2017年4月24日付で毎日新聞東京版朝刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日午後9時50分ごろ、埼玉県秩父市浦山で県道を走行中の軽乗用車が崖から転落したと、乗っていた大学生から110番があった。
警察によると、いずれも同県横瀬(よこぜ)町に住む18歳の男性4人が乗車し、病院に運ばれたが、運転していた無職のKさんが胸を強く打ち死亡、後部座席にいた無職男性が内臓損傷などの重傷を負った。
残る大学生と建設作業員の2人は、打撲などの軽傷。
警察によると、現場は緩やかな下りの片側1車線の直線で、浦山ダムにかかる浦山大橋北側のたもと付近。
車はダムに向け南進中に対向車線にはみ出し、反対側のガードフェンスを突き破り、約15m下に転落した。
助手席にいた男子大学生は、「走行中に車が何かにぶつかり、運転席のエアバッグが開いて前が見えなくなった」と話しているという。
転落現場近くの路上に約50cmの楕円形の岩が落ちていた。
警察は、道路脇の斜面からの落石とみており、車がぶつかった衝撃でエアバッグが作動し運転操作ができなくなったとみて、道路を管理する県にも事情を聴く。
警察によると、4人は中学時代の同級生。
軽傷の建設作業員の男性は現場を訪れ、「後部座席で携帯電話をいじっていたら、ドーンという衝撃があって気を失った。気がついたら救急車の中だった」と話した。
出典
『車転落 落石に衝突? 4人死傷、エアバッグ視界塞ぐ』
http://mainichi.jp/articles/20170424/ddm/041/040/167000c
4月23日19時20分にTBS News iからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
22日夜、埼玉県秩父市の県道で18歳の男性4人が乗った軽乗用車が反対車線のガードフェンスを突き破り、およそ15m下に転落した。
この事故で、軽乗用車を運転していた横瀬町の無職Kさん(18)が死亡、同乗していた3人も重軽傷を負った。
警察によると、現場の路上で幅およそ50cm、高さおよそ20cmの石が見つかり、車が接触したような跡が残っていた。
警察は、落石にぶつかって運転席のエアバックが作動し、前が見えなくなって転落したとみて、詳しく調べている。
4人は中学校の同級生で、この日は「心霊スポットに向かっていた」という。
出典
『埼玉・秩父で車が崖下に転落し4人死傷、落石が原因か』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3036761.html
4月24日9時19分に読売新聞からは、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
近くの斜面から路上に落ちた石に車がぶつかり、事故につながったとみられている。
現場近くを調べた秩父県土整備事務所の担当者は、「落石対策の強化を検討したい」と話している。
同事務所によると、事故現場の県道の斜面には、地上部分約50cm、地下部分約2mのコンクリート製の擁壁が設置され、その上に高さ約2mの落石防止用の金網が設置されている。
現場付近の道路では、少なくとも約10年間、落石の被害はなかったという。
ただ、付近には、山間部に人が入るため擁壁が約1m途切れている部分もある。
23日に確認したところ、事故現場近くの路肩には、山の中から転がってきたとみられる長さ約10cmの石が複数個あったという。
同事務所の担当者は、「道路を巡回する職員を増やすなどの対応を検討したい」と話している。
出典
『金網設置、10年は落石ない現場…4人死傷事故』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170424-OYT1T50049.html
(ブログ者コメント)
〇TBSの映像によれば、擁壁が途切れた部分に扉らしきものは見当たらない。
途切れた部分から、たまたま、石が落下したということかもしれない。
〇「落ちていた石にぶつかった」のか、それとも「落ちてきた石がぶつかった」のかは定かでないが、「石に車が接触したような跡が残っていた」という報道が正しければ、前者だった可能性が高い。
〇山道を走っていて「落石注意」と書かれた表示を見ることがあるが、これまでは、上から落ちてくる石にどう注意しろというのだろうか?と不思議に思っていた。
しかし今回の事故から、路上に石が落ちているかもしれないので注意せよ、という警告の意味もあるのかもしれないことを学んだ。
〇それにしても、高さ20cm程度の石にぶつかっただけで、エアバッグが作動するものだろうか?
国交省によれば、エアバッグが作動する条件は下記。
①時速20km~30km程度以上の速度で、コンクリート壁のような強固な構造物に正面衝突したとき。
②自動車などと衝突し、①の衝突と同様の衝撃を受けたとき。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/02assessment/car_h20/safetydevice/airbag.html
そして、電柱に衝突したりトラックの下に潜り込んだりしたような場合には、作動しないことがあるとも書かれている。
今回、どのようなメカニズムでエアバッグが作動したのだろうか?
車が大きくバウンドし、着地した際の衝撃で作動したということも、考えられなくはないのだが・・・。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。