2020年10月18日12時0分に朝日新聞から下記趣旨の記事が、白蝋病にかかった人の指先の写真付きでネット配信されていた。
2019年12月のある朝、宮崎県国富町の井園さん(男性、80歳)は、運転していた車を急いで路肩に止めた。
「また始まった」。
井園さんは体を冷やすと、右手にある異変がよく起きた。
人さし指と中指の先が、みるみると血の気を失って白くなり、触感を失う。
数分すれば青黒くなって血色が戻るが、ジリジリとしびれる不快な痛みが10分ほど続く。
井園さんが最初にこの症状に気づいたのは1990年ごろ、50代に入ったときだ。
長年、故郷を離れてトンネルなどの工事現場に臨む「坑夫」として身を立て、当時は神奈川県内の山林をチェーンソーで伐採する日々を送っていた。
仕事仲間の男性がある日、「寒くなると白蠟(はくろう)が出るんだ」と手のひらを見せた。
人さし指から小指の根元まで、ろうそくの蠟のように白かった。
男性は、「白蠟」が現れるたび、指を自身の体や工具に打ち付け、痛みを紛らわせた。
「そういえば自分も」。
井園さんも時折、急に指先が白くなることがあった。
だが、月日がたつごとに痛みは増し、雨で体が冷えきった日は特にこたえた。
白くなった指をわきの下やズボンに入れ、温める。
20~30分ほどで消える苦痛だが、耐えるだけで1日の気力をそがれるように感じた。
それだけでなく、普段から手のしびれ、こわばり、冷えが強まった。
なぜだろう。
周りの仲間も「おれもしびれる」「手は痛いよな」と口にはするが、「現場でこれだけの作業をしているんだから」と気にとめてはいなかった。
井園さんが最後に働いたのは、3年後に全線開業を控えた都営大江戸線の工事だった。
97年、東京ドームに近い東京都文京区・春日通りの地下で、春日駅をつくるために地面を掘り下げていた。
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https://www.asahi.com/articles/ASNBJ42L8NBJULBJ009.html
(ブログ者コメント)
言葉でだけ知っていた白蝋病。
その実態に迫った記事は珍しいと思い、冒頭部分だけではあるが紹介する。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。