







(ブログ者コメント)
少数の意見を多数意見に見せかける情報操作については、過去にも本ブログで紹介している。
2021年2月11日掲載
『2021年2月4日報道 ネットの炎上は、ごく少数の人が、人によっては複数のアカウントから批判や誹謗中傷を何回も書き込むことで始まり、それをマスメディアが取り上げることで大炎上する』
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/11392/
以下は今回の情報。
2025年5月5日5時0分に読売新聞から、下記趣旨の記事が複数枚の解析グラフ付きでネット配信されていた。
国が政策案について一般から意見を募るパブリックコメント(パブコメ)で、1万件以上の意見が寄せられたものが昨年度、現行制度で最多の10案件に上ったことが読売新聞のデータ分析でわかった。
文言・文章が同一の意見が大量にあり、いずれもSNS上に意見の「例文」を示して提出を呼びかける投稿が拡散していた。
専門家は「特定の意見が多数を占めるかのように誤解され、行政への不信を招く恐れがある」と指摘する。
パブコメは、国の行政運営の公正さや透明性の向上を図るため、政策案などを公表して広く一般から意見を募り、政策決定に活用するのが目的。
2006年度に改正行政手続法に基づく現行制度の運用が始まった。
郵送のほか、政府のオンラインシステム「e―Gov 」(イーガブ)でも提出できる。
名前や住所などの記入は任意で、提出件数に制限はない。
読売新聞は、e―Govに4月20日時点で掲載されていたパブコメのうち、06~24年度に行われた計約3万4000案件(重複を除く)を分析。
1000件以上の意見が寄せられたのは、15年度以降で少なくとも計145案件確認された。
1万件以上は29案件あり、うち24年度は最多の10案件に上った。
10案件は、東京電力福島第一原発事故に伴う除染作業で発生した「除染土」の再利用、新型インフルエンザ等対策政府行動計画、マイナ保険証の関連など。
除染土のパブコメには過去最多の20万7850件の意見が集まった。
だが、実施した環境省が精査したところ、意見の96%(19万9573件)は、残りの4%(8277件)のいずれかと全く同一の文章だった。
「反対」「汚染土県外使用禁止」とだけ書かれた意見はそれぞれ約1万件あった。
残りの9案件も「同一文言が相当数あった」(厚生労働省)、「同一文言や語尾だけ変えたものが大量にあった」(総務省)という。
読売新聞が10案件についてX(旧ツイッター)の投稿を調べたところ、いずれも「参考例文」「コピペOK!」などと意見の例文を示した投稿が確認された。
除染土のパブコメでは公募期間中(1月17日~2月15日)、「(除染土を)発生場所で保管すべき」などの例文を示し、大量に意見を出すよう呼びかける投稿が拡散。
これらの例文と同一の意見が実際にパブコメに提出されていた。
制度を所管する総務省によると、パブコメの意見は内容が考慮され、多寡は判断材料とならない。
同一意見が大量に送られることについて、関係省庁からは「行政事務の適正な執行の妨げになる。制度のあり方自体に影響を及ぼしかねない」(浅尾環境相)との声も上がる。
川上和久・麗沢大教授(政治心理学)は「パブコメで特定の意見を多く見せかけることは、社会の分断を招きかねない。趣旨を理解して制度を利用すべきだ」と指摘している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250504-OYT1T50090/
■20万件を超えた意見、精査に1か月半
「こんな意見数は見たことがない」。
環境省の担当者は驚きを隠さない。
東京電力福島第一原発事故に伴う除染作業で発生した「除染土」の再利用に向け、同省が1~2月に実施したパブコメは20万7850件もの意見を集めた。
担当部署では、職員約10人がかりで意見を1件ずつ精査した。
深夜や土日も作業に追われること1か月半。
意見の96%は、残り4%のいずれかと一字一句同じだった。
意見の「数」が独り歩きする事態も起きている。
東京都三鷹市議会は3月27日、「放射性物質の拡散の危険性がある」として除染土の再利用の中止・撤回を求める意見書を賛成多数で可決した。
意見書には、「多くの国民が放射能汚染土の再利用に不安を持ち、拡散はすべきではないと感じていることを示している」としてパブコメの意見数も引用され、3月末、政府に送られた。
■SNSで呼びかけ、追い込み
読売新聞が政府のオンラインシステム「e―Gov 」にあるパブコメを分析した結果、大半の案件が「意見数100件未満」で、1万件以上もの意見が寄せられるのは極めて異例だ。
大量の同一意見はSNSでの「呼びかけ」に応じて提出されているとみられる。
除染土のパブコメでは、X(旧ツイッター)の複数アカウントが「再利用と自然災害による環境汚染の懸念」などと反対や懸念を示す例文を紹介。
締め切りが近づくと、例文を再掲示したり、提出意見の総数を示したりして「追い込み」をかける投稿も現れた。
除染土のパブコメに次ぐ約19万5000件の意見が集まった新型インフルエンザ等対策政府行動計画のパブコメでも、SNS上での呼びかけが相次いだ。
■「制度の趣旨が十分周知されていない」
「政府の横暴を止めるには、国民意見数の力だ!」。
広島県呉市の男性(69)は昨年5月、こんなメッセージとともに意見の例文を載せたリンク先をXに投稿。
読売新聞の取材に「政府のパブコメは形だけだ。反対意見がたくさんあると見せることは、国民への宣伝材料になる」と主張する。
川上和久・麗沢大教授(政治心理学)は「『数』より『内容』が重視されるパブコメ制度の趣旨が十分周知されていないため、世論誘導に利用されてしまっている」と指摘する。
■デジタル庁「数が考慮の対象となる制度ではありません」
パブコメ制度を揺るがす事態に、国も動き出している。
デジタル庁は3月、e―Govにあるパブコメの意見入力フォームに「同一内容の意見が多数提出された場合でも、数が考慮の対象となる制度ではありません」との注意書きを加えた。
制度を所管する総務省は、同庁と連携し、多数の意見をAI(人工知能)で分類するシステムの導入も検討している。
制度化に携わった常岡孝好・学習院大教授(行政法)は「意見が多く寄せられること自体は好ましいが、自分の言葉で意見を述べることが重要だ」と指摘。
「行政側も重要な意見には真剣に向き合い、原案を修正する必要がある」と訴える。
■インフルエンサーが曲解
パブコメの内容に関連した誤情報が拡散し、意見が殺到したものもある。
国土交通省は昨年4~5月、国の土地利用政策の変更に関するパブコメを実施。
所有者不明の土地の発生を防ぐため、国内に土地を所有しながら海外に住む日本人や外国人に対し、国内の連絡先の提出を求める内容だった。
しかし、公募期間中に「外国人の土地購入が容易になる」との誤情報がXに拡散。
締め切り前日には「外国人土地取得問題から国をまもる決意で送ろう!」とパブコメへの応募を呼びかける投稿が行われ、再投稿は4400回、閲覧数は45万回に上った。
国交省によると、意見の提出は締め切り前の2日間に集中。
意見数は3万8330件に上り、同一意見も2割程度あった。
同省の担当者は「インフルエンサーが曲解して意見提出を呼びかけ、事実関係を確認しないまま反応した人が多かった」と分析する。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250505-OYT1T50012/


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。