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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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(1/2から続く)

 

 

【湯温41度で10分以内】

 

そして何より、安全な入浴法を理解しておく必要がある。

 

前出の体温上昇のシミュレーションの研究で、体温を375度以下に抑えるための入浴法は「湯温41度以下で10分以内」であることがわかった。

 

これを根拠に、消費者庁も「入浴前に脱衣所や浴室を暖める、湯温は41度以下、湯につかる時間は10分まで」と呼びかけている。  

 

鈴木医師は「カラスの行水がいい」と話す。

 

「救急の現場で入浴中に動けなくなったという人は体温38度くらいで運ばれてきて、しばらく経過観察をしていると、体調が良くなって帰宅していきます。

でも、もう少し入浴時間が長いと、おそらく死亡した状態で搬送されてくることになったでしょう。

特に高齢者は暑さ・寒さに対する適応力が落ちていますし、入浴中にのぼせた時に浴槽から這い出していく運動機能も落ちていますから、注意が必要です」  

 

こうしたリスクを知って、入浴回数を減らそうと考える人もいるかもしれない。

 

しかし入浴そのものは健康寿命を伸ばすのにつながる。  

 

日本温泉気候物理医学会が65歳以上の高齢者約600人を対象に5年間の追跡調査を行ったものを紹介しよう。

 

高齢者を入浴の頻度別にグループ分けして要介護認定者数を調べると、「週7回以上」入浴する群は、「週135回」や「週46回」入浴する群に比べて自立度が185倍も高かった。

 

温泉療法専門医で東京都市大学の早坂信哉教授らを中心とした研究でも、14千人弱の高齢者を対象に調査したところ、毎日入浴する人は、そうでない人より「3年後に要介護になるリスクは29%低かった」という。

 

つまり、毎日の入浴習慣があるほうが要介護になりにくいということである。

 

「いくつかの理由が考えられますが、入浴による“温熱効果”が一番大きいと思います。

温かいお湯につかることで血管の拡張が起こり、血液の流れが良くなります。

睡眠の質を高めたり、免疫力の向上が期待できるでしょう。

また、体が温まることで神経の過敏を抑えることがわかっていて、腰や膝などの痛みが緩和されるという効果もあります。

慢性的に体が痛いと動くのが億劫になりますから、痛みがとれることによって動き続けられ、結果的に要介護の予防になると考えられます」(早坂教授)  

 

また、早坂教授が行った別の研究では、「入浴習慣と幸福度」について調べたものがある。

 

静岡県在住で20歳以上の男女3千人へのアンケート結果をもとにデータを解析すると、毎日入浴する習慣のあるグループは、そうでないグループと比べて主観的幸福度の高い人が10%も多かった。

 

 「“毎日入浴”は心身ともに良い影響を与える」と、早坂教授は繰り返す。

 

「海外の習慣であるシャワー浴でなく、湯船につかる浴槽浴であって初めて健康効果が望めます。

一度入浴すれば、8時間程度、高めの血圧を下げる作用があるという研究結果もあります」  

 

早坂教授が推奨する入浴時間も10分。

しかもこれは延べ時間で、最初に5分入って途中であがって体を洗い、再度5分入って出るという“分割浴”でもいいそうだ。

 

また基本は肩までつかる「全身浴」がお勧めだが、心臓や肺に疾患がある人や高齢者は、体への負荷が減る「半身浴」という手もある。

 

「時間がない時は足湯でもいいでしょう。

体温が0203度程度上昇するという研究報告があり、シャワー浴よりは効果が望めます」(早坂教授)

 

【食事直後は避けて】

 

また、入浴時の熱中症予防には、入浴前後にコップ1杯程度の水分補給をしておくことも欠かせない。  

 

大塚製薬の研究データでは、41度の風呂に15分間入浴すると、約800ミリリットルの水分が失われると報告されている。

 

体が脱水状態になると熱中症が重症化しやすく、また風呂あがりであっても血液の粘度が高まって血栓ができやすくなる。  

 

管理栄養士の望月理恵子氏は「白湯か温かい麦茶」を提案する。

 

「冷たい飲みものですと温まった体の芯が冷えてしまいますので、風呂あがりには常温が適しているでしょう。

麦茶は大麦を煎った時に生まれる香り成分のアルキルピラジンに血液の流動性を高める働きがあり、血栓ができるのを防ぐ効果が期待できます」  

 

牛乳も、脱水を回復させる効果が高いという報告があるため、風呂あがりに適している。  

 

一方で、緑茶などに含まれるカフェインは利尿作用があり、脱水を進めてしまう。

 

また風呂あがりのアルコールはおいしいが、カフェインより強力な利尿作用がある上、血管内の脱水を進めてしまうため、これも避けたほうがいいだろう。

 

そしてやってしまいがちなのが食事直後の入浴。

「特に飲酒後の入浴は血行が良くなりすぎて脈拍数があがり、心臓に負担がかかってしまいます。

飲酒をしなくても、食事直後は消化のために血液が消化器系に集まっています。

それが入浴で体が温まると全身に血液が拡散してしまい、消化吸収の妨げになってしまいます。

入浴による水圧で消化器系を圧迫し、消化不良を起こしたり、吐き気を催す可能性があることからもお勧めできません。

食事後1時間ほどしてからか、食事前の入浴がいいと思います」(望月氏)  

 

言うまでもなくコロナ禍での入浴習慣は清潔を保つ上でも重要で、またいくつかの研究では温かいお湯に一定時間つかることで体内の免疫細胞が増加することがわかっている。  

 

しかし今回新たに判明したのは、冬場の入浴時の死亡事故の大半が、これまで常識とされていたヒートショックではなく冬の熱中症だったという目からウロコの事実である。

 

入浴は、湯温が高く、また時間が長くなるほど、体に悪影響を与える。  

過ぎたるは、なお及ばざるが如し。

健康効果を求めつつ、入浴時の急死リスクを下げるため、「41度以下10分以内」の入浴を習慣にしたい。

 

笹井恵里子(ささいえりこ)

1978年生まれ。ジャーナリスト。

「サンデー毎日」の記者を経て、フリーに。

医療や衣食住の生活分野を中心に執筆活動を続ける。

著書に『救急車が来なくなる日』『室温を2度上げると健康寿命は4歳のびる』など。

 

「週刊新潮」20201224日号 掲載

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/1e1c78bcdc653e35ffc72254f6309a163e3f2d83 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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