2020年9月14日16時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
コロナ禍で、めっきり増えた生活習慣といえば、手洗いでしょう。
職場で、食事の前に、帰宅して……。
洗浄イコール清潔。
何を今さら当たり前と思われますか?
でも逆に、洗わない方が衛生上望ましいこともあります。
8月、食品安全委員会はフェイスブックで「食肉は洗わない」という投稿をしました(※1)。
食中毒予防のためには、洗わない方が良いというのです。
【肉を洗わない理由とは】
生肉の表面には、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌、サルモネラなど、食中毒を起こす細菌が付いている可能性があります。
肉を生のままで食べないよう呼びかけられるのは、このためです。
厚生労働省によると、市販の鶏肉を調べた複数の調査結果では、カンピロバクターが20~100%という高い割合で見つかりました(※2)。
肉を洗うと、肉に付いている食中毒菌が水しぶきと共に飛び散り、周りに置いてある調理器具や他の食品に付いてしまう恐れがあるのです。
こうして細菌をばらまいてしまうと、食中毒を引き起こすリスクも高くなります。
肉の表面に水分や血が浮いていたり、ドリップが出ていたりして、気になることもあります。
「そんな時は、キッチンペーパーでふき取り、そのペーパーはすぐにゴミ箱へ捨ててください」と、同委員会の香西委員は話します。
「肉に付いた食中毒菌は十分に加熱すれば殺菌できますから、生の肉を洗う必要はありません。洗う時にこすったりすると、肉の表面が傷つき水溶性成分の流出もあるでしょうし、肉が水っぽくなり、食味にも影響します」
「肉を洗わないで」という呼びかけは、米国農務省や英国食品基準庁も行っています(※3)。
【魚や貝の場合は? 】
一方、一匹丸ごとの魚や殻付きの貝を調理する時は、最初に流水でしっかり洗う。
魚介類に付く代表的な食中毒菌は、腸炎ビブリオ。
この細菌は海水に生息し、真水には弱い性質があり、水道水で洗い流すのが有効です。
切り身の魚は、すでにさばいてある状態なので、洗う必要はありません。
ここで香西委員が調理のコツを一つ。
「魚に塩をふってしばらく置くと、生臭い臭い成分などを含んだ水分が出てきます。焼く前にふき取る方が良いです」
肉も魚も、調理に使った包丁とまな板はすぐに洗うことが大切。
洗った後に熱湯をかけると消毒効果があります。
野菜は流水でしっかり洗うことが基本。
土をよく落とし、葉物野菜は葉を1枚ずつはがして丁寧に洗い、付いている細菌をできるだけ落とします。
ふり洗いすると効果的。
肉と比べ付着している細菌の量はぐっと少ないので、洗って周りに菌を広げるリスクは少なく、洗い落とすメリットが大きいと言えます。
野菜は生で食べるものも多いので、なおのこと。
サラダにする場合は、洗った後に水気をきっちり除くとドレッシングのなじみがよくなり、おいしく仕上がります。
野菜、丸ごとの魚や貝類は洗い、生の食肉は洗わない。
取材して、洗うという下ごしらえをなぜするのか、理由を改めて考えてみると、食材によって取り扱いが異なることが納得できました。
まだ気温が高い日が続きます、
夏の疲れが出る頃ですし、お気をつけください。
そうそう、手洗いは食中毒防止でも重要です。
料理の前にはせっけんを使って手を洗うことをお忘れなく。
※1 食品安全委員会のフェイスブックアカウント
(https://www.facebook.com/cao.fscj
※2 厚生労働省「カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)」
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126281.html
※3 米国農務省「食品の洗浄:それは食品安全を促進するのか?」
英国食品基準庁「台所を効果的に清潔にし、食品へ有害な細菌を広げないためのアドバイス」
(https://www.food.gov.uk/safety-hygiene/cleaning
https://digital.asahi.com/articles/ASN9C350VN9BUCFI004.html?pn=10
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。