2019年11月19日18時25分に産経新聞から下記趣旨の記事が、被害場所のマップ付きでネット配信されていた。
東日本を襲った台風19号で、浸水や雨漏りがあった図書館では書籍のかび被害などが発生。
修復に時間がかかったり、そもそも修復自体が困難なケースが相次いでいる。
文化財の被害も、国指定のものだけで250件を超えた。
専門家は、国民の共有財産の修復や保存について、「優先順位」をつけていく必要性を強調した。
文部科学省によると、19号で浸水や雨漏りなどの被害が報告された公立図書館は、13都県で計108施設に上った。
大学などの学校図書館を含めれば、さらに多数に上る。
多摩川に近い東京都市大世田谷キャンパス(東京都世田谷区)では、図書館棟の地下1階がフロアごと水没。
被害を受けた蔵書は約8万3千冊に上った。
地下1階から水が引き、職員が書庫には入れたのは台風通過の1週間後。
書棚はゆがみ、書籍は床に散乱し、泥だらけに。
かびが生えているものも多かった。
同大では、図書館に水が流れ込まないように、玄関辺りから道路側に向かって傾斜をつけるなど、対策をとっていたが、水流が想定を超えた。
特に貴重な本は上階に保管していて無事だったものの、担当者は「今後は書庫を地下に置かないことも含め検討する」と話す。
国文学研究資料館の青木睦(むつみ)准教授(資料保存)は「施設の弱点を徹底して分析すれば、想定外の災害でも最小限の被害に押さえられる」と指摘。
破損した書籍の修復は一刻を争うケースが多く、貴重なものから修復する必要があるため、他からも調達できる書籍・書類なのか、替えがきかない貴重な書物なのかを整理し、優先順位をつけておく「トリアージ」が必要と指摘する。
国立国会図書館は平成17年に水害対応マニュアルを作成、公開し、書籍の被害発見から修復までの流れを詳細に説明している。
23年の東日本大震災を受け、被災地の図書館に応援で駆けつけた際、汚水を含んだ津波の被害書籍は、かびの拡大が激しかったことから、かび対策なども追加記載していた。
一方、歴史的建造物や史跡など被害を受けた文化財は、文化庁に報告があったものだけで26都府県計257件に上る。
しかも、これは国指定の文化財のみで、他に自治体指定の文化財も相当数が被害を受けている。
世界文化遺産登録された群馬県富岡市の富岡製糸場では、国宝の繰糸所の窓ガラスが破損。
長野県松本市では、国宝になったばかりで明治期の和洋織り交ぜた「擬洋風建築」の代表作「旧開智学校」校舎の外壁が破損した。
被害を受けた文化財は屋外にあるものが多く、対策は喫緊の課題だが、そのためにはワイヤーを張ったり鋼材で補強したりするしかない。
当然、元々の外観を損なうリスクも伴うため、批判を受ける可能性もある。
ただ、文化財の保護に詳しい工学院大の後藤治教授は「見栄えに影響が出るとしても、壊れてしまっては取り返しがつかない。どちらを優先させるのか。所有者を含め市民から補強への理解を得て、しっかりとした備えをするべきだ」と指摘する。
https://www.sankei.com/affairs/news/191119/afr1911190044-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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