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4月13日15時59分に読売新聞からは、土日で作業員が集まらなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東は、10日深夜に支柱の傾きを確認して作業員を手配したが、週末を挟んでいたために作業員を十分に集められず、工事を3日後に先延ばししていたことが、関係者への取材で分かった。
関係者によると、同社は10日深夜に神田―秋葉原駅間で支柱付近を工事した際に傾きに気付き、施工会社に緊急手配をかけた。
しかし金曜日だったため、必要とされる数10人の作業員が確保できず、週明けの13日に工事を行うことを決めた。
緊急度が高いと判断したケースでは、施工会社以外にも要請して人手を集めることもあるが、今回は「倒れるほどの傾きではない」と判断して、先延ばししたという。
JR東は、土日に作業を行わなかったことについて、「判断が甘かった。迷惑をお掛けして申し訳ない」と話している。
また同社は13日、倒れた支柱などと同じ構造を持つ約5万か所を中心に緊急点検をするよう、支社に指示を出した。
JR品川駅付近では、作業着姿の社員ら数人が、柱の傾きの有無などを目視でチェックしていた。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150413-OYT1T50079.html
4月13日22時16分に毎日新聞から、傾いている情報が総合指令室に伝わっていなかったなど、下記趣旨の記事が、倒壊に至る経緯説明図付きでネット配信されていた。
4月13日21時8分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
倒れた電化柱が傾いていることを最初に確認した工事担当部署の情報が、列車の運行を管理するJR東日本東京支社の東京総合指令室に伝わっていなかったことが、13日、JR東への取材で分かった。
情報共有の遅れがトラブルの原因となった可能性が出ている。
JR東によると、工事部門の社員が10日夜、現場付近の工事の際に、電化柱2基が傾いていることを確認し、上司に報告していた。
しかし上司は「すぐには倒れない」と判断し、総合指令室を含む他の関係部署に情報を伝えず、13日に改修工事を行うことにしていた。
また11日午後8時半ごろには、勤務を終えた山手線の乗務員から同様の情報が総合指令室の輸送の担当者に伝えられたが、付近を通過する電車の運転士らに現場の状況を確認させるなどの指示は出なかった。
さらに、電力系統の担当者に情報が伝わったのは約5時間半後の翌日午前2時ごろで、電化柱が倒れたとみられる時刻の約4時間前だった。
情報が共有され、電気系統などの担当者が早期に現場を確認していれば、補修などの対処が早くできた可能性がある。
総合指令室は、首都圏の路線を走る列車の運行を管理する。
通報する危険度の基準はなく、社員本人の認識に委ねられている。
同社は今後、小さな異常でも総合指令室に情報を上げ、共有する仕組みを検討する。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150414k0000m040098000c.html
http://www.asahi.com/articles/ASH4F635MH4FUTIL02V.html
4月18日0時3分に朝日新聞からは、マニュアルに反し強度計算を怠っていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月18日2時29分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は17日、支柱の上部にあった鉄製のはりを事故の18日前に撤去した際、社内マニュアルに反し、事前の強度計算を怠っていた、と発表した。
はりの撤去で架線からの張力への強度が落ち、倒壊を招いた可能性がある。
同社のマニュアルでは、電化柱などの構造物にかかる力が工事により変化すると予想される場合、破損などを避けるために、あらかじめ工事後の強度を計算することを定めているが、今回その形跡はなかった。
理由は調査中だが、工事計画の承認までに経る設計管理者など複数のチェックも素通りしていた。
同社広報は,「事前に強度不足が分かっていれば、今回の工事手法はとらず、事故を防げたかもしれない」と話す。
JR東は社員らへの聞き取り調査を進め、5月上旬にも中間報告として発表する。
工事中だったり、工事が計画されていたりする、同様の構造の支柱がある管内の247カ所では、いずれも正しく強度計算が行われていたという。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASH4K5J5MH4KUTIL03R.html
http://mainichi.jp/select/news/20150418k0000m040073000c.html
(2015年5月5日 修正1 ;追記)
2015年5月4日19時24分にNHK首都圏NEWS WEBから、支柱は大きく傾いていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
トラブルの前に支柱が基礎の部分から大きく傾いていたことが、当時、現場で撮影された写真で明らかになった。
専門家は、「現場が直ちに緊急事態だと認識しなかったのは問題だ」として、教育や訓練のあり方を見直す必要があると指摘している。
この問題では、トラブルの2日前に工事の担当者らが支柱が傾いていることに気づいたが、当時、すぐに倒れる危険はないと判断し、改修は行われなかった。
現在、国の運輸安全委員会やJR東日本などが、トラブルの原因や経緯を調べているが、トラブルの前に支柱が傾いていた時の状況が、当時、現場で撮影された写真で明らかになった。
写真では、支柱がワイヤーに引っ張られる形で基礎の部分から傾き、支柱のうしろに見える工事用の車両や建物と比べると傾きが大きいことが分かる。
これについて、電気鉄道に詳しい工学院大学の高木亮・准教授は、「この状態を見て現場が直ちに緊急事態だと認識しなかったのは問題だ。大きな力がかかる場所であり、ここから先は倒れるスピードが急速に早まると考えて緊急な措置を講じるべきだった。現場の人たちが危険を予知する感覚を研ぎ澄ませるように、教育や訓練のやり方を再考しなければならない」と指摘している。
こうした状況について、JR東日本は、「緊急性がないと判断し、その後、改修する計画にしていたが、結果的に判断が甘かったと考えている」としている。
また、その後のJRなどの調べで、社内の情報共有に問題があった可能性があることも分かった。
これまでの調べで、倒れた支柱と別の支柱とをつなぐはりを撤去したことで、支柱が単独で立つ状態となり、強度が弱まった可能性があるほか、はりを撤去したあとの支柱の強度を事前に計算していなかったことが分かっている。
その後の調べで、設計の担当が支柱が単独の状態となることを認識していなかった一方、施工の担当は、支柱が単独の状態になると問題があるとは認識せずにはりを撤去していたことが分かった。
運輸安全委員会では、施工と設計の担当の間の情報共有についても調べを進めることにしている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20150504/4529251.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。