2016年1月2日19時30分に朝日新聞から、『運転士が機転を利かせて再加速 昨年の新幹線放火事件』というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年6月、東海道新幹線で起きた放火事件で、非常ブザーが押されて車両がトンネルで止まりかねなかったが、運転士が火災発生を知り、再加速したことで避けられたことがわかった。
火災中の車両がトンネルで止まれば乗客の避難が難しくなり、被害者が増えたかもしれず、間一髪の対応だった。
事件は6月30日午前11時半ごろ、神奈川県小田原市を下りで走行中の「のぞみ」で起きた。
乗客がガソリンをかぶって焼身自殺し、巻き込まれた女性客も死亡した。
ほか、乗客26人と乗務員2人が重軽傷を負った。
1964年の東海道新幹線開業以来、初の新幹線の列車火災事故となった。
JR東海によると、事件発生後に車内で非常ブザーが押され、運転士は非常ブレーキをかけたが、直後にボンという音と煙で火災に気づいた。
マニュアルでは、車内で火災が起きた場合、煙の充満などによる二次被害を防ぐため、トンネルで止まらないよう定めてある。
運転士はブレーキを緩めて加速し、進行方向に続くトンネルを抜けて停車した。
柘植社長は、朝日新聞などのインタビューで、「トンネルで火事になっていたらと思うと、運転士の判断が多くの人命と、会社を救ったかもしれない」と語った。
東海道新幹線では、火災の際は非常ブザーを押さないよう記してあるが、混乱すれば押されかねない。
JR東海は、2017年度までに9割の車両で客室に防犯カメラをつけ、非常ブザーが鳴ったら運転席と車掌室から状況を確認できるようにする。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASHDX7WB8HDXOIPE01Z.html
(ブログ者コメント)
○本件、調べ直してみたところ、当時もそのような報道がされていた。以下は一例。
(2015年7月2日6時3分 産経新聞)
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今回の事件ではまず、無関係な乗客を巻き込んだ身勝手な犯行を憎むべきだ。
一方で悲惨な状況下にあって、運転士は前後のトンネルを避けて列車を停止させ、自らも負傷しながら消火した。
乗客らは混乱の中でパニックに陥らず、互いに助け合いながら後方の車両に移動した。
こうした勇気ある冷静な行動がなければ、被害はさらに拡大したろう。
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http://www.sankei.com/column/news/150702/clm1507020003-n1.html
○マニュアル通りの対応だとはいえ、この運転士の方、非常ブザーが押されてフェイズ4状態になっている時、よくぞ冷静に、火災時はトンネル内停止不可というマニュアルを思い出したものだ。
こういう人が、最近コメントを頂戴した「トラブルプリベンター」に該当するのだろう。
○しかし、たまたま1号車で火が出たので音と煙で気付いたが、これが他の車両だったら火災発生という情報が伝わるのが遅く、トンネル内で停車した可能性がある。
そういう意味で運が良かった事例だと感じた。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。