2013年4月19日付で毎日新聞静岡版から、4月18日15時49分にmsn産経ニュースから、4月19日19時29分にNHK静岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。また、4月19日付で読売新聞静岡版から、同趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
18日午後0時55分ごろ、富士市中河原の食品加工会社「N食品化工」富士工場で、「貯蔵タンク内で従業員が生き埋めになった」と他の作業員から119番があった。
消防が駆け付けると、タンク内部にいた清掃作業員のIさん(32)とSさん(17)がトウモロコシの粒で生き埋めとなり、Iさんはサイロの底付近で意識不明の状態で見つかり、約2時間半後に死亡が確認された。死因は窒息死。Sさんは腰などの痛みを訴えて病院に運ばれたが、命に別条はないという。
警察などによると、2人はタンク清掃作業の孫請け会社の社員。
タンクは直径約7m、高さ約29mの円筒形で、輸入したトウモロコシの粒を約600トン貯蔵できる。下から4mの高さまで漏斗状になっており、トウモロコシが排出口(直径約50cm)から落ちる仕組み。
2人は同日午前8時半ごろから、排出口からサイロの中に入り、内壁にこびりついた粒や粉をシャベルなどを使ってそぎ落とす作業をしていたという。
壁から大量の粉が一気にはがれ落ち、下敷きになったとみられる。
N食品化工によると、工場ではトウモロコシを原料にデンプンなどを製造している。
工場には同様のサイロが50基あり、年4、5回、1回につき1週間で委託業者が清掃を行っているが、日本食品化工の社員が立ち会うことはないという。
今回は15日から開始。1回で除去する粒の総量は20トン前後で、すでに19トンを除去・排出していたが、内部の壁面に残る粉の量や崩れ出した原因は不明という。
N食品化工は18日夜、富士市内で記者会見を開き、山口工場長は「誠に申し訳ありませんでした。原因究明と安全対策強化に全力を尽くします」と謝罪した。1965年から稼働するタンクでこれまで事故はなかったという。
警察は、安全管理に問題がなかったか、請負会社を含めて業務上過失致死容疑も視野に調べている。
出典URL
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20130419ddlk22040152000c.html
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130418/dst13041815500006-n1.htm
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20130418-OYT8T01447.htm
http://www.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3034017711.html?t=1366401536888
(ブログ者コメント)
粒や粉が壁にコブのようにこびりついていたのかもしれないが、そういった残留物を今回、どのような方法で除去していたのだろうか?
これまで事故がなかったということだが、これまでの方法と違う方法で除去していたのだろうか?
それとも、これまではタマタマ事故がなかっただけで、前から本質的には不安全な方法で除去してきたのだろうか?
一方、内壁に粒や粉がこびりついている状態なら、崩落を危険予知しない人はいない筈。
誰がどのように判断してサイロ内に入る許可を出したのだろうか?
問題の根は広く、かつ深いかも・・・。
そのように感じた事例である。
(2014年3月20日 修正1 ;追記)
2014年3月18日付で毎日新聞静岡版から、危険防止措置を怠ったとして現場責任者が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
また、3月18日付で朝日新聞静岡版(聞蔵)からも、同主旨の記事がネット配信されていた。
富士労基署は17日、清掃作業を請け負っていた建築会社「K組」(同市比奈)と、現場責任者だった同社社員(56)を労安法違反容疑で書類送検した。
容疑は昨年4月18日、同市中河原にある「N食品加工」工場の円筒状の貯蔵倉庫内を2人が清掃中、上部からトウモロコシの粒が大量に落下。
2人に安全ロープを付けさせるなどの危険防止措置を怠り、生き埋めになった1人(当時32歳)が窒息死したほか、別の1人(同17歳)も軽傷を負ったとしている。
被災者2人はK組の下請会社から派遣されてきていたが、事故当時は現場監督から直接指揮を受けて働いており、K組に危険防止の措置を講じる義務があったと判断したという。
出典URL
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20140318ddlk22040127000c.html
(2015年1月19日 修正2 ;追記)
2015年1月14日付の静岡新聞紙面に、罰金の略式命令が出たという、下記趣旨の記事が掲載されていた。
富士簡裁は13日までに労安法違反の疑いでK組に罰金30万円、現場責任者だった男性に罰金40万円の略式命令を出した。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。