2017年6月9日に掲載した第4報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第5報修正7として掲載します。
第4報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7199/
(2017年10月21日 修正7 ;追記)
2017年10月15日18時11分にNHK栃木から、事故の最終報告書がまとまったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
検証委員会は、生徒らへの聞き取りをもとに、事故の問題点などを指摘する最終報告書をまとめ、宇田教育長に提出した。
県教委は来年1月をめどに、再発防止策をまとめることにしている。
最終報告は、およそ200ページにのぼり、ことし6月の中間報告以降、遺族からの要望で行った再調査で新たに判明した事実のほか、再発防止に向けた提言も盛り込まれた。
最終報告では、7年前の同じ訓練でも生徒たちが雪崩に巻き込まれたことについて再調査を行った結果、生徒らが頭まで雪に埋もれる重大な事故だったことが明らかになったとしている。
しかし、けが人がいなかったことから、県の高校体育連盟に報告されず、文書としても引き継がれなかったとしている。
訓練の内容を当日の朝に変更したことについては、悪天候の際の訓練の代替案が事前に準備されず、当日の朝、雪をかき分けて進む内容に訓練を変更した際に、教員や生徒に具体的な訓練の内容や行動してもよい範囲などが示されなかったのは問題だとしている。
訓練内容の変更は、客観的な気象データや専門家の助言に基づいたものではなく、危険性の十分な認識を欠いた状態だったとした。
また、教員の1人は出発前に学校の教頭に対し、「悪天候であれば訓練は中止する」と話していたことも新たに分かった。
生徒を引率した教員については、隊列の先頭付近にいて、常に雪崩などの危険に細心の注意を払うべきだったと指摘した上で、「上に行きたい」という生徒の意向に従って訓練を続けたことは、安全配慮に欠けていたと指摘した。
さらに、別の高校の教員が引率していた班もあり、生徒の名前もわからず、十分な指導・監督が行えない可能性があったとしている。
事故の発生後の対応については、訓練の本部となっていた旅館にいた教員が無線機から離れたため、現場から連絡がとれずに救助の要請が遅れ、安全への配慮が希薄だったとしている。
そして、「訓練を主催した県の高校体育連盟の危機管理意識の欠如が事故の根源的かつ最大の要因」だと指摘し、県の教育委員会のチェック体制が整備されていなかったことも要因の1つだとした。
また、生徒を引率した教員については、「斜面を進むに従って雪崩が起きる危険性を認識できたはずで、適切な状況判断に欠けるところがあった」と指摘した。
これらを踏まえて、再発防止に向けた提言として、教員への研修を専門家の協力を得て、登山の技術だけでなく気象の知識も含めてきめ細かく行うことや、県の教育委員会が各高校の登山計画を厳しくチェックすること、それに県内の教員や今回の事故経験者、専門家によって指導者と生徒向けのハンドブックを作成することなど、7つの提言を盛り込んだ。
出典
『雪崩 最終報告「危機意識欠如」』
http://www.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20171015/1090000273.html
(ブログ者コメント
報告書は下記参照。
第7回平成29年3月27日那須雪崩事故検証委員会
平成29年10月15日(日)に開催した「第7回平成29年3月27日那須雪崩事故検証委員会」の結果及び配布資料については、別紙(リンク)のとおりです。
http://www.pref.tochigi.lg.jp/m01/kensyouiinkai.html
(2018年1月10日 修正8 ;追記)
2018年1月10日7時6分に産経新聞から、県教委が再発防止策を発表したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県教育委員会は9日、危機管理体制を強化するため、各学校への指導やチェックを行う新たな組織を県教委内に設置するなどの再発防止策を発表した。
県教委が設置した検証委員会が、昨年10月に最終報告書で指摘した組織運営における「危機管理意識の欠如」やマンネリズムなどに対応し、学校活動での安全管理の徹底を図る。
再発防止策は、学校教育活動全般と登山活動に関する5分野23項目。
新組織とは別に、高校生の登山の実施状況を確認するため、毎年3月と10月に専門家らによる連絡協議会を設置することや、教員の資質向上に向けた研修の実施、ビーコンなどの装備貸し出しなどを盛り込んだ。
昨年3月の雪崩事故から約10カ月。
県教育委員会が9日にまとめた再発防止策は、学校教育活動全般と登山活動の2つを柱に取り組みを示した。
検証委員会は、慣行に従って登山講習会が実施された「関係者全体のマンネリズム」を背景的な要因にあげており、登山活動を含めた包括的な対応も必要と判断した。
「新たに設置する組織は一元的に、広く、学校行事などに対して専門的に指導助言を行い、安全危機管理体制の強化をはかる」
宇田教育長は同日の記者会見で、雪崩事故を教訓にした学校教育活動全般の安全管理の必要性を強調した。
新組織設置のほかに、学校における危機管理マニュアルの見直しや、安全危機管理研修の充実などがあげられ、同講習会を主催した県高体連などに対する指導や助言の充実を図るとした。
一方、登山活動については、7年前に同講習会で起きた雪崩で、複数の生徒が雪に覆われるなどしたにも関わらず、高体連や県教委に報告されず、文書の引き継ぎがなかったことなどから、「高校生の登山等の安全確保に関する連絡協議会」(仮称)を設置することで、実施状況を確認し、安全な登山活動に生かす仕組みをつくるとした。
雪崩に巻き込まれた生徒らは雪崩の危険性の高い斜面を登っており、引率教員の資質が問題視されたことを踏まえ、登山部顧問らの研修会の開催や国立登山研修所への顧問の派遣などが明記された。
また、事故の教訓を伝えるため、安全登山に関する啓発の場を設けることや、スクールカウンセラーの配置などによる被害者らへの対応についても盛り込んだ。
出典
『那須雪崩 危機管理体制強化へ新組織 栃木県教委が再発防止策』
http://www.sankei.com/region/news/180110/rgn1801100025-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。