本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。 それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。 本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。 一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。 (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2012年6月15日20時23分にNHK青森から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東日本大震災の直後に、六ヶ所村の再処理工場で、使用済み核燃料の貯蔵プールを冷却する非常用ディーゼル発電機のうち、1台が使えなくなったトラブルについて、日本原燃は、燃料の重油タンクにたまっていた堆積物が地震の揺れで舞い上がり、フィルターが目詰まりしたことが原因だとする調査結果をまとめた。
六ヶ所村にある再処理工場の使用済み核燃料を貯蔵するプールでは、震災の直後に、停電で外部からの電源がすべて途絶えたため、2台の非常用発電機で冷却を続けた。
しかし、2台のうちの1台で、燃料のフィルターが目詰まりして発電できなくなるトラブルが発生した。
日本原燃が調べた結果、燃料の重油タンクの底にたまっていた堆積物が地震の揺れで舞い上がり、フィルターが目詰まりしたことがわかった。
日本原燃によると、燃料の重油は16年前からタンクに注ぎ足しながら使用してきたということで、長い期間の貯蔵で重油に含まれる物質が底に堆積したのではないかと推定している。
今後の対策として日本原燃は、2年に1回、重油の状態を検査して堆積物の量を確認することや、フィルターが目詰まりした場合に備えて交換できる別のフィルターを準備したという。
日本原燃は、「ほかの施設に配備されている非常用発電機の重油タンクについても、同じ対策を実施して、電源喪失の事態に備えたい」と話している。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/aomori/6085854301.html
日本原燃からのプレスリリースには、原因と対策についてさらに詳しく、以下のように説明されている。
[原因]
燃料油供給系統に設置されているフィルタの差圧高警報が発報した後、フィルタ洗浄を行いましたが、差圧高警報が回復することはなく、その結果、燃料油供給圧力が設計上の下限値を下回り、第1非常用ディーゼル発電機Aを停止するに至ったことから、フィルタの差圧高警報発報及びフィルタ洗浄に関連するデータ調査、並びに現品調査を実施しました。
調査の結果、本事象は以下の原因により発生したものと推定しました。
・燃料油の長期間の保管によりドライスラッジ※の濃度が高くなり、地震によりタンク底部に堆積したドライスラッジがタンク内に拡散、浮遊し、高濃度のドライスラッジを含む燃料油が供給された。
・高濃度のドライスラッジを含む燃料油の影響で、フィルタ洗浄の効果が十分に得られなかった。
※ドライスラッジ
重油に含まれるアスファルテン、レジンなどの高分子量のものが、貯蔵中の温度や期間などの要因により、重油中で溶解、分散せず貯蔵中に分離し、タンク底部にドライスラッジとして堆積する。
[対策]
原因に対して、以下の対策を実施することとしました。
・燃料油中のドライスラッジ濃度が高くなったことの対策として、当該タンクの清掃を実施しました。今後2年に1回の頻度で燃料油の性状(ドライスラッジ濃度)を測定し、性状の変化を把握するとともに、8年の範囲内でタンク内の清掃を行います。
・今回フィルタ洗浄の効果が十分に得られなかったことの対策として、差圧高警報が発報した時点で、速やかにフィルタ系列を切り替え、フィルタを交換する旨を警報対応手順に明記するとともに、フィルタの交換品を準備しました。
出典URL
http://www.jnfl.co.jp/press/pressj2012/pr120615-2.html
(ブログ者コメント)
法定検査を受けるタンクであれば、検査の際に堆積物を清掃するが、対象外のタンクは確かに盲点だ。
言われてみればナルホドだが、ブログ者は、かってこのような観点から非常用設備の機能確保を考えたことはなかった。
久しぶりの目からウロコ情報だ。
東日本大震災の直後に、六ヶ所村の再処理工場で、使用済み核燃料の貯蔵プールを冷却する非常用ディーゼル発電機のうち、1台が使えなくなったトラブルについて、日本原燃は、燃料の重油タンクにたまっていた堆積物が地震の揺れで舞い上がり、フィルターが目詰まりしたことが原因だとする調査結果をまとめた。
六ヶ所村にある再処理工場の使用済み核燃料を貯蔵するプールでは、震災の直後に、停電で外部からの電源がすべて途絶えたため、2台の非常用発電機で冷却を続けた。
しかし、2台のうちの1台で、燃料のフィルターが目詰まりして発電できなくなるトラブルが発生した。
日本原燃が調べた結果、燃料の重油タンクの底にたまっていた堆積物が地震の揺れで舞い上がり、フィルターが目詰まりしたことがわかった。
日本原燃によると、燃料の重油は16年前からタンクに注ぎ足しながら使用してきたということで、長い期間の貯蔵で重油に含まれる物質が底に堆積したのではないかと推定している。
今後の対策として日本原燃は、2年に1回、重油の状態を検査して堆積物の量を確認することや、フィルターが目詰まりした場合に備えて交換できる別のフィルターを準備したという。
日本原燃は、「ほかの施設に配備されている非常用発電機の重油タンクについても、同じ対策を実施して、電源喪失の事態に備えたい」と話している。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/aomori/6085854301.html
日本原燃からのプレスリリースには、原因と対策についてさらに詳しく、以下のように説明されている。
[原因]
燃料油供給系統に設置されているフィルタの差圧高警報が発報した後、フィルタ洗浄を行いましたが、差圧高警報が回復することはなく、その結果、燃料油供給圧力が設計上の下限値を下回り、第1非常用ディーゼル発電機Aを停止するに至ったことから、フィルタの差圧高警報発報及びフィルタ洗浄に関連するデータ調査、並びに現品調査を実施しました。
調査の結果、本事象は以下の原因により発生したものと推定しました。
・燃料油の長期間の保管によりドライスラッジ※の濃度が高くなり、地震によりタンク底部に堆積したドライスラッジがタンク内に拡散、浮遊し、高濃度のドライスラッジを含む燃料油が供給された。
・高濃度のドライスラッジを含む燃料油の影響で、フィルタ洗浄の効果が十分に得られなかった。
※ドライスラッジ
重油に含まれるアスファルテン、レジンなどの高分子量のものが、貯蔵中の温度や期間などの要因により、重油中で溶解、分散せず貯蔵中に分離し、タンク底部にドライスラッジとして堆積する。
[対策]
原因に対して、以下の対策を実施することとしました。
・燃料油中のドライスラッジ濃度が高くなったことの対策として、当該タンクの清掃を実施しました。今後2年に1回の頻度で燃料油の性状(ドライスラッジ濃度)を測定し、性状の変化を把握するとともに、8年の範囲内でタンク内の清掃を行います。
・今回フィルタ洗浄の効果が十分に得られなかったことの対策として、差圧高警報が発報した時点で、速やかにフィルタ系列を切り替え、フィルタを交換する旨を警報対応手順に明記するとともに、フィルタの交換品を準備しました。
出典URL
http://www.jnfl.co.jp/press/pressj2012/pr120615-2.html
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久しぶりの目からウロコ情報だ。
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プロフィール Profile
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魚田慎二
性別:
男性
自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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