2020年10月21日21時4分にNHK宮崎から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日午後5時前、延岡市の半導体集積回路の工場「旭化成マイクロシステム」で「4階から煙が上がっている」と会社から消防に通報がありました。
消防はおよそ70人が24時間態勢で消火活動にあたっていますが、丸1日以上たった現在も消火のめどはたっておらず、活動は難航しています。
消防によりますと21日朝、4階で消火活動にあたっていた消防隊員数人が、「顔がひりひりする」などの違和感を訴えたということです。
消防では、何らかの有害な物質が発生している可能性があるとして、一時、工場の内部での消火活動を休止しました。
昼すぎからは安全を確保して活動を再開しましたが、出火したとみられる4階にはいまだに煙が充満していて、火元が特定できていないということです。
旭化成延岡支社によりますと、この火事では、工場の従業員およそ400人は避難して無事で、けが人は出ていません。
また、小規模の爆発が生じる可能性はあるものの、工場の外に影響を及ぼす危険はないとしています。
工場周辺では、異臭が発生していますが、会社によりますと、電気ケーブルを覆う際などに使われる塩化ビニールが燃えて発生した塩化水素とみられ、数か所の地点で調査して人体に影響がない濃度であることを確認したということです。
一方、延岡市では、避難を希望する人のために21日午後、市役所2階の講堂に避難所を開設しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20201021/5060007700.html
10月24日付で宮崎日日新聞からは、24日昼に鎮火が確認されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
延岡市中川原町5丁目の旭化成の関連会社「旭化成マイクロシステム」延岡事業所で20日に発生した火災は、24日午後0時25分、火が完全に消える「鎮火」が確認された。
火元とみられる場所の温度が上昇せず、火の気や煙もないことから延岡市消防本部が判断した。
https://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_48366.html
10月24日16時30分にNHK宮崎からは、爆発の恐れのある物質の存在を火災翌日まで公表していなかった、集積回路製造場所付近で火柱が上がっていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
工場の3階には爆発のおそれのある物質が保管されていましたが、会社側は火災発生の翌日の夜まで、この事実を公表していませんでした。
これについて、24日、初めて会見した旭化成延岡支社の濱井支社長は、「火災が起きた場所と、爆発物の保管場所は防火壁で区切られているため、大丈夫だと思っていた」と釈明したうえで、今後、情報提供のあり方を見直す考えを示しました。
火災の原因はまだ分かっていませんが、従業員が集積回路を製造する場所の付近で、火柱が上がっているのを見ているということで、警察と消防は今後、現場検証を行って詳しく調べることにしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20201024/5060007723.html
(2020年11月17日 修正1 ;追記)
2020年11月10日付で宮崎日日新聞からは、酸性の水が建物内にたまっていて、まだ現場検証ができない状況だという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
火災で建物内に酸性の水がたまり、火元とされる4階の現場検証ができないことが9日、関係者への取材で分かった。
延岡署は同日、市消防本部と合同で建物2階の現場検証を実施。
水の排出に時間を要しており、4階の検証は早くても今月下旬になる見込み。
県警は業務上失火容疑に当たるかどうかや火元や出火原因について慎重に調べている。
https://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_48768.html
(2021年1月19日 修正2 ;追記)
2021年1月18日20時3分にNHK宮崎からは、ようやく現場検証ができる状態になったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「旭化成マイクロシステム」の火災では、鎮火に丸4日近くかかったほか、火元とみられる4階部分では、塩化水素が溶けたとみられる酸性の液体がたまるなどして現場検証が行えずにいました。
液体を取り除く作業が進められるなどした結果、安全が確保できたとして、18日午前から現場検証が行われました。
午前10時前には防護服とマスクを身につけた警察と消防など10人余りが、工場の中に入っていく様子が確認できました。
警察や消防によりますと、この日は初めて3階部分に入り、内部の焼け方や損傷などを調べたということです。
また、火元とみられる4階は、現場検証は行わなかったものの、床の一部が抜け落ちていたほか、天井が崩れるなどの損傷も確認できたということです。
警察と消防は19日も午前から工場内に入り、現場検証を行う予定で、引き続き詳しい出火原因を調べることにしています。
火災の発生から3か月で、ようやく現場検証が始まりましたが、捜査の難航も予想されます。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20210118/5060008413.html
(2021年9月15日 修正3 ;追記)
2021年9月14日16時42分にNHK宮崎からは、出火原因は不明だったがケーブル端子の接触不良などが原因だったと推定されるとする会社側の報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
会社側は14日、調査報告書を公表しました。
それによりますと、工場内の損傷が激しく、はっきりとした出火原因は不明だとしたうえで、従業員の目撃証言や工場内の温度変化のデータを分析した結果、小さなほこりなどが入るのを防ぐ4階のクリーンルームが火元で、「ウエハー」と呼ばれる半導体の材料の製造装置から出火したと推定されるとしています。
また、同じタイプの装置を使って検証を行った結果、装置のケーブル端子の接触不良などによって出火し、燃え広がった可能性があるとしています。
会社は、消防法などの法令に基づいて防火対策や点検などを実施していたとしていますが、今後はクリーンルームに監視カメラを設置し、製造装置の部材を燃えにくいものに変えるなどして、再発防止に努める方針です。
一方、警察は現在も火災の原因について捜査を続けています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20210914/5060010594.html
9月14日18時54分にYAHOOニュース(宮崎放送)からは、今後、グループ全体のクリーンルーム対象に早期火災検知システムの最適化などに取り組むなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
旭化成の調査報告書によりますと、出火元は、複数の目撃証言や温度データの分析などから、4階クリーンルーム内の半導体ウエハ製造設備であるチタン除去装置と推定。
また、出火の原因は、電気的な要因によるものと推定され、この装置内のケーブル端子部の接触不良、または一部の断線による発火が考えられるとしています。
旭化成は、グループ全体のクリーンルームを対象に、電気保安点検の最適化や、早期火災検知システムの最適化など、再発防止対策に取り組むことにしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b695550dce5811d8b1416ad90a90b33187b84c28
※以下はHPに掲載されている報告書。
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2021/ip4ep30000003ale-att/ze210914_02.pdf
(2022年4月14日 修正4 ;追記)
2022年4月11日17時55分にYAHOOニュース(西日本新聞)からは、会社は工場再建を断念する方針など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
旭化成の工藤社長は11日に開いた記者会見で、2020年10月の火災で稼働が停止している宮崎県延岡市の半導体工場について、「火災前の工場をそのままの形で立ち上げるのは難しい」と述べ、再建を断念する方針を表明した。
今後の復旧は「敷地の近くか工場の跡で、半導体関係や他の素材を作ることは十分あり得る」として、建屋や敷地の活用策の検討を進める考えを示した。
質疑で半導体工場について問われた工藤氏は、工場はがれきの撤去作業を続けており、「非常に慎重に進めていて、もう少し時間がかかる」と説明。
工場では自動車や音響メーカー向けの高密度集積回路(LSI)を生産していたが、現在は国内外の他メーカーで代替生産しているという。
延岡市内の旭化成グループの工場では、火災や事故が相次いでいる。
9日に起きた化学繊維のベンベルグの工場火災について、工藤氏は「近隣の皆さんに非常にご心配やご迷惑をかけた」と陳謝した。
3月にはグループ会社の火薬工場の爆発事故で社員1人が亡くなっており、「どこまで職場全体に危機感も含めて浸透しているかどうか、見直す必要がある」と語り、原因究明に取り組む考えを示した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/59fe14ad6057fb2902232dcf57721b4c046fc672
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。