







2024年8月18日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正4として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/14067/
(2024年12月30日 修正4 ;追記)
2024年12月23日21時23分に毎日新聞からは、JR九州は事業から撤退すると発表した、船体はアルミであり補修のための溶接が難しく、今後の亀裂リスクも払拭できなかったためなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR九州の古宮社長は23日、8月から運休中のQBの運航再開を断念し、同社が1991年に開設した日韓航路から撤退すると発表した。
浸水を招いた船体の亀裂を防ぐ対策が難しく、安全を担保できないと判断。
この日開かれた臨時取締役会で全員一致で決議した。
JR九州とJR九州高速船は、浸水隠しが発覚した8月以降、軽合金(アルミ)でできた船体の恒久的な安全対策を検証。
11月にJR九州の第三者委員会から調査報告書を受け取った後も船首部分の溶接方法を変えて再開する意向を示していた。
しかし、アルミ溶接は技術的に難しく、安全対策をしても亀裂が発生するリスクを完全に拭い去ることができなかったという。
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https://mainichi.jp/articles/20241223/k00/00m/040/229000c
12月23日14時30分に毎日新聞からは、今回の問題発覚後、第三者委員会はハード面ソフト面での荒波対策を求めていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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便数や所要時間とは違う付加価値でLCCに対抗しようと、JR九州は17年、QBの建造を決めた。
アルミ合金で軽量化した三胴船で、JR九州の豪華寝台列車も手がけた工業デザイナーがデザインを担当した。
近未来の乗り物を連想させる、とがった真っ赤な外観が特徴。
JR九州は鉄道の活性化で車両のデザインや接客にこだわった観光列車を走らせる実績を重ねており、こうした手法を船旅に応用した形だ。
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24年の問題発覚後、JR九州が設置した第三者委員会は報告書で、荒波の対馬海峡で高速運航する上で船体が「波の影響を受けやすい」と指摘し、船体補強の抜本的対策や、気象に関する運航基準の見直しなどを提言した。
船は8月から運休し、JR九州側は修理を検討したが、船の軽量化ととがった形状のため船首付近は特殊な溶接が施されていて、技術的に難しいことが判明した。
新時代の日韓航路を切り開くためのQBだが、投資の失敗となった形だ。
https://mainichi.jp/articles/20241220/k00/00m/040/122000c
12月23日18時10分にYAHOOニュース(鉄道コム)からは、クイーンビートルはオーストラリア製だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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クイーンビートルは、オーストラリア製のもの。
「トリマラン」という構造を採用した大型の船舶で、ジェットフォイルよりも定員増が図られていました。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/92079d04e18653999b0a8f1b61c2a6f9b68e9d32
ちょっと前、2024年7月5日16時19分にYAHOOニュース(rkb毎日)からは、今回の損傷は前回修理の溶接の影響で接合部強度が弱くなっていたことが原因など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR九州高速船は、運休していた博多と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」について、修理が終了し、7月11日(木)から運航を再開すると発表しました。
クイーンビートルは5月30日、博多から釜山への運航中に浸水が発生。
その後、乗客を乗せずに博多港に戻り、緊急点検を行ったところ、船首部分に溶接が割れている部分が確認されていました。
JR九州高速船によりますと、今回の船体の損傷は、前回の修理(2023年6月)で、船体に外板を取り付けるための溶接を行った際に、溶接の熱による影響で接合部の強度が弱くなったことが原因だったとしています。
今回の修理では溶接方法を変えて熱影響に配慮し、修理を終えたということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/30162fa8aabea85875a3ec8fc7d3d58a207ce8bb
2024年11月27日9時54分に読売新聞からは、亀裂はスロット溶接した跡から生じていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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クイーンビートルは豪州造船大手「オースタル」が建造したアルミ合金製。
会見に同席したJR九州高速船の大羽社長は、これまでに発生した船体の亀裂は全て船首の右舷に集中していることを明らかにした。
右舷と左舷の外板は溶接方法が異なり、右舷外板は複数の穴で外側から溶接する「スロット溶接」という手法が取られていた。
しかし、亀裂は全て溶接の跡から生じており、JR九州は溶接方法に問題があったと判断。
オースタルから右舷外板を取り寄せた上で、新たに「連続溶接」の手法に切り替えて接合強度の向上を図るとした。
アルミ合金の溶接技術の専門家確保を進めているとしたが、ハード対策の完了には相当の時間がかかるとみている。
また、波高や風向きに応じた運航方法、運航ダイヤの見直しも行うとした。
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20241127-OYTNT50013/
2024年12月28日10時10分に読売新聞からは、第三者委員会報告書格付け委員会はアルミ船にした理由が報告書に書かれていない点に疑義ありと指摘したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
不祥事を起こした企業の第三者委員会の報告書を評価する「第三者委員会報告書格付け委員会」(委員長・久保利英明弁護士、9人)は27日、「JR九州高速船」(福岡市)のクイーンビートルが浸水を隠し3か月以上運航を続けた問題の調査報告書の検証結果を発表した。
A~Fの5段階評価(Eはなし)で、2人が不合格の「F」、残り7人は「D」とし、「総じて低い評価だった」とした。
船導入の経営判断が解明されていない、などの批判も多かった。
格付け委は、ガバナンス(企業統治)や法令順守などに詳しい有志の弁護士らが、企業の第三者委の報告書から検証が必要と判断したものについて、格付けしてきた。
今回は交通機関で影響が大きいなどとして、JR九州高速船の親会社・JR九州が設置した第三者委の報告書を格付けした。
委員4人は27日、東京都内で記者会見した。
久保利委員長は「一番大事なのは、なぜこんな船を選んだのかだが、報告書に書いていない。60億円もかけて誰が選んだのか」と指摘。
「アルミでダメージに弱く、溶接が難しい船だったわけだが、正しい事実認識と合理的な判断がなされていたのか、(報告書が)『経営判断だから』とタッチしないのは、報告書として意味があるのだろうか」と述べた。
海事関係に詳しい野村修也・中央大法科大学院教授は、「(以前運航していた)水面から浮くジェットフォイルから、(アルミで)リスクの高い高速船にする時には、それなりの調査研究、経営判断があってしかるべきだが、(報告書からは)何が行われていたのかわからない」と話した。
また、ガバナンスに詳しい八田進二・青山学院大名誉教授は、「代用船のない1隻態勢で運航してきた根本的な原因について、会社の裁量の中での経営判断事項として調査対象にしていないが、この点こそが真因究明の根本」と指摘し、「第三者委の独立性に疑問が残る」とした。
一方、JR九州の第三者委の委員長を務めた尾崎恒康弁護士は、格付け委の検証結果について「コメントは差し控える」とし、JR九州は「第三者委の報告書を真摯 に受け止め今後につなげていく」とした。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241228-OYT1T50031/
(ブログ者コメント)
ネットで調べたところ、アルミ合金製の船の建造会社は日本にもあり、船も結構、就航している。
クイーンビートル事例は、アルミ合金製の船だから亀裂が入ったということではなく、荒波を考慮した強度計算が不足していたとか、前回修理時の溶接方法が不適切だったとか、そういったことが問題だったのかもしれない。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。