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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2013410103分に朝日新聞から、同日24分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。  

 

9日午前11時ごろ、堺市堺区の銅製造加工会社「N伸銅」の鋳造工場で溶解炉が爆発し、近くにいた従業員の男性2人(37歳と54歳)が全身やけどで死亡、41歳と61歳の男性2人が軽傷を負った。

溶解過程で水分が混入し、水蒸気爆発を起こした可能性がある。
警察は安全管理に問題がなかったか、業務上過失致死傷容疑で調べている。

 

警察によると、爆発したのは、複数ある円筒状の溶解炉の1基(直径1m、高さ2m)。
死亡した2人は、炉の上部にあるふたを開けてクレーンを使って銅や亜鉛などを入れて溶かし、棒状の真鍮をつくっていた。
炉のふたは開いたままだったといい、炉の上にある高さ約20mの天井が約30m2焼けていたという。
防護服や手袋、ヘルメットなどを着用していたが、溶けた原材料は約800℃にもなるという。
警察は、炉内で爆発が起き、上部から炎と共に噴き出した液状の金属を2人がかぶったとみている。

N伸銅によると、事故当時、工場内で約10人が作業していた。
別の炉で作業中だった軽傷の2人は、警察に「ドーンという音が聞こえ、炉から黒煙と火柱があがっていた」と話したという。

谷口管理本部長は「死亡した社員やその遺族にお悔やみ申し上げる。これまでこのような事故はなかった。原因究明を全力で進める」と話した。

N伸銅のホームページによると、同社は1938年設立で、従業員約200人。銅の棒やコネクター線などを製造しているという。    

 

出典URL

http://www.asahi.com/national/update/0409/OSK201304090022.html

http://mainichi.jp/select/news/20130409k0000e040187000c.html

 

 

 

(2013年12月8日 修正1 ;追記)

 

20131232043分に毎日新聞から、事故原因ならびに関係者らが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

堺労基署は3日、危険防止措置を講じていなかったとして、同社と工場長の男性常務(62)を労安法違反の疑いで書類送検した。

容疑は、合金を安全に作る作業手順を定めていなかった上、防護壁を設置せず、作業員に耐火服も着用させないなど、危険防止策を取らなかった、としている。


事故は、同社本社工場で今年4月9日、銅3トンを溶解炉で溶かした後、亜鉛1.6トンなど別の金属を入れたところ、亜鉛などが急激に溶けて爆発。Nさん(当時37歳)ら男性社員2人が熱傷で死亡し、別の男性社員2人も軽傷を負った。


同署によると、亜鉛は907℃で気化するため、通常は、銅や亜鉛などを溶解炉に一緒に入れてから加熱していたが、この日は、溶解炉内の銅が既に1085℃以上の高温になってから亜鉛を入れたため、爆発した。

亜鉛は半径10mの範囲に飛び散ったという。


出典URL

http://mainichi.jp/select/news/20131204k0000m040081000c.html

 

 

また、同趣旨の記事が1232322分に読売新聞から、以下のようにネット配信されていた。

 

堺労基署は3日、事故防止策を怠っていたとして、法人としての同社と、工場の安全管理責任者だった常務取締役(62)を労安法違反容疑で書類送検した。


発表によると、事故は4月9日午前、溶解炉(高さ約1.7m、直径約0.8m)で、銅と亜鉛を溶かす作業中に発生。

本来は銅と亜鉛を同時に投入するのに、炉のトラブルで手順を変更し、銅を溶かした後、亜鉛を入れたところ、急激に沸騰する「突沸」が生じたという。


この事故では、現場責任者の男性(当時54歳)と男性作業員(当時37歳)が高温の蒸気を浴び、全身にやけどを負って死亡し、他の2人も軽いやけどをした。

 

出典URL

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131203-OYT1T01169.htm

 

 

一方、同社HPには、20131125日付で「火災事故について 第16報」として、事故報告書が掲載されていた。

報告書に記載されている事故原因を要約して下記する。

 

○炉の中で銅を高温で長時間保持したため、銅の溶湯表面に炉の耐火物が溶けて銅と化合したスラグ層が形成された。

○当該スラグ層は夜勤から昼勤への引き継ぎで炉の温度を下げた時に凝固したが、昼勤者は銅が溶け残っていると思い、スラグ層には気がつかなかった。

○昼勤者は通常どおり、亜鉛などを投入したが、投入された亜鉛などはスラグ層の下の溶けた銅と混じることなく、溶解した。

○その後、炉が昇温されて更に耐火物の損耗が進み、凝固したスラグ層の下に空間ができてスラグ層が棚吊り状態となった。

○異常に気付いた昼勤者が炉内を棒で探り、固い未溶解層に気付いて突いたところスラグ層が破れ、亜鉛の溶湯が高温の銅の溶湯と接触し急激に沸騰気化した。

○炉内で耐火材が溶けたスラグ層が凝固し棚吊り状態になる現象は、会社の70余年の生産活動で全く経験がなかった。

 

http://www.nippon-shindo.co.jp/pdf/131125kj.pdf

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

○報道記事と事故報告書の内容があまりに乖離しているのは、なぜだろう?

肝心のスラグ層について、両紙ともに報じていない。

読売新聞の「炉のトラブルで手順を変更し」という記述も、どのトラブルで、どう手順を変更したのか、事故報告書を読んでもピンとこなかった。

 

○事故が起きるパターンの一つに、「長年、問題もなく運転してきたのに、まさかこんなことが起きるとは・・・」というものがある。

本ブログでも、そのような事例を何件も紹介してきた。

何もないところから事故発生を予見するのは、非常に難しい。

方策があるとすれば、過去の事例から同種事故が起きる可能性を検討する程度ではないか?ブログ者は、そのように考えている。

 

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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