2019年11月19日18時17分にFNN PRIME(関西テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ビルの屋上から鉄パイプが落下して、歩いていた男性を直撃、死亡するという痛ましい事故が起きた。
現場では、4日前にも落下事故があったばかりだった。
道路に残る血痕。
そばには、鉄パイプが。
19日午前、和歌山市で、工事中のビルの屋上から鉄パイプが落下。
近くを歩いていた26歳の銀行員・板垣さん(男性)の頭を直撃した。
板垣さんは、搬送先の病院で死亡が確認された。
事故現場近くのガソリンスタンド店員は、「音は、当たった瞬間はしなかった。あとで、ガラガラという音がした」と話した。
高さ40メートル以上もある、12階建てのビルの屋上から突然、落下した鉄パイプ。
事故当時、屋上では、看板の補修工事に使用した鉄パイプの足場を解体していたという。
その作業中、長さおよそ1.5メートル、重さ5kgほどの鉄パイプが、下を歩いていた板垣さんの頭上に落下し、直撃した。
このビルで事故が起きたのは、今回が初めてではなかった。
事故があったビルでは、4日前の11月15日にも、鉄パイプの落下事故が起きていた。
これを受け、防護ネットの設置や、鉄パイプに補助ロープをつけるなどの対策を講じたうえで、18日から工事を再開。
しかし、警察によると、19日朝に落下した鉄パイプに補助ロープはついていなかった。
今から3年前にも、東京・六本木のマンション工事現場で鉄パイプが落下。
当時77歳の男性が直撃を受け、死亡する事故が起きた。
建設業界関係者によると、工事現場の落下防止対策としては、国交省から防御棚を設けたり、シートで覆うなどの方法が推奨されているが、個々の現場で状況が違うため、判断が非常に難しいという。
またしても起きた、鉄パイプ落下による死亡事故。
警察は、作業員から事故当時の話を聴くなど、業務上過失致死の疑いで調べている。
https://www.fnn.jp/posts/00427526CX/201911191817_KTV_CX
11月19日16時50分にNHK和歌山からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
屋上付近に設けられていた工事用の足場から長さ1.5メートル、直径4.5センチ、重さおよそ5キロの鉄パイプが落下しました。
このビルでは、屋上に新しい看板を設置する工事が終わり、19日は午前8時ごろから複数の作業員が足場を解体する作業を行っていたということです。
警察によりますと、落下した鉄パイプは、足場の一部として組まれていたものだということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20191119/2040004172.html
11月20日20時27分に毎日新聞からは、作業員が誤って落としたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
屋上で看板補修工事の足場を撤去していた作業員が「誤ってパイプを落とした」と話していることが20日、捜査関係者への取材で判明した。
事故発生当時、下請けのH社(同市西庄)の社長ら計7人が現場にいたという。
https://mainichi.jp/articles/20191120/k00/00m/040/330000c
11月20日17時54分にNHK和歌山からは、4日前の事故はパイプ固定金具の緩みが原因だった、今回の事故は再発防止注意喚起朝礼の30分後に起きたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
【今月15日にも鉄パイプが落下】
ビルを管理している会社によりますと、このビルでは、9月上旬ごろから屋上の看板を新しくする工事が行われていました。
今月15日は、足場の解体作業が行われていましたが、鉄パイプを固定する金具がゆるんでいたため、鉄パイプ1本がおよそ45メートル下の地上に落下したということです。
このため、ビルを管理する会社ではいったん、解体工事を中止させたうえで、元請けのS社と、下請けのH社の2つの業者を呼んで現場の点検を行い、金具がゆるんでいないかすべて確認したということです。
そして、再発防止策をまとめるよう指示し、今月16日には、2つの業者が連名で報告書を提出しています。
その報告書では、主な安全対策として、落下物を防ぐための防護ネットを設置することや、足場の解体を行う際には、鉄パイプに落下防止のロープを取り付けること、そして、法律にのっとった安全対策をとることなどを確認しているということです。
このうち、防護ネットについては、以前に設置されていたものの、解体工事がすべて終わる前に取り外されていたため、再度、設置することになったということです。
この再発防止策の報告を受けて、今月18日に足場の解体工事が再開されたばかりでした。
【工事元請け代表は】
工事の元請けのS社の高瀬代表は、4日前にも同じ現場で鉄パイプが落下する事故が起きたため、▽パイプの金具の点検や▽防護ネットの設置などの再発防止策をまとめたことについて触れ、事故が起きた19日も工事を始める前の午前8時から朝礼を行い、現場の責任者として再発防止策を徹底するよう作業員に伝えていたと話しました。
しかし、その朝礼のあとわずか30分足らずで再び落下事故が起きたことについて質問されると、「作業員にしっかり伝わっていたのかと言われると、ちょっとわからないところがある」と話していました。
【落下対策 法律では】
和歌山市によりますと、工事現場で落下物の事故を防ぐための対策は、建築基準法などで定められています。
それによりますと、地上から7メートル以上の高さで工事を行うなど、物が落下すると周囲の人に危害が及ぶおそれがある場合には、周りを鉄製の網などで覆う対策や、落下物を受け止めるための防護柵を足場から突き出すように設置することなどが定められているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20191120/2040004188.html
11月23日0時55分に朝日新聞からは、業者を変えて工事が再開されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中断されていた足場の解体作業が23日朝、再開された。
発注元の会社によると、安全確保徹底のために業者を変更し、新たな業者が決まるまで作業を中断していた。
同日午前8時ごろ、発注元の社員や作業員ら計約20人が現場で黙禱(もくとう)を捧げてから、作業を再開した。
落下事故のあったビル北側の市道約50メートルを通行止めにして、地上に警備員を6人配置。
大型クレーン車2台を使い、足場の下に新たな落下防止ネットを張るなどしていた。
発注元の担当者は、「近隣の住民の不安を一刻も早く解消するために、信頼の置ける業者に作業を依頼した。安全かつ慎重に作業を進める」と話した。
https://www.asahi.com/articles/ASMCR3DP2MCRPXLB009.html
(ブログ者コメント)
〇以下は、NHK映像の2コマ。
〇六本木の事例については、本ブログでも紹介スミ。
(2020年5月21日 修正1 ;追記)
2020年5月20日17時39分にNHK和歌山から、防護ネットをきちんと取り付けていなかった、作業前点検も行っていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
和歌山労働基準監督署が調べたところ、解体作業をしていた和歌山市の会社が、取り外したパイプが落下しないようにするための防護ネットをきちんと取り付けていなかったほか、法律で義務づけられた作業前の点検も行っていなかったということです。
このため、和歌山労働基準監督署は、解体作業を請け負っていた、下請け業者で和歌山市のH社と、H社の37歳の社長、それに工事の元請け業者で和歌山市のS社の42歳の代表を、労働安全衛生法違反の疑いで20日、書類送検しました。
この事故をめぐっては、警察が安全対策に問題があったとみて、業務上過失致死の疑いで捜査を進めています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20200520/2040005476.html
5月20日20時42分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
和歌山労働基準監督署は、事故当時、落下物防止ネットが足場の底面に張られていたが、一部が外れた状態だったことを明らかにした。
同署の担当者は、「ネットの状態を確認し、危険があれば張り直すという措置を講じていれば、ものが落ちなかった可能性がある」と指摘した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e42ea5e5880182586101c15a70c02e0765266702
(ブログ者コメント)
4日前に起きた事故の再発防止策として取り付けられた落下物防止ネット。
それすら管理不十分だったとは、何をか言わんやだ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。