2014年4月4日5時3分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が掲載されていた。
国土交通省は、機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン(指針)を初めてまとめた。
2007年度以降、子どもを含む利用者が死傷する重大な事故が、全国で26件も発生。
製造者、設置者、管理者、利用者のそれぞれが取り組むポイントを定め、「業界任せ」からの脱却を進める。
機械式の駐車装置は、1962年の日本橋高島屋が国内第1号。
都市部の駐車場不足から商業施設で増え、80年代後半からは土地を有効利用したいマンションなどで急速に広まった。
累計約54万基、自動車約287万台分が製造・出荷されているが、都道府県などへ設置の届け出義務があるのは、500m2以上の設備などだけで、約1400基にとどまる。
指針には、再発防止へ早急に取り組むべきことが明記された。
製造者には、専門知識がない一般の利用者を念頭に、子どもらが簡単に入れない構造、安全確認・緊急停止のボタンの設置、人が入っている状態では動かなくなる機能、を呼びかけた。
設置者には、安全柵や子どもの待機場所、荷物の積みおろし場所の設置を、
管理者には1~3カ月が目安の定期点検、
一般利用者にも、酒を飲んでの操作禁止などを求めた。
これまで、立体駐車場の安全性の目安は、製造34社が加盟する公益社団法人「立体駐車場工業会」(東京)の任意規格があるだけだった。
業界関係者によると、強制力がないため規格に沿わないものもあり、国交省に、統一した指針を求める声が上がっていた。
国交省は、外部有識者も交えた「安全対策検討委員会」を昨年11月に設置。4回の会合を重ね、先月末に指針を公表した。
今回の指針も強制力はないが、届け出義務がある500m2以上の設備には指針に従うよう求め、マンションなどにも勧める。
国交省は3日までに、関係10団体や都道府県などに要請した。
■強制力なし、法制化が課題に
便利な半面、後を絶たないのが悲惨な事故だ。
国交省によると、愛知県稲沢市では1月、民間駐車場で、出庫を待つ利用者の女性(当時84)が挟まれて亡くなった。係員が次の利用者の入庫のために作動させたためだった。人がいれば機械が動かないセンサーがあったが、故障したまま長期間放置されていた。
子どもが亡くなる痛ましい事故も起きている。
福岡市では11年5月、1歳女児が装置内に残っているのに気づかれず、扉を閉められて亡くなった。母親は「ついてきていると思った」と警察に話したとされる。
大阪府茨木市でも12年4月、マンション駐車場で、3歳男児が作動中に飛び乗って転倒し、挟まれた。
岩手県花巻市では12年7月、マンション敷地内の駐車場で、4歳男児が機械に挟まれて亡くなった。緊急停止ボタンを押したが、間に合わなかったという。
立体駐車場も様々で、車を2段以上に配置して運ぶマンションに多い多段方式が65%、装置内で車を転換させるホテルなどに多い垂直循環方式が15%、昇降・搬送装置を組み合わせて立体的に駐車する大型施設に多いエレベーター方式12%などに分かれる。
07年度以降の重大事故は死亡10人、重傷16人。装置内に人がいる状態で作動した事故が約4割を占める。場所は半数がマンションだった。
立体駐車場工業会の門田・安全部長は、「出始めは施設が大半で、係員が常駐していた。一般利用者が直接、操作するようになり事故が増えた」と話す。
消費者団体や被害者には、指針にとどまらず、明確な法規制を求める声が根強い。
国交省は「今後の宿題」としているが、そもそも実態がつかめておらず、都道府県などに6月末までの調査と報告を要請。大臣認定制度の導入や、すでにある施設への補助金支出などの対策と併せ、法制化を検討する考えだ。
委員会座長を務めた向殿男・明治大名誉教授(安全学)は、「関係者が一丸となって取り組む安全性向上への大きな一歩。ただ、罰則などの強制力はないので業者の一部が従わない恐れもある。法制化することが必要だ」と話している。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASG426222G42UTIL022.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。