2016年12月3日23時42分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午後5時ごろ、福岡市博多区の病院にタクシーが突っ込み、病院内にいたとみられる人が相次いではねられた。
警察によると、男性2人と女性1人の計3人が頭などを強く打って死亡し、女性1人が意識不明。他に男女6人がけがを負ったが、意識はあるという。
運転手にけがはなかった。
警察は、運転していた個人タクシー運転手のM容疑者(64)を、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕した。
呼気からアルコールは検出されなかった。
病院は、JR博多駅の北西約2kmの博多港近くにある。
出典
『病院に車突っ込み3人死亡 1人意識不明6人けが 福岡』
http://www.asahi.com/articles/ASJD36CTBJD3TIPE024.html
12月7日10時34分に毎日新聞からは、事故当時の詳しい状況が付近の地図付きで下記趣旨でネット配信されていた。
タクシーが病院前の市道右側の縁石に車体の右半分を乗り上げて走行していたことが、捜査関係者らへの取材で分かった。
警察は、M容疑者が車を止めるための操作に気を取られてパニック状態になっていたとみて、調べている。
捜査関係者らによると、M容疑者のタクシーは、病院の手前約60mの交差点を一時停止せずに通過した後、市道左側に路上駐車していた2台の車両をよけるように右側に寄って走行した。
市道右側の縁石の2カ所にタイヤが接触した跡が残っており、タクシーの右前輪と右後輪が乗り上げたとみられるという。
タクシーは、そのまま病院東館1階前にいた3人をはね、東館1階のラウンジに突っ込んで奥の壁に衝突した。
タクシーの前部は壁を突き破って奥の調理室の棚やシンクなど設備の一部を壊しており、かなりのスピードが出ていたとみられる。
また、交差点に進入する前の市道でも中央線をまたぐように走行しているのが、近くの住民に目撃されていた。
M容疑者は、「ブレーキを踏んだが停車せず、エンジンブレーキをかけようとしたが、減速しなかった」と供述しており、警察は、事故直前にシフトレバーなどの操作に気を取られて前方を注視していなかったとみている。
出典
『福岡タクシー暴走 縁石乗って走行、事故直前混乱か』
http://mainichi.jp/articles/20161207/k00/00m/040/144000c
12月10日2時0分に産経新聞からは、二重に敷かれていたマットが原因かもという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月11日7時0分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
事故車両の運転席で足下のフロアマットが二重に敷かれていたことが、9日、捜査関係者への取材で分かった。
警察は、上部のマットがずれてアクセルペダルを押さえ込む形となった結果、タクシーが暴走した可能性もあるとみて、慎重に捜査している。
捜査関係者によると、タクシーの運転席の足下には、備え付けのマットの上に別のマットが重ねて敷かれていた。
2枚はメーカーの純正品と市販の社外品で、上に敷かれたマットは特に固定されていなかったという。
国交省などによると、マットを二重で敷くと、上のマットがずれてアクセルペダルにかぶさり急加速することがあるが、M容疑者のタクシーと同型車には、アクセルとブレーキを同時に踏むとブレーキが優先されるシステムが導入されている。
M容疑者は、「ブレーキを踏んだが、車が止まらなかった」と供述しているという。
一方で、タクシーが事故直前に急加速したという目撃情報もあり、車両の不具合やペダルの踏み間違いなど、運転ミスの可能性もある。
警察は、タクシーから事故直前のペダルの操作状況や車速などを記録する「イベント・データ・レコーダー」を回収しており、走行記録の解析などを進めながら、詳しい事故原因を調べる方針だ。
出典
『タクシー暴走事故 運転席のマットが二重 ずれてアクセルが押された可能性』
http://www.sankei.com/affairs/news/161210/afr1612100005-n1.html
『博多タクシー暴走 運転席、二重に床マット ずれた可能性』
http://mainichi.jp/articles/20161211/k00/00m/040/088000c
12月10日2時0分に産経新聞からは、マット二重敷きに関する下記趣旨の解説的記事もネット配信されていた。
暴走したタクシーによる事故は、「二重敷き」のフロアマットがずれたことで車の制御が効かなくなった可能性が浮上した。
マットが原因となったとみられる事故は米国でも起きており、国内でも複数報告がある。
事故は10日で発生から1週間。
事故原因の特定には至っていないが、専門家は、「固定しないマットが思わぬ事態を招く可能性もある」と注意喚起している。
関係者によると、米国での事故は2009年に発生。
トヨタの高級セダン「レクサス」が暴走して4人が死亡した。
二重敷きではなかったが、運転席の床に置かれたゴム製のマットがずれてアクセルペダルに引っかかり、ペダルが戻らなくなったことで車が暴走したとされる。
事故を受けてトヨタは、米国で約711万台に及ぶ大規模なリコールを行った。
国交省は、事故後、国内の各自動車メーカーへの調査を実施。
その結果、平成20年12月~21年9月までに、マットの不具合による事故が13件起きていたことが判明した。
13件のうち9件は、純正品のマットの上に市販のマットを重ねて敷いていたという。
また、国交省が公表している事故・火災報告によると、27年1月にトヨタ「プリウス」で二重敷きのマットによる物損事故が報告されている。
事故を起こしたタクシーが加盟する「博多個人タクシー協同組合」にも、ドライバーから二重敷きのマットがアクセルペダルに引っかかるトラブルが複数件報告されていたという。
国交省によると、現在でも、マットに関する保安基準はない。
日本交通事故調査機構の佐々木代表は、「マットはきちんと固定しないと滑りやすくなる。特に二重敷きは思わぬ事故の原因にもなる。適切な使い方を心掛けてほしい」と呼びかけている。
出典
『過去にもマットがずれる事故 「思わぬ事態招く可能性も」』
http://www.sankei.com/affairs/news/161210/afr1612100006-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。