2013年7月24日0時10分と12時6分に北海道新聞から、7月24日6時47分にNHK札幌から、7月24日22時14分に毎日新聞から、また7月25日付の朝日新聞北海道版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午後2時5分ごろ、釧路市新野、化粧品製造などのB社本社工場内で爆発を伴う火災があり、鉄筋コンクリート平屋の事務所兼工場の内部約750m2を全焼した。
焼け跡から同社のパート従業員の女性Tさん(35)と、男性の遺体が発見された。同社によると、工場長のKさん(46)と連絡が取れず、警察が身元の確認を急いでいる。
警察などによると、出火当時、工場には社員7人がおり、5人は窓から逃げるなどして無事だった。
工場内部は爆発の衝撃で天井が落ち、窓ガラスが割れたり、壁が吹き飛んだりしたという。
消防車両12台が出動し、約1時間半後に鎮火した。
同社によると、工場ではサケの鼻軟骨から成分を抽出し、化粧品や健康食品の原料となる「プロテオグリカン」を製造している。
2人の遺体は、「プロテオグリカン」を製粉する部屋付近で見つかった。
Kさんは出火時、引火性の高い化学物質「アセトン」を使い、「プロテオグリカン」を抽出する作業に従事していたらしい。
普段は、作業全般を担当するKさんと、危険物取扱い資格のある別の男性社員がこの作業をしているというが、23日は男性社員が休暇で、Kさんは古くなったアセトンを蒸留して再利用するための準備をし、Tさんが隣の部屋で製粉作業をする予定だった。
Kさんは、アセトンを使う部屋と製粉室を行き来していたらしい。
工場内にはアセトンが100ℓ以上あり、アセトンが保管されていた部屋の損傷が激しいという。
同社は社長を含め9人の体制。
この日は7人で作業にあたり、逃げた5人は「ドーン」という音を聞いて、天井などが崩れ落ちる中、財布や携帯電話など何も持たずに工場内から飛び出した。
難を逃れた男性従業員(34)は「いきなり車両が突っ込んできたような音がして、壁がぶっ飛んできた。とにかく必死に逃げた」。
崩れ落ちた天井で玄関から出られず、窓をこじ開けて避難したという女性従業員(59)は「あっという間に黄色い煙が充満し、割れたガラスが散らばっていて歩けなかった」と、地面にへたり込んだ。
同社の社長は報道陣に「火種になるようなものはなかった」と語った。
出典URL
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/481274.html
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/481423.html
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20130724/3243451.html
http://mainichi.jp/select/news/20130725k0000m040075000c.html
(2013年8月12日 修正1 ;追記)
2013年7月25日付の北海道新聞紙面に、事故当時の詳しい状況などが下記趣旨で掲載されていた。
損傷が激しかったのはアセトンを取り扱っていた部屋だったが、死者2人は、それとは別の原料保管庫で見つかっていたことが24日、捜査関係者への取材で分かった。
避難した従業員によると、2人は火災発生直前、アセトン室と原料保管庫の間にある製粉室で作業していたという。
警察などは、爆風で飛ばされた可能性もあるとみて、原因の調査を進める。
従業員によると、23日は製粉室で原料のサケ鼻軟骨を粉状に砕く作業を、アセトン室ではアセトンを再利用するための蒸留作業を行っていた。
製粉室やその付近には、粉状になった原料が舞っていたという。
アセトンは、サケ鼻軟骨から余分な脂分を取り除くのに使用している。
同社の社長によると、工場では最大約100ℓのアセトンをタンクと一斗缶で保管していた。
80ℓ以上取り扱う場合は、消防への届け出が必要だったが、同社は無届けだった。
(2013年11月10日 修正2 ;追記)
2013年9月24日14時56分に釧路新聞から、原因究明は難航しているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
爆発事故から2カ月が過ぎた。2012年、第4回ものづくり日本大賞で、道内で初めて内閣総理大臣賞に輝き、事業が軌道に乗り始めた矢先の事故。
爆発事故を専門的に調査する科学警察研究所(千葉)なども加わり現場検証が行われたが、原因究明は難航しており、事業再開の見通しは立たないままだ。
出典URL
http://www.hokkaido-nl.jp/detail.cgi?id=17159
(2014年4月1日 修正3 ;追記)
2014年4月1日付で朝日新聞北海道版(聞蔵)から、死亡した女性の遺族が損害賠償を求めて提訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
死亡した2人のうちの1人の女性(当時35)の遺族が31日、会社に7286万円の賠償を求める訴訟を釧路地裁に起こした。
訴状によると、会社は引火性の高いアセトンを100ℓ以上も保管して作業に使わせ、危険物の取扱い責任者が不在中、安全確認が不十分なまま作業させた過失により、アセトンに引火し爆発事故が起きたとしている。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。