2014年7月24日21時40分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
24日午後3時ごろ、広島県北広島町新氏神の産業廃棄物中間処理施設「K社広島総合工場」で、従業員から「白い煙が出て数人が倒れた」と119番があった。
消防などによると、20〜50代の男性作業員7人が広島市内の病院に搬送され、1人が意識不明の重体で3人が重症、3人が軽症。
7人は、廃油を油や固形物に分別するなどの作業中だった。
何らかの原因で硫化水素ガスが発生した可能性があり、詳しい状況を調べている。
警察などによると、同施設には複数の工場があり、7人は当時、施設に持ち込まれた廃油などを油や固形物に分別し、焼却しやすくするための工場で働いていた。
事故があった頃は、ドラム缶に入った数種類の廃棄物を重機で「ピット」と呼ばれる大型容器(深さ約4m)に流し込む作業をしていたが、突然1人が倒れ、助けに向かった3人が次々と倒れたという。現場には有毒ガスが発生していた。
施設関係者によると、この工場の内外で、重体などの7人を含む12人が作業をしていた。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140725k0000m040101000c.html
7月25日付で中国新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
従業員から「工場内でガスが発生し、数人が倒れた」と119番があった。
消防によると、ガスから高濃度の硫化水素を検出した。
警察などによると、ガスは前処理工場と呼ばれる建物内で発生。ドラム缶に入った廃油や汚泥などの産業廃棄物を、ピット(約17m3)に重機で移し替える作業をしていたという。
消防によると、ガスはピット内から発生し、周辺で作業していた4人が倒れ、そのうち3人が意識不明の状態で搬送された。建物外から助けに入った3人も巻き込まれたという。
建物は当時、窓やシャッターを閉め切り、ダクトで排気。
7人は、有機溶剤のガスや粉じんを防ぐマスクを二重にしていた。
同社の担当者は、「ガスは本来の作業では出ない。化学物質の何らかの組み合わせで発生したのでは」と話した。
出典URL
7月24日23時36分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
従業員から、「白色と黄色の煙が出て数人が倒れた」と119番通報があった。
工場は、ガソリンスタンドや自動車整備工場から廃油を集めて焼却処分する施設で、従業員は約40人。
当時は9人態勢で、ドラム缶に入った廃油をプール状の「受け入れ槽」に移して混ぜる作業の途中だったという。
有毒ガスが発生したのがドラム缶を開けた時なのか、受け入れ槽に移して混ぜた時なのか、現段階では不明という。
同社によると、廃油を引き取る際にはサンプルを分析調査し、ほかの廃油と混ぜても化学反応が起きない廃油だけを集めているという。
警察は、安全を確認したうえで、作業員が扱った廃油や発生した有毒ガスの種類などを調べる。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASG7S5GG3G7SPITB01G.html
7月26日3時50分にmsn産経ニュース広島からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7人のうち3人が重体となっていたが、いずれも意識を取り戻した。
事故は24日午後3時ごろ起きた。従業員らが廃油や汚泥が入ったドラム缶をフォークリフトでピットに移し替えていた際、有毒ガスが発生したとみられる。
消防などによると、建物内には10個のピットがある。
発生から約1時間20分後の16時15分に、有毒ガスが発生したとみられる第8ピット付近で、30ppmの硫化水素を検出したという。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140726/hrs14072603500004-n1.htm
(2015年3月16日 修正1 ;追記)
2015年3月10日21時30分にNHK広島NEWS WEBから、受け入れ前の成分確認を怠っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月10日19時10分に広島ホームテレビからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
警察は、施設で処理できない液体を誤って処理しようとした結果、硫化水素が発生した疑いが強まったとして、経営する会社の次長ら6人を業務上過失傷害の疑いで書類送検した。
書類送検されたのは、施設を経営する、滋賀県湖南市にある「K社」の47歳の次長や34歳の工場長ら6人。
警察によると、次長がこの施設で処理できない硫化化合物を含んだ強アルカリ性の液体と強酸性の液体を誤って施設に送り、工場長らも気づかずに処理しようとした結果、硫化水素が発生したという。
また、適切な作業マニュアルがなかったことや、廃棄物を混ぜ合わせる前の成分確認など安全管理を怠っていたこともわかったという。
調べに対し、いずれも容疑を認めているという。
また、労基署は、救助にあたった作業員に酸素マスクなどをつけさせなかったといった労安法違反の疑いで、K社と工場長ら2人を書類送検した。
書類送検についてK社は、「大きな事故を起こしおわび申し上げます。今後、再発防止と安全確保の対策を取っていきます」とコメントしている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20150310/3068962.html
http://news.home-tv.co.jp/news.php?ymd=2015-03-10&c=&id=2015-03-105
3月11日付で朝日新聞広島版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、次長らは事故を防ぐ注意義務を怠り、本社から北広島町の工場に誤って配送された強酸性と強アルカリ性の液体をそれぞれ同じピットに注いで硫化水素を発生させ、7人に軽傷を負わせた疑いがある。
警察は、次長が一次処理が済んでいない液体の入ったドラム缶を誤って本社から工場に送ったと認定。
また、工場長ら5人も成分の確認などを怠って硫化水素を発生させ、ガス発生後に倒れた作業員の救出に別の作業員を向かわせて二次被害を出したとした。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。