2016年1月7日19時7分にNHK静岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月8日付で朝日新聞静岡版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
7日午前11時5分ごろ、御前崎市にある浜岡原子力発電所の2号機で、タービン建屋の3階に設置されている火災報知器が作動した。
中部電力で調べたところ、建屋内の空気を循環させる直径3mの排気ファンの軸受部分から最大30cmの炎が上がっているのを社員が確認。
午前11時15分ごろ、ファンを停止させたところ、火が消えたという。
また、中部電力の通報を受けて駆け付けた消防も、正午すぎに鎮火を確認した。
中部電力によると、この火事によるけが人はなかったうえ、放射性物質が外部に漏れるなどの影響もないという。
排気ファンは、1978年の2号機運転開始時から、廃炉作業に入った後も、換気用に使い続けている。
中部電力では、ファンの軸受けの潤滑油(ブログ者注;朝日新聞によればグリース)が劣化し摩擦熱で火が出た可能性もあるとみて、火が出た原因を詳しく調べている。
2号機はすでに廃炉が決まっていて、中部電力が廃炉に向けての作業を進めている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3034863331.html?t=1452199160523
(2016年1月23日 修正1 ;追記)
2016年1月19日20時21分にNHK静岡から、原因に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月7日、御前崎市にある浜岡原発2号機のタービン建屋内で起きた火事について、中部電力は原因を調査した。
その結果、火元と見られる直径3mの排気ファンの軸の部分が壊れていたほか、付近の温度が200℃近くに達していたことが分かったという。
また、火が出た当時、このファンは回転し続けていて、停止させたあと、その勢いはおさまったという。
このため、中部電力は、壊れたファンの軸についていた潤滑油が回転によって高温となり、発火した可能性があると見ている。
中部電力は、軸の部分が壊れた原因についてさらに調査を進め、今月末までに再発防止策をとりまとめる方針。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3035161051.html?t=1453236419668
1月20日付で朝日新聞静岡版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
軸受のベアリングを分解点検したところ、回転する「ころ」の支持部分が壊れ、「ころ」が外れたり変形したりしていたという。
ベアリングが壊れた状態で回転することで摩擦が生じて軸受の温度が上昇し、潤滑用のグリスが発火したとみられるという。
排気ファンは1978年の2号機運転開始から使用しており、ベアリングは2014年9月に新品に交換していた。
1月19日付で中部電力HPにも、同趣旨の記事が掲載されていた。
排気ファンのプーリー側軸受部の分解点検をおこなった結果、軸受が損傷していることを確認した。
また、当該軸受の温度データの履歴を確認した結果、1月1日から徐々に温度が上昇する傾向にあったことを確認した。
軸受に何らかの異常が発生し、その状態で回転することにより軸受温度が上昇し、軸受内のグリスが高温になり発火したこと等が考えられる。
出典URL
http://www.chuden.co.jp/resource/ham/280119_2utbkasai.pdf
(2016年2月13日 修正2 ;追記)
2016年2月6日付で毎日新聞中部版から、型番変更に気付かず部品発注した軸受が損傷し、当該軸受を交換する際、軸がわずかに曲がっているのに気付いたが、そのまま使用し続けたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中部電力は5日、火災の原因は、部品交換ミスとその後の不適切な対応が重なったためと発表した。
中部電によると、2012年10月の定期点検でファンの軸受け部品を交換した際、担当者が製品番号を確認せず、適合しない部品をメーカーに発注して設置。
このため軸受けが損傷し、約1年後にミスに気付いて適正品と交換した。
この際、軸がわずかに曲がっているのを確認したが、使用し続けた結果、異常過熱から発火したらしい。
中部電は、「12年の部品交換の際、従来使っていた部品が新しくなり、型番が変更されたのに気付かず発注した」と説明。
曲がった軸を使い続けたのは「異音などがなかったため」などとしている。
出典URL
http://mainichi.jp/articles/20160206/ddq/041/040/011000c
2月5日20時19分にNHK静岡からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
5日、中部電力が原因を調査してきた結果が静岡県に報告され、中部電力は、火が出た原因について、排気ファンの軸が曲がっていたのに支障ないと判断して使用を続け、軸受けと軸の間で摩擦熱が高まったためだと説明した。
そして、そもそも軸が曲がったのは、平成24年10月に軸受けの部品を交換した際、形状が似ているものの本来とは異なる部品を誤って取り付けたミスが原因だったとして、出火に至るまでに2つのミスが重なったことを明らかにした。
これについて県の担当者が、最初の部品の取り付けミスは人の目でも確認できたはずで、確認不足ではないかと指摘したのに対し、中部電力は、部品の適正な管理を行い、検査方法も見直して、再発防止を図ると応えた。
報告を受けた県の外岡危機管理監は、「原発などの重要な施設では、小さなミスが大きな事故につながるおそれがあるので、対策をしっかり実行してもらいたい」と話していた。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3035651051.html?t=1454709461439
(ブログ者コメント)
本件、2月5日付で中部電力HPにも、下記などが記されたプレスリリース記事が掲載されていた。(これらの新情報に基づき、タイトルも修正した)
この軸受の損傷の原因は、型番の違う軸受を使用した過去の運転に起因する軸のわずかな曲がりによるものと推定しました。
https://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/3259183_21432.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。