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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20191121056分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東日本に記録的な大雨をもたらした台風19号では、計6カ所のダムで水位が限界に近づき「緊急放流」が行われたものの、昨年の西日本豪雨での教訓としてクローズアップされた降雨前の「事前放流」はなされなかった。

 

平成23年9月に死者・行方不明者計88人が出た紀伊半島豪雨に見舞われた和歌山県では、4つの利水ダムを治水にも活用する協定を関西電力と結んでおり、協定に基づく事前放流をこれまでに50回実施、緊急放流の回避につながっているという。

 

ダムは通常、大雨が降ったときに流入量の一部をため、残りを放流して洪水調整を行う。

 

だが、満杯に近い状態になった場合は、ダム本体の決壊を防ぐため、流入量と同量を放出する。

これが「緊急放流」で、非常時の最終手段だ。

 

昨年7月の西日本豪雨では6府県8カ所で緊急放流が行われ、愛媛県の2カ所では下流で約3千棟が浸水し8人が死亡した。

 

一方、事前放流は、水道用水供給や発電などの利水目的でためている容量の一部を洪水の発生前に放流し、洪水調整のための容量を一時的に増やす。

 

放流後に雨が降らなければ水不足による給水制限などが起きる可能性もあるため、実施には利水権者全員の合意が必要だが、緊急放流による下流への被害を未然防止できる可能性がある。

 

西日本豪雨を受けた国土交通省の有識者による検証会議でも、事前放流による対策が提言された。

 

こうした事前放流を行っている和歌山県は、紀伊半島豪雨の教訓を生かしている。

 

紀伊半島豪雨では広い範囲で総降水量が千ミリを超え、県が管理する椿山(つばやま)ダム(日高川町)▽二川ダム(有田川町)▽七川ダム(古座川町)-の3ダムすべてで緊急放流を実施した。

 

このうち、約8時間にわたり緊急放流が行われた椿山ダムは最大毎秒3958トンの水を放流し、計画最大放流量を1千トン以上上回る水が流れた。

 

その結果、下流域では堤防決壊や護岸浸食などが発生。

広い地域で床上浸水も起きた。

 

3ダムはいずれも、洪水調整と発電を目的とした多目的ダム。

水力発電は水圧が高いほど発電効率が良いため、水力発電用の容量は、できるだけ満ちた状態になるよう調整されている。

 

だが、県は紀伊半島豪雨を教訓に、異常な大雨が予測される場合は水力発電用の容量分も事前放流できるよう、関電と協定を締結。

 

関電管理の水力発電専用の殿山ダム(田辺市)を加えた計4ダムで、24年6月から事前放流の運用を始めた。

 

この協定に基づく事前放流は今年11月10日までに計50回。

昨年8月の台風20号では七川ダムで事前放流し、緊急放流の回避につながったという。

 

一方で、課題もある。

 

事前放流すると、関電側は一時的に発電できなくなる。

 

仮に大雨の予報が外れれば、放流分の水をためるのに時間がかかる可能性もあり、事前放流には慎重な判断が必要だ。

 

さらに、県河川課の担当者は、「利水者が多いダムでは、それだけ合意形成は難しい」と指摘する。

 

https://www.sankei.com/west/news/191121/wst1911210007-n1.html

 

 

11262123分にNHK岩手からは、ダムの貯水量のうち利水容量を減らすのが事前放流で、夏場の事前放流ルールを定めているダムは1割ほどしかないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

県内にある、国が管理する5つのダムで、夏場に大雨が予想される時に、あらかじめ放流を行ってダムの貯水量を減らす「事前放流」のルールが作られていないことが、国土交通省への取材でわかりました。


国土交通省は、ルールづくりを急ぎたいと話しています。

ダムでは、豪雨により貯水量が限界を超えると予想されると、流入してくる量と同じ程度の量を放流する「緊急放流」が実施されますが、緊急放流は下流で氾濫のおそれがあるため、国は、事前に水を放流してダムの容量を確保する「事前放流」を回避策の1つとしています。


ただ、放流した後、雨が少なかった場合は、水を利用する水道や発電、農業などへ影響が出るため、「事前放流」を行う際には関係者の間でルールを整えておく必要があります。


しかし、県内にある国の5つのダムでは、こうしたルールや実施体制が整備されていないことが国土交通省への取材でわかりました。


ルールがないのは雨の多い7月から9月の時期で、国は、この時期に事前放流するためには、関係者とその都度、協議する必要があります。


このため、大雨が予想されても、速やかに放流して水位を下げることが難しくなっています。


北上川ダム統合管理事務所の阿部管理第一課長は、「最近の気象状況をふまえ、ルール作りのため、関係者と粘り強く協議をしていきたい」と話していました。

 

 

※以下は音声のみの情報。

 

・ダムの容量には、水害を防ぐための治水容量と、水そのものを利用するための利水容量がある。

 

・治水容量は、大雨に備えて、できるだけ空けておきたい部分。

 一方、利水容量は、農業や発電に使うために、できるだけ溜めておきたい部分。

 

・事前放流とは、大雨が降ると予想されている時、できるだけダムに水を貯めるため、利水容量の分まであらかじめ放流すること。

 

・夏場以外の10月~6月は、利用者が多くの水を必要としないことで、関係者の間でダム建設時に事前放流のルールができている。

 

・ただ夏場、7月~9月の洪水期は、雨が多いことから、もともと、治水容量が大きく設定されており、その分、利水容量は少なくなっている。

そのため、事前放流した後に雨が降らないと、利用者への影響が大きい。

 

現状、国交省に補償制度はあるが、水がないと深刻な問題になってしまう。

そのために議論が進んでいかない。

 

・そういうことで、県内5つの国交省管理ダムにはルールがなく、その都度、協議する必要がある。

 

・西日本豪雨後、国は事前放流のルール作りを急ぐよう提言しているが、ルールができたのは全国で1割。

 

・岩手県内には県が管理するダムは9つあるが、ゲートがあって放流操作できるのは久慈市の滝ダムだけ。

 

・その滝ダムには事前放流のルールがあるが、3年前の台風15号時、事前放流して利水容量を空っぽにして待ち構えていたが、それでも豪雨で満杯になり、緊急放流することになった。

幸い、河川の氾濫はなかったが、氾濫危険水位を超えてしまった。

 

・ルールを作っていて、事前放流しても、そういう状態になったことがある。

全国各地で最近、想定を上回る豪雨もあり、国にはルール作りを急いでもらいたいと、取材して感じた。

 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20191126/6040005955.html 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

以下は、NHK映像の3コマ。

 





 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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