通れるほどの四角い穴と、直径30センチほどの丸い穴がありました。

この穴に達した水は、機関室へと流れ込みました。

電子制御の部品などに、海水が接触して、エンジンが停止したとみられています。

問題は、ハッチが、事故の前から壊れていていたかもしれないこと。

報告書には、事故の2日前に実施された救命訓練で「確実に固定できない状態だった」との証言があげられています。

さらに、『KAZU1』は、別の運航会社が、もともと穏やかな瀬戸内海で使っていた船で、厳しい知床の海を想定して作られたものではありませんでした。

そのため、海が荒れると、船首の甲板に直接、波が打ち込む状態だったそうです。

いつの時点かはわかっていませんが、ハッチが外れ、客室前の窓ガラスを直撃したとみられています。

そこからも海水が流れ込んで、船の傾きは加速。
船長が異変を伝えてから、20分ほどで浸水が進んだようです。















https://news.yahoo.co.jp/articles/92d737d4eafef625a08869f8fed6168a784973f3  

※以下は上記報道のユーチューブ版。
https://www.youtube.com/watch?v=BorgvnlZ_Q8

 

12151615分にYAHOOニュース(齋藤水難学会会長の寄稿文)からは、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。

事故の中間報告が今月15日に国の運輸安全委員会から発表されました。
その報告を読み解きます。

【浸水から沈没に至るメカニズムについての要約】

(1) 復路において、波高の高い波を受けて航行する状況下、波がブルワークを越えて直接船首甲板部に打ち込んだ。

(2) 船首甲板部ハッチ蓋が確実に閉鎖された状態でなかったことから、ハッチ蓋が船体の動揺によって開き、海水が同ハッチから船首区画に流入し始めた。

(3) (5) 省略

(6) 船首甲板部ハッチコーミングの上端が喫水線よりも下になり、大量の海水が同ハッチから流入した。

(7) 時点を特定することは困難であるが、船首トリムが増加し、船首甲板部ハッチ蓋が直接波にたたかれるようになり、ストッパーに強く当たってヒンジが脆性破壊し、同ハッチ蓋が外れて前部客室前面中央のガラス窓に当たり、ガラスを割った。
同窓からも海水が流入し、船首トリムの増加は更に加速した。
その後、海水の重量を含む船舶の重量が浮力より大きくなり、沈没に至った。

【時系列でそれぞれを解説】

(1)波がブルワークを越えて直接船首甲板部に打ち込んだ

専門的には「青波の打ち込み」と言います。
どちらかと言うと、喫水が深く、船首が波に突っ込むような状況下で発生します。
青波衝撃といって、水の塊りが船首楼、甲板、上甲板前部に落下し、甲板の陥没、倉口蓋の破損、船橋楼前壁の窓の破損、積荷のコンテナの破損などを起すことがある。
沖に出ると出会う波には白波と青波とがあります。
白波は空気交じりの水の塊なので、ぶつかった時の衝撃はそれほどでもありません。
俗に「しぶきをかぶる」などといいます。
一方、青波は空気をほとんど含んでいないので、バルク(塊)の水が襲ってくる印象です。
船体にぶつかった時の衝撃はすさまじいばかりでなく、人がそれをかぶれば簡単に流されます。

・・・

(以下、長文につき転載省略)

https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohidetoshi/20221215-00328291 

 

12151854分にYAHOOニュース(北海道テレビ)からは、ハッチは死角になっていて船長からは見えなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

70ページにもおよぶ報告書にまず記載されていたのは、船上からの通信記録でした。

「お昼食べたん?船から下りたら食べるよ」
報告書で明かされた船上からの通信記録。

午後1時2分ごろ、乗客が家族と電話した時には、目に見える異常はなかったようです。

ところが、およそ15分後、船長とみられる男性から海上保安庁に「エンジンが使えない」と通報がありました。

その2分後、ある乗客は家族に電話でこう告げていました。
「船が沈みよる。今までありがとう」

そして、別の乗客も午後1時21分から5分ほど家族に電話していことが新たにわかりました。
「船が沈みかかっている。浸水して足まで浸かっている。冷たすぎて泳ぐことはできない。飛び込むこともできない」

これが、現在確認されている船上からの最後の通信です。

・・・

なぜ船長がハッチの異常に気づけなかったのか。
そこには「KAZUI」の構造上の問題がありました。

これは「KAZUI」の操舵室からの眺めを再現したCGです。

船長が立っていたとみられる位置から窓の外をみてもハッチは死角になっていたのです。

海上災害防止センターの伊藤理事長は、「KAZUI」が元々、瀬戸内海など穏やかな海を走るために造られた船であることも関係していると指摘します。

「瀬戸内海であれば日常的に波は高くありませんので、外海を走る船とは違って構造上もさほど視界とか、その辺(ハッチ)については特段の配慮はなかったんじゃないかと思います」

・・・

https://news.yahoo.co.jp/articles/c9242230ad0ac2d18a9a6d113f531fe8b3ca2526 

 ※以下は上記報道のユーチューブ版。



 https://www.youtube.com/watch?v=wl6M9lpMmZw 

 

(ブログ者コメント)

報告書40ペ-ジには、「ハッチ取り付け部のヒンジが脆性破壊していた」と記されている。
ただ、材質についての言及はない。
こういった部品には寒冷地仕様というものはないのだろうか?

https://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2022/keika20221215-0_2022tk0003.pdf 

 

 

  

 

  

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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