2020年10月20日8時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が複数枚の写真付きでネット配信されていた。
7月11日夜、岐阜県瑞浪市にある大杉が倒れた。
同日は大雨だったため、風雨が理由と考えられていたが、根の強度不足が倒木の原因だったことが、神戸大学大学院教授らの研究チームの調査で判明した。
倒木の原因を科学的に調査するケースはほとんどなく、チームは倒木の危険性や巨樹の管理方法を考える上で大きな成果があったとしている。
大杉は瑞浪市大湫町の神社の境内に立っていた岐阜県天然記念物。
高さ約40メートルで樹齢約1300年とされ、旧中山道・大湫宿のシンボルだった。
その大杉が大雨が降った7月11日の夜に突然、北西側にある社殿と反対側に倒れた。
これまで「大雨による自然災害」とされていた。
なぜ大杉が倒れたのか、科学的に原因を究明しようと、神戸大学大学院の黒田慶子教授(森林保護学)と樹木医ら5人が研究チームを結成した。
7月28日、大杉の樹木や根の状態について現地で調べた。
調査によると、大杉が倒れたとき、幹を支える太い根はほぼ破断していた。
大杉には太い根が少なく、根は枯死や、木を分解する腐朽が進んでいた。
大杉の北西側は、社殿を建てた際に切断されたのか、太い根が少なかったこともわかった。
また、大杉の西側と南側には池が二つあり、根は常に水に漬かった状況で腐っていた。
幹の傷みも見つかった。
大杉は最近では2004年5月に落雷の被害を受けている。
いつの落雷の影響かわからないが、割れたり腐ったりしていた。
黒田教授は「大杉は倒れる前からやや南側に傾いていた。幹は少なくとも100トン以上あり、根が支えきれずに切れた」と推測する。
一般的に、大木が倒れても大雨や台風が原因とされ、原因を解明する調査はほぼされていないという。
黒田教授は「今回の倒木の結果がはっきりして、研究上の大きな成果となった。倒木の危険性を予測する方法を見つけるためにも、今後も、倒木があったときには樹体と根を調査し、巨樹を管理するために必要な情報を収集し、公表していきたい」と話した。
今回の研究結果は地元の「神明大杉再生検討会議」に中間報告として伝えられた。
11月28日~12月5日にオンラインで開催される「樹木医学会大会」で発表される。
https://www.asahi.com/articles/ASNBM64ZYNBJOHGB014.html
(2021年9月28日 修正1 ;追記)
2021年9月27日10時35分に毎日新聞からは、樹齢は約670年だった、幹の体積に比べ根の体積が少なかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
「令和2年7月豪雨」の際に倒れた岐阜県瑞浪市大湫(おおくて)町の「大湫神明神社」の樹齢約670年のスギ(高さ40メートル超、幹回り約11メートル)の倒木原因を、名古屋大大学院の平野恭弘准教授(森林科学)らの研究グループが解明した。
当時は、豪雨により地盤が緩んだことが原因とされたが、それだけでなく、根の体積が幹に比べて小さく、豪雨による土壌水分量の増加や経年腐朽などの要因も加わってバランスを崩したとしている。
研究成果は、根研究学会誌「根の研究」に27日、掲載される。
スギは、中山道の宿場町を行き来する人々を見守り続けたご神木として知られてきたが、豪雨発生を受け、2020年7月11日夜に根元から倒れた。
もともと樹齢1200~1300年と推定されていたが、倒木後、名大などの調査で樹齢約670年と修正された。
研究では、レーザースキャナーで樹木全体をデジタル化。
根と幹の体積を推定した結果、幹と枝の体積が158立方メートルだったのに対し、根は43立方メートルだった。
他のスギに比べ、根の体積の割合が小さいことが分かった。
この土地の土壌が硬い特性を持っていた可能性があるという。
また、目視により、根の中心部で経年による腐朽が確認された。
さらに、豪雨期間中の日照時間が短く、スギと土壌が乾きにくい環境で土壌と幹の水分量が増加したと推察。
以前からの厳しい発達状況に気象条件が加わり、根の支持力が低下してバランスを崩して倒れたと考えられると結論づけた。
平野准教授は、「倒木は豪雨のみが要因ではなかった。今後も豪雨などの際に倒木を防ぐためにも、日ごろから地上部の衰退状況だけでなく、根の育成状況を地中レーダーを活用するなどして評価することが求められる」と話している。
https://mainichi.jp/articles/20210926/k00/00m/040/133000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。