2014年8月6日3時56分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新日鉄住金名古屋製鉄所(愛知県東海市)で停電事故による黒煙噴出が今年に入り4回起きた問題で、酒本所長は5日、複数の社外有識者を加えた検証チームを立ち上げる考えを示した。
総点検する所内設備の改善点についても、有識者らに意見を求める。
所長が県公館で大村知事から原因究明と再発防止の要請書を受け取った後、記者団に語った。「全社の総力を結集し、有識者の協力も得ながら、万全で迅速な再発防止対策につなげる」と説明。検証チームの早期発足に向け、受配電設備に詳しい専門家や実務経験者を人選中だという。
知事は4日の記者会見で黒煙問題について「会社だけではなく、客観的に検証して住民、県民に十分に説明していただくという意味で第三者の検証委員会を作ってもらいたいと強く申し上げたい」と強調。新日鉄住金がこれに応じた。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASG853JD5G85OIPE004.html
(2014年11月28日 修正1 ;追記)
2014年11月25日13時52分に朝日新聞から、4回の黒煙発生事故に関する報告書が検証委員会から発表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新日鉄住金は25日、名古屋製鉄所のコークス炉から大量の黒煙が噴き出す事故を1~7月に4回繰り返した問題について、原因究明の報告書を発表した。
いずれも発端は電源トラブルで、炉内にたまったガスを燃やして放出するための黒煙だと断定。
現場作業員の認識不足や対策の不備も指摘した。
新日鉄住金は8月、一連の事故原因を調べるため有識者を交えた「停電事故対策委員会」を設置。
9月にコークス炉の火災で15人の重軽傷者を出したが、今回の調査対象としていない。
1月17日の黒煙噴出について対策委は、ブレーカーの除湿が十分でなかったため、ブレーカーがショートしたと断定。
製鉄所では技術スタッフから現場従業員への説明が十分でなかったため、除湿機能が低く設定されていたという。
この事故の3日後、再稼働の作業中に再び起きた黒煙トラブルについては、一部の変圧器で、上限設定を超えた電流が流れたことが発端だった。
6月の黒煙噴出をめぐっては、中部電力から受ける電気を過って遮断したところ、自家発電機の電力を自動調整する装置の機能不備が重なった。
7月の事故では、ケーブルに周囲の金属製部品が触れ、異常発熱したため停電になったという。
名古屋製鉄所は、いずれのトラブルでも電源が復旧次第、コークス炉を再稼働させていた。
詳細な事故原因の説明は今回が初めて。
新日鉄住金の進藤社長は25日午前、東海市役所を訪れ鈴木市長に面会し、「ご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」と謝罪した。
新日鉄住金は相次ぐトラブルにより、2015年3月期に320億円の損失が出る見込み。
10月には、名古屋製鉄所の所長を解任する人事を発表していた。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASGCT2RGHGCTOIPE002.html
11月25日19時22分にNHK東海NEWS WEBからも、若干異なる表現の記事がネット配信されていた。
会社側は、現場の危機管理意識が不十分だったことなどが背景にあるとした上で、社内教育を強化することなどを盛り込んだ再発防止策を、地元の東海市に報告した。
この中で会社側は、4件起きた停電事故について、それぞれの原因は異なるとしながらも、作業員の危機管理意識が不十分だったことなどが事故につながった背景にあると説明した。
その上で、製鉄所のリスク管理を担当する「防災推進部」を新たに設置し、過去の失敗事例をまとめたマニュアルを作るなどして、社内教育を強化するなどとする、再発防止策をまとめたことを伝えた。
一方、設備面での対策としては、万一停電が起きても対処できるよう、製鉄所内の電源を2系統化することや、コークス炉に非常用発電機や蒸気タンクを備え付けて、停電が起きてもガスの不完全燃焼による黒煙が排出されないようにするとしている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20141125/3364082.html
11月25日19時41分に日本経済新聞からも、若干異なる表現の記事がネット配信されていた
停電時にコークス炉ガスを燃焼させた際に黒煙が発生した問題については、電源の2系統化など「3重の対策」(進藤社長)を早期に実施する。
設備更新後の作業手順の見直しなどに不備があったことが事故の背景だったと指摘した。
黒煙対策では、まずコークス炉から発電所などにガスを送る送風機の電力供給源を来年6月までに2系統化する。
停電でガスを燃焼させる措置を取る場合も、今後は同時に大量の空気と蒸気を送り込むことで完全燃焼させ、黒煙の発生を防ぐという。
事故の背景に挙げた作業手順の不備について、進藤社長は「特に頻度の低い作業で危険予知の準備が不十分だった」と語った。
出典URL
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ25HLE_V21C14A1TJ1000/
(ブログ者コメント)
該社HPに報告書が掲載されていた。
http://www.nssmc.com/news/20141125_200.html
当該報告書によれば、それぞれの事故の原因は下記。
7月27日 変圧器のケーブル端末と支持金物の間が狭く、周囲の金属製部品が触れてショート
6月22日 受電装置更新中、作業者が誤って盤内のリレーに触れた
1月20日 復旧作業中、電力供給系統への負荷を集中させすぎて過負荷
1月17日 遮断器の更新作業中、動作用空気の除湿が不十分でショート
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。