2017年2月24日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6807/
(2019年11月29日 修正1 ;追記)
2019年11月21日18時9分に産経新聞から、ダクトが強風で振動した際に内部の粉じんが排気ファンに落下し、細かく砕かれて粉じん爆発が起きたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
千葉県警は21日、業務上過失致死傷の疑いで、当時の同事業所の男性所長(56)を書類送検した。
事故は同年2月17日午後2時ごろ、自動車の部品に可燃性のアルミニウム粉末を含む塗料を吹き付ける作業中に発生。
社員の茂木さん(男性、当時35歳)と準社員の粟飯原さん(女性、60歳)の2人が全身にやけどを負い死亡、30代男性が重傷となった。
捜査関係者などによると、悪天候による強風で換気用のダクトが振動し、内部に付着していた塗料が排気ファンに落下。
ファンで細かく砕かれて十分に排気されないまま滞留し、何らかの原因で引火して「粉塵(ふんじん)爆発」が起きたとみられる。
東金労働基準監督署も21日、ファン周辺に粉塵がたまらないようにするなどの安全対策を怠ったとして、同社と当時の男性所長を労働安全衛生法違反の疑いで書類送検した。
https://www.sankei.com/affairs/news/191121/afr1911210043-n1.html
11月22日付の毎日新聞千葉版紙面には、ダクトを一度も点検していなかったなど、下記趣旨の記事が掲載されていた。
書類送検容疑は、排気ダクト(導管)内に可燃性のアルミニウム粉を含む塗料の粉じんがあり、「粉じん爆発」が起きる恐れがあったにもかかわらず、取り除くなど防止措置をしなかった疑い。
労基署によると、排気ダクトは約9年前に設置されてから一度も点検されていなかったという。
(ブログ者コメント)
関連情報調査結果、昨年10月2日付で該社HPに、事故報告書がまとまったという下記趣旨の記事が掲載されていた。
1.事故調査委員会の最終報告について
社外の専門家を含む「事故調査委員会」では、事故原因の調査・解析を行い、仮説を基にした再現実験や各種データを基にしたシミュレーション等を実施し、爆発に至った原因の究明を図って参りました。
その結果、可能性のある原因の絞り込みは進みましたが、着火源の特定には至らなかったため、複数の可能性を列挙する形で、平成30年4月6日に当社社長宛に最終報告を行いました。
その後、当社で関係各所への確認を実施しておりましたが、今般終了いたしましたので、最終報告として想定される事故原因及び再発防止策を以下にお知らせいたします。
2.想定される事故原因
(1)爆発した可燃物
塗装ブースで使用していた塗料の排気ダクト内に付着していた残渣乾固物が、事故当日の異常な強風(最大瞬間風速約 15m/秒)で排気ダクト内の排気ファンに落下し、そこで非常に細かい粉塵状態に粉砕され、かつ強風のため本来なら排出されるはずのものが排気ファン周辺に滞留した結果できた粉状雲が、爆発した可燃物である可能性が高いと考えております。
(2)着火源
可能性のある着火源として以下の3点まで絞込みを行いましたが、特定できませんでした。
① 塗料乾固物と排気ファン衝突衝撃による着火
② 塗装ブース内非防爆非防塵リミットスイッチ内における着火
③ 排気ファン破損によるケーシングとの摩擦発熱による着火
3.再発防止策
平成 29 年4月 14 日開示の第5報に記載のとおり、事故後早期に再発防止策を実施しています。
その後、事故調査の知見を加え、可能性のある原因全てについて限り無く排除する形で、以下の再発防止策を昨年より継続して実施しております。
(1)塗料乾固物の堆積/落下防止
① 水カーテン方式ブースの採用
② 排気ダクト点検、清掃の容易化
(2)可燃性粉塵雲の発生防止
① 排気ダクトの構造変更
② 排気状態検知センサーの設置と管理
(3)着火源の排除
① 塗装ブース等の防爆仕様化
(4)教育の徹底
① 上記作業標準の作成と安全対策教育の定期実施
・・・・・
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6469/tdnet/1633272/00.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。