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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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(1/2から続く)

 

46日付で東京新聞から、ベビーカーが電車に乗ろうとした時の様子ならびに東京メトロの再発防止策などに関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

事故に遭ったのは、夫婦とみられる男女と子ども二人。

東京メトロが九段下駅ホームの防犯カメラを分析したところ、男女は2台の空のベビーカーを押していた。

 

まず、妻とみられる女性と子ども2人が乗車し、ホーム側から、夫とみられる男性がベビーカー1台を車内の女性に受け渡した。

次に、男性がもう1台のベビーカーを自力で押して乗車しようとした際、ドアが閉まって左前輪が挟まれた。

 

同社によると、男性ら4人が駆け込む様子はなく、電車の到着を待ち、客が降りた後にベビーカーを乗せ始めた。

 

JRなどでは、「ドアが閉まります。ご注意ください」などのアナウンスが流れるが、東京メトロでは、発車を告げる口頭の呼び掛けは原則的にしていない。

「利用客に不快感を与えないため」(広報担当者)で、代わりに、ブザーと駅にちなんだメロディーで知らせている。

 

九段下駅では、メロディーではなくブザーで注意喚起をしており、同社は、ブザーの長さを「7秒以内」と決めている。

 

しかし、国土交通省が2010年に全国の主な鉄道事業者の利用客を対象に行った調査では、ベルやメロディーの場合、ドアが閉まるタイミングについて「分かりづらい」などとする回答が55%を占めた。

 

技術評論家の桜井淳さん(69)は、「一つ間違えば、駆け込み乗車なども大事故につながるという危機感を、利用者側があらためて持つべきだ」、「扉が閉まる時にメロディーを流すことは、利用者に不快感を与えたくないという鉄道事業者側の配慮だが、その心地良さが、人間の緊迫感や緊張感をそぎ落とす一面もある。東京メトロに再発防止策を徹底してもらいたい」と指摘する。

 

同社は5日、ホームの非常停止ボタンが押された場合は必ず非常ブレーキをかけるよう全車掌に徹底するなど、4項目の再発防止策を明らかにした。

石井国交相は、原因究明と再発防止策の取りまとめを指示しており、同社は今後、さらに防止策を検討する。

 

残る3項目は

(1)車両ドアの検知精度向上

(2)ホームドアの導入促進

(3)監視業務の重要性を再認識させる乗務員への教育。

 

同社によると、ドアのセンサーが15mm以上の隙間ができたのを検知すると、発車できない。

都内の車両基地で報道陣に公開された検知システムの動作試験では、15mmの板を挟むと反応したが、10mmの部分では反応しなかった。

事故の際にベビーカーの脚でできた隙間は、15mm未満だった。

 

出典

『地下鉄ドアに潜む危険 閉まる間合いをつかめず ベビーカー事故』

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016040602000144.html

 

 

49日付で毎日新聞東京版からは、ベビーカー対策の難しさなどに関する、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。

 

JR東日本によると、同社の車両は、ドアに20〜30mm以上(検査基準値)の物が挟まると、異常を検知して発車しない仕組み。

東京メトロの15mm(同)に比べ緩やかなのは、服などにも反応しかねないからだ。

 

検知できなくても、ホーム上の非常停止ボタンが押されれば、自動的に車両は停止する。

JR東日本管内の設置駅は山手線など5線区に限られるが、担当者は、「駅ではとにかく止めることが重要」と指摘する。

同様のシステムは、小田急電鉄も全駅で導入している。

 

東京メトロは、自動停止するボタンを導入していない。

地下鉄の駅は閉ざされた空間で、「火災時に一般乗客が押して、火災現場に停車してしまう恐れもある」(担当者)ためだ。

同社は、「危険度の見極めと緊急停止の判断は、専門の訓練を受けた乗務員らに委ねるべきだ」との考えを取っているという。

 

挟み込み事故などを防ぐため、国は、ホームドアの設置を進めている。

国交省の調べでは、2015年9月現在で全国621駅に設置され、06年度の約2倍に増えた。

 

ただ、扉の数が異なる車両が運行される駅は、位置がずれるため設置できない。

半蔵門線は東急田園都市線も乗り入れるが、一部の東急車両は、メトロ車両と扉の数が異なる。

 

国交省が12〜13年に実施した都市部の鉄道会社への調査で、ベビーカーに関する事故が、回答した30社の3割で起きていた。

事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット」例を含めると、8割の会社が経験していた。

 

ベビーカーによる電車への乗車を巡っては、国交省は14年3月、「電車ではベビーカーをたたまなくても良い」との指針を示した。

これを受け、横浜市営地下鉄は、15年7月、最短20秒だった駅での停車時間を5〜40秒延ばし、乗降にゆとりを持たせた。

運行時間は片道4分延び、担当者は、「速達性を犠牲にする難しい判断だった」と明かす。

 

国交省は6日、全国の鉄道事業者に対し、注意喚起と安全対策の徹底を要請する文書を送った。

ある鉄道会社幹部は、「乗務員個人の問題とせず、乗務員の教育・訓練強化はもちろん、安全運行に協力してもらうよう、利用者に訴えていくことも重要」と指摘する。

 

出典

ベビーカー対策苦慮 メトロ挟み込みで鉄道各社 停止ボタン・ホームドア、導入に壁

http://mainichi.jp/articles/20160409/dde/001/040/051000c

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

○従業員の訓練不足ではないかとブログ者が感じたトラブルは、今年3月に名古屋市の遊園地でも起きている。

2016329日掲載

2016321日 愛知県名古屋市の東山動植物園で観覧車に子供が乗った後に扉を閉め忘れ、数m過ぎたところで気付いた母親が停止を求めたが、係員は咄嗟のことで緊急停止ボタンを押せず

http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5773/

 

○4月9日付の毎日新聞で紹介されている「乗務員個人の問題とせず、・・・」という鉄道会社幹部の指摘、ブログ者もまったく同感だ。

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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