県内のJR篠ノ井線や信越線で5月以降、木製の枕木やその周辺の下草が焼ける火災が3件相次いだ。
警察や消防が調べているが、いずれも原因は分かっていない。
同様の火災は富山県内で頻発しており、新潟県上越市でも今月4日に起きた。
乾燥した枕木にブレーキ時の火花が燃え移ったとの見方があるが、JR西日本による再現実験では発火しなかった。
枕木の火災は過去にも例があるが、これほど相次いだことはないといい、謎は解けていない。
篠ノ井線坂北駅付近では5月8日、ホームから北に約300m離れた枕木が燃えた。
焼けたのは枕木表面の直径30cm、深さ2cmほどの範囲。
同17日に信越線牟礼駅で起きた火災では、上り線ホーム脇で直径15cmほどの範囲が深くえぐれるように焼けた。
6月3日は松本駅の篠ノ井線ホームの南約300mにある枕木から煙が上がり、駅員らが消し止めた。
JR各社によると、枕木などの火災は、これまでもまれにあった。
だが、長野市、松本広域の両消防局によると、ここ5年間、それぞれの管内では起きておらず、1カ月以内に3件の発生は異例だ。
富山県ではさらに集中して発生している。
JR高岡駅でつながる城端線と氷見線の計約46kmの区間で、5月6日~6月6日に21件発生。
氷見線越中国分駅では、5月26日午後0時半ごろに線路の間の下草から出火。駆け付けた消防署員らは「早く原因が分かると対策を取れるのだが…」と困惑していた。
こうした状況に、JR西日本は各駅の前後1km区間の枕木に難燃剤を塗ったり、同500m区間の下草を刈ったりして対応を始め、一部の駅には監視員を置いた。
一方、富山県警と5月に検討会を設置。火災の共通点などの情報交換を始めている。
同社は、出火原因としてブレーキと車輪の摩擦で飛び散る火花に着目する。鉄道工学などが専門の曽根悟・工学院大特任教授も、同様の見方。
火災が駅やカーブの手前など、列車が減速する場所で多発していると指摘、「乾燥注意報が出ている日の発生も目立つ」と話す。
富山地方気象台によると、高岡市伏木の5月の降水量は平年の4割に満たない46.0mmで、乾燥状態が続いたとみられる。
ただ、5月24日にJR西日本が行った再現実験ではブレーキの火花が原因とは断定できなかった。火花は出たが、近くに置いた枯れ草から煙が上がることはなかった。
一連の火災について、富山県警は放火の可能性は低いとみている。沿線の高岡署は、火災現場周辺の聞き込みで不審者情報はなかったと説明。砺波署は、硬い枕木に短時間で火を付けるには助燃剤が必要とみているが、現場から油の反応は出なかったという。
長野県内で枕木が焼けた3件の火災について、JR東日本長野支社は「出火原因が分かっていない以上、対策のしようがない」。鉄道総合技術研究所は、ブレーキが発熱したり、火花が出ることはあり得るとした上で、やはり原因は不明としている。
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(ブログ者コメント)
燃えた枕木の写真を見たが、古い枕木ゆえ、そこかしこがヒビ割れている。
そういった、乾燥しきったヒビ割れの中にブレーキ時の火花が入り、そこが火種となって自然発火のように徐々に温度が上がり、ついには発火した、という可能性も考えられるが、乾燥したヒビ割れ枕木は全国いたる所にあるはず。今年に限り、しかも真夏でもない時期に富山や長野で集中的に起きていることの説明にはならない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。