2015年7月26日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5057/
(2015年12月7日 修正1 ;追記)
2015年12月1日13時10分に朝日新聞から、容疑者死亡のまま書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
静岡県警は1日、電気柵を設置し、事故後に自殺した同町の男性(当時79)を重過失致死傷の疑いで、容疑者死亡のまま書類送検した。
県警によると、男性は、法令で定められた安全装置が取り付けられていない不完全な電気柵を設置したことで、柵に触れた子どもや助けようとした親ら7人を死傷させた疑いがある。
電気柵は、川の土手のアジサイを守るため、男性が電線などの資材で自作。
誰もが立ち入れる場所に、通常は必要な、電流を弱めて制御する装置などをつけずに家庭用の電源に直結した危険な電気柵を設置したことなどが重大な過失にあたる、と県警は判断したという。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASHD13T56HD1UTPB00D.html
12月2日付で読売新聞静岡版からも、同趣旨の関連記事がネット配信されていた。
国やメーカーは、安全対策が講じられた電気柵の使用を求めている。
県が7~9月に一斉点検して把握できた電気柵7133か所のうち、経済産業省令を満たさないものは、1009か所(約14%)に上った。
危険を知らせる表示の不備が927か所と最も多かったが、現在までにすべてで対策が取られたという。
事故後、経産省は、自作の電気柵に対する規制の強化を検討した。
県も、パトロールの年2回実施を決めるなど、再発防止に向けた動きが進む。
ただし、現状でも電気柵を設置する際に自治体への届け出義務などはなく、安全対策は設置者に委ねられている。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/local/shizuoka/news/20151201-OYTNT50304.html
12月2日7時0分に産経新聞静岡版からは、『西伊豆の電気柵事故 安全対策に不備重なる 県警「立ち入り予見できた」』というタイトルで、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
西伊豆町の電気柵感電事故をめぐる県警の捜査では、事故直前に電気柵の電線が断線し、人体に危険が及ぶ50mA超の電流が川に流れ出ていたことが分かった。
電気柵を自作した無職男性は、県警の事情聴取に「普段は夜間にしか電源を入れていないが、当日は切り忘れていた」と供述。
県警は、「過去にも男性の親族が川遊びをしており、電気柵に人が立ち入る可能性は予見できた」として男性の過失を認め、被疑者死亡のまま立件に踏み切った。
県警捜査1課によると、男性はアジサイの花壇をシカなどの食害から守るため、平成19年に電気柵を設置した。
当初はバッテリー電源を使用していたが、故障したため、24年ごろに家庭用のコンセントに電源を変更。
男性は電気関係の仕事に従事した経験があり、変圧器を使って電圧を数百ボルトにまで上昇させていた。
今回の事故では、川遊びをしていた3人に加え、助けに向かった4人も次々と感電。
被害者の一人は、「最初に川遊びを始めたときはしびれるようなことはなかった」と話しており、事故直前に電線が何らかの原因で断線して川に垂れ、漏電が始まったとみられることが分かった。
さらに、警察の再現実験で、少なくとも50mA以上の電流が川の中に流れていたことが判明。
捜査関係者は、「50mAの電流が1秒間体内に通電した場合、死亡するケースがある」と指摘している。
同課は、男性の具体的な過失として、
(1)「立ち入り禁止」などの危険表示をしていなかった
(2)通電は夜間のみだったが、当日は電源を切り忘れていた
(3)漏電時に電流を止める漏電遮断器を設置していなかった
(4)家庭用電源と変圧器を使用し、数百ボルトまで電圧を上げていた
の4点を認定。
男性による安全対策の不備が複数重なり、7人が死傷する事故につながったと結論づけた。
西伊豆町の電気柵感電事故を受け、県はこれまで、県内全域の電気柵を緊急点検して改善を促すなどの対応策を取ってきた。
しかし、各農家に対して立ち入り調査を行うなどの強制権がないため、設置者の自主的な対応に頼らざるを得ない状況が続いている。
県によれば、事故後に電気柵の緊急点検を実施した結果、7133カ所のうち1009カ所で「危険表示が不十分」などの不備が確認された。
不備があった電気柵の管理者に対して県と市町が是正を要請し、9月末までに全ての電気柵で改善が行われたと発表している。
県ではこのほか、県主催の鳥獣被害対策会議で各市町の担当者に電気柵の適正な設置方法を記したパンフレットを配布したり、電気柵の設置実習を行うアドバイザー研修会を開いて電気柵の取り扱い指導を強化するなどの対策を取っている。
県農山村共生課の繁村課長は、「事故が起きるまで電気柵に対する危険性の認識が薄かったので、周知徹底はこれからも続けていく」とする一方、「県や市町は農家に立ち入って指導する法的権限がないので、注意喚起をするしかない。最終的な安全管理は、設置者個人の対応に頼る部分が大きい」と課題も口にする。
電気柵の設置数が700カ所と伊豆半島で最も多かった伊豆市では、202カ所で危険表示に関する不備が確認された。
市は、補助金制度を使って電気柵を設置する農家に対しては設置方法の指導を行っているが、煩雑な手続きを嫌って制度を利用せずに個人で設置する農家も多い。
市農林水産課は、「パトロールは継続していくが、長期的に全ての設置状況を把握するのは困難だ」と指摘する。
一方、事故があった西伊豆町では、電気柵を扱う量販店が購入者に注意喚起を行うなど、町全体で安全管理の周知徹底に乗り出す動きも始まっている。
町産業建設課の担当者は、「電気柵は鳥獣被害対策にとても有効な手段。間違った手法で使わない限り安全なので適正に利用してほしい」と呼び掛けている。
出典URL
http://www.sankei.com/region/news/151202/rgn1512020018-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。