2013年12月23日5時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
ペットボトルで太陽光を集めたら「電球代わり」にならないか――。
12年前、ブラジルで自動車修理工がふと考えた。そのアイデアがいま、はるか遠いアジア各国で、貧しい家庭の生活を明るく照らす。
れんがやブロックを積み上げ、板やトタンをかぶせた家が長屋のように並ぶ。フィリピンの首都マニラ近郊のサンペドロ市の生活保護地区。6人家族のグロリア・モレスさん(47)宅は間口が3メートルほどで窓がない。
昼間でも玄関のドアを開けておかないと真っ暗。居間に蛍光灯があるが、毎月の電気代が建設作業員の夫の日当(350ペソ=約800円)の4日分にもなるため、できるだけ電気をつけずに過ごしてきた。
暮らしが変わったのは3年前。地元のNGOの協力で「ペットボトル照明」を寝室と納戸に設置した。
屋根に穴を開け、漂白剤を混ぜた水を入れたペットボトルを頭の部分が屋外に出るように取り付ける。差し込む太陽光が水中で屈折や反射をして散乱し、容器のおしり部分が突き出た屋内を広く照らす。末っ子のマークくん(12)は「捜し物がすぐ見つかるようになった。家で宿題もできる」とうれしそうだ。
照明は1本約500円。作業員に工賃約140円とおやつのスナック菓子を渡せば5分で付けてくれる。月の電気代は約780円に減った。
区画整理で土地を追われた約1万1千世帯が暮らす近くの集落では既に約1千世帯に普及。ジョセリン・ビラリノさん(52)は、お金がなくて電気を止められた時も、台風で停電した時も「我が家のトイレは明るかった」。
地元慈善団体の支援でさらに1千世帯に設置する計画も進む。「誰が発明したか知らないけど、感謝したい」
■度々停電し閉口…雑談中ひらめいた 発明者モーゼルさん「喜ばれるなら満足」
2001年、ブラジル南東部ウベラバの自動車修理工アルフレド・モーゼルさん(62)は頻発する停電に閉口していた。薄暗いガレージで仕事がやりにくい。
ある日、妻の親戚宅で雑談していてハッとした。窓から差した光が、テーブルに置いたペットボトルを通して乱反射し、テーブルや壁を照らしていた。
早速、清涼飲料水用の1・5リットルのペットボトルに水を入れ、ガレージの屋根に穴をあけて取り付けてみた。「こんなに明るいかと驚いた」。専門家に測定してもらうと、晴天時は60ワット電球ほどの明るさだった。
設置作業は、屋根のスレートやトタン板に穴を開けてボトルをはめ、雨漏りを防ぐシリコーンで接合部を埋めるだけ。1カ所10分ほどでできる。原価は1個1レアル(44円)足らずだ。
友人の間で評判を呼び、近所のスーパーの倉庫や民家に取り付けを頼まれるようになった。地元では「モーゼルランプ」の名で親しまれる。
漂白剤を混ぜるのは、水が濁らず輝きを保つため。ボトルのふたに黒いフィルムケースをかぶせて、日差しでふたが劣化するのを防ぐ。試行錯誤の末の「発見」で、「こうすれば10年近くもつ」という。
このアイデアを知り、3年前からフィリピンで普及を始めたNGO「マイシェルター」(本部マニラ)のイラック・ディアスさん(41)は「この照明はローコストで自然に優しく持続可能。日本もぜひ支援を」と話す。
今ではフィリピンの14万世帯をはじめインドやバングラデシュなど計10カ国以上で約35万人が使う。
改良型としてソーラーパネルで蓄電し、LED電球を光源にする「夜用」の普及も進みつつある。
マイシェルターは、台風被害で停電が続くフィリピン中部レイテにも数百個を贈った。
修理工の収入約700レアルと、妻の両親が残した建物の家賃収入でつつましい生活を送るモーゼルさん。特許取得を考えたこともあるが、金がかかるのであきらめた。「世界中で喜んでもらえるならそれで満足。でも、もしかなうなら、その国を訪ねてみたいね」と話した。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/DA2S10894722.html?ref=nmail
(ブログ者コメント)
安全に関する情報ではないが、省エネのヒントとして、ご参考まで。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。