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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2013513955分に読売新聞から、下記趣旨の記事が件数推移図付きでネット配信されていた。

JR北海道の車両や設備の故障などのトラブルが2012年度は194件に上り、過去10年で最多だったことが分かった。
他のJR旅客5社と11年度の件数を比較するとトラブル発生率は2~3倍高く、今月に入っても大型連休中に特急列車の出火トラブルが起きており、歯止めがかからない状態だ。

国交省は各鉄道会社に対し、運休か30分以上の遅れが出たトラブルについて、省令で報告を義務づけている。
エンジン故障など鉄道会社に責任があるトラブルと、自然災害や動物との接触など会社側の責任が軽いものに分けて報告しており、JR北海道に責任がある12年度のトラブルは194件で、過去10年の平均の1.6倍となった。194件のうち104件は車両に関するトラブルだった。

出典URL

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130513-OYT1T00184.htm


また、2013513日付で毎日新聞からは、トラブル多発原因に関する下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。

JR北海道の事故が後をたたない。
JR側に責任がある列車運休や遅れなどの「輸送トラブル」(自然災害や踏切事故を除く)は、2012年度は194件と過去15年間で最多を記録。4、5月も函館線で特急列車の床下から出火する事故が2件発生した。

79人が負傷した石勝線の特急脱線炎上事故(11年5月)を教訓に「企業風土を改革する」(小池社長)と決意したはずだが、成果は見えていない。
トラブル多発の原因を探った。

◇過酷な気候的条件

「鉄道事業に与える北海道の気候条件は、温暖地に比べて非常に厳しい」
 北見工業大社会環境工学科の白川龍生准教授(氷雪学、鉄道工学)は、事故多発の背景をこう指摘する。
白川准教授によると、寒冷地では、線路が凍り排水が悪い場所で霜が線路を押し上げる「凍上(とうじょう)」と呼ばれる現象が起きる。これが線路上の枕木を持ち上げ、レールに凹凸を生じさせる。この高低差が列車の動揺を大きくして脱線事故や、車両への振動から部品消耗の原因につながるという。


特に道内の線路は湿地や泥炭地帯に敷かれた歴史的な経緯があり、厳冬期に凍上する区間が多数存在。一方で、線路の修繕や交換など保守管理は雪のない半年間で完了させなければならない。道外の雪による凍結が少ない地域では、枕木や砂利などの交換を容易に行うことができるのとは、大きな差がある。

◇技術者の育成急務

年齢構成のいびつさも問題だ。
社員約7050人のうち最も多いのは50代で37.7%を占める。次いで20代は27.4%、30代は23.1%。現場の中心となるべき40代は9.5%と極端に少ない。国鉄から移行した87年ごろに新規採用を抑制。団塊世代が大量退職したため、社員の急速な世代交代が生じた結果だ。

特に鉄道の安全・安定輸送に欠かせない車両検査などの専門技術者については、長期的な視点での育成・確保が重要だが、JR北海道広報部は、「次世代を担う社員への指導に影響が出ている可能性がある」と深刻に受け止めている。

このため、08年ごろからは30代後半〜40代の技術系社員を毎年10〜30人ほど中途採用。定年退職した社員を再雇用して、運行技術や業務管理技術の継承を目指しているが、年齢構成の偏りを直ちに解消するのは困難だ。

◇企業風土の改善を

JR北海道は石勝線の事故を教訓に12年11月、12年度からの10年間で、車両部品交換などの対策に1300億円(過去10年比4割増)を投入する「安全基本計画」を発表した。
しかし、同年10月には会計検査院から、検査の不備や社内の安全規則が守られていないことを指摘され、鉄道業者として最も大切な安全軽視ともとれるような体質も明らかになった。

同社は「指摘を重く受け止めて業務改善に取り組む」としているが、現在も検査記録用のフォーマットを統一するなどの検討をしている段階だという。
会計検査院の担当者は「改善要求した内容が処置されているか、現在も検査している。改善されていない場合は継続して問題を指摘していく」と話した。

13年3月期連結決算は6期ぶりの増収増益となり、今年度は安全対策投資として、前年比74億円増の192億円を計上。小池社長は「安全基本計画を軌道に乗せるため、社員一丸となって取り組む」との談話を出した。だが言葉だけの決意表明だけでは、利用者の信頼を回復することはできない。

JR北海道によると、同社の「輸送トラブル」は2010年度までは100件前後で推移していたが、11年度は133件、12年度は61件増の194件と急増した。
12年度の原因としては、走行中に特急のドアが開いたり、エンジンが故障したりするなど車両関係が104件と最も多かった。車両関係は、10年度は55件、11年度は83件だった。

◇JR北海道の主な特急出火・発煙トラブル

(2011年)
5月 石勝線トンネル(占冠村)で特急列車が脱線し、炎上。乗客79人が負傷
6月 室蘭線長和駅付近で特急列車のエンジンが破損し発煙
(2012年)
9月 石勝線トマム駅に停車中の特急列車で電気配線がショートして発煙
(2013年)
2月 函館線トンネル(旭川市)で特急列車の床下ゴムベルトが溶け発煙
4月 函館線八雲駅に停車中の特急列車のエンジンが破損し、潤滑油が消音器に漏れて発煙
5月 函館線茶志内駅付近で特急列車のベアリングが破損、発熱しゴムカバーを溶かし発煙

出典URL

http://mainichi.jp/select/news/20130513mog00m040013000c.html



(ブログ者コメント)

 

○ブログ者も、他のJR各社に比べJR北海道でトラブルが多いと感じていたが、毎日新聞の記事を読んで、その理由の一端がわかったような気がした。

 

○毎日新聞に紹介されている事例のうち、石勝線トンネルでの脱線事例と函館線の3事例は、本ブログに掲載済。

 

 





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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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