2012年8月19日付の毎日新聞関西版から、下記趣旨の記事が裂けた木の写真とともに、ネット配信されていた。また、8月18日17時16分に毎日新聞関西版から、8月19日19時40分に読売新聞から、同主旨の記事がネット配信されていた。
豪雨を避けようと高さ約20mの樹木の下に逃れた人々を、雷が襲った。
18日午後、局地的に雷を伴う大雨に見舞われた近畿地方。落雷で女性2人が死亡し、男女8人が負傷した大阪市の長居公園では、野外ライブなどに来ていた家族連れらが突然の雷鳴と稲光に言葉を失った。
長居公園内の長居陸上競技場では、この日、EXILEなど人気アーティストが出演する野外ライブが予定され、雨が降り始めた午後2時ごろには、大勢の来場者が公園に詰めかけていた。
近くの駐輪場の男性職員(73)は、午後2時15分ごろ、激しくなる雨脚を避けようと、公園の南西入り口近くにある樹木(高さ約15m)の下に駆け込んだ。同じように雨宿りする人たちがいた。
そこに、耳をつんざく雷鳴が響いた。「大きな音がしたので振り向くと、樹木が裂け、若い女性があおむけに倒れていた」。
すぐに119番通報し、4人が病院に運ばれた。
職員は「倒れていた人のうち、2人は呼びかけに応じなかった。胸をたたいても反応がなく、意識がない様子だった」と、心配そうに話した。
2人の死因は、いずれも落雷による心停止後脳症だった。
当時、大阪市内には大雨洪水警報と雷注意報が出ていた。
出典URL
http://mainichi.jp/area/news/20120819ddn041040011000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20120818k0000e040215000c.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120819-OYT1T00506.htm
(ブログ者コメント)
写真でみると、数mおきに結構高い木が生えている場所だ。高さ20mといえば、その中でも高いほうの木なのだろう。
しかし、雷は必ずしも一番高い木に落ちるとは限らない。駐輪場職員が雨宿りしていた高さ15mの木のほうに落ちていたかもしれないのだ。
突然の激しい雷雨に遭えば、近くの木の下で雨宿りしたくなる気はわかる。
しかし、少々遠くても最寄りの建造物あるいは車の中に避難すべきだ。
ズブ濡れになっても仕方がない。
(2013年8月1日 修正1 ;追記)
2013年7月31日5時4分に朝日新聞から、開催2社が損害賠償を求め提訴されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
死亡した女性(当時22)の遺族が、30日、野外コンサートの開催を手がけた2社に計約8200万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
天候は女性が開演前の列に並んでいた時に悪化しており、屋外イベントの落雷対策のあり方や開催する側の責任の範囲について、司法がどんな判断を示すか注目される。
訴えたのは女性の父(51)と母(53)で、エイベックス・ライヴ・クリエイティヴとキョードー大阪を被告としている。
訴状などによると、女性は昨年8月18日午後、長居公園の第2陸上競技場出入り口付近にできた列に並んでいた。
午後2時すぎに天候が悪化し、友人の女性と出入り口付近から約200m離れた木の近くにいた際、木に雷が落ちて2人は死亡した。
雨宿りをしていたのかどうかを含め、なぜ2人が木の近くにいたのかは分からないという。
当日の大阪市には雷注意報が出されており、女性らが死亡した落雷の1時間後も雷が落ち、少なくとも6人が負傷した。
両親は「雷の発生エリアを1時間先まで予測できる気象庁の『雷ナウキャスト』などで天候を確認していれば、落雷事故を予測できた」と指摘。
2社は落雷の危険性に関する情報を十分に集めることを怠り、コンサートに来た人を安全な場所に誘導する措置をとらなかったとしている。
「同じような事故が起きて家族が悲しむことのないようにしてほしい」。女性の両親は記者会見で、提訴に踏み切った理由を語った。
両親はエイベックス・ライヴ・クリエイティヴに説明を求めたが、「競技場の外は管轄外」と答えられたという。
落雷事故をめぐる訴訟は、過去にも起きている。
大阪府高槻市で1996年8月にあった高校のサッカー大会中、男子部員が落雷を受けて失明。
最高裁は2006年3月、引率の教諭が落雷を予見できたと判断し、高校と主催した市体育協会の責任を否定した二審・高松高裁判決を破棄した。
これを踏まえ、同高裁は事故を防ぐ措置を怠ったとして、計約3億円の賠償を高校と協会側に命じた。
日本サッカー協会は06年に「落雷などの予報を事前に調べ、予兆があれば活動を中止し、避難する」との指針を作成。
日本ラグビーフットボール協会も気象庁や気象情報会社から情報を集めるとしたマニュアルを策定しているが、実際にどの時点で避難を呼びかけるのか難しい面もある。
両親の代理人の佐藤弁護士は、「落雷予測は格段に進歩している。訴訟では屋外イベントを開く側の対策のあり方を問いたい」と語った。
出典URL
http://www.asahi.com/national/update/0731/OSK201307310001.html
(2016年5月20日 修正2 ;追記)
2016年5月17日9時27分に読売新聞から、請求が棄却されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月17日付で毎日新聞大阪版から、5月16日16時36分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪地裁は、16日、両親の請求を棄却した。
長谷部幸弥裁判長は、[注意報や警報の発令は、抽象的な可能性を示すに過ぎない]、「落雷がいつ、どこで起きるかは具体的に予見できず、女性を危険から保護する義務があったとはいえない」、「野外での落雷回避は自己責任と言わざるを得ない」と述べた。
判決は、長居公園では08年度以降、落雷事故が起きていないとして具体的な予見可能性を否定。
さらに、現場はコンサート会場外で2社の管理下ではなかったとして、安全配慮義務違反はないとした。
判決後に記者会見した父(54)は、「現場近くには警備員らも配置されていたのに、なぜ管理外なのか。注意報のアナウンスだけでもあれば娘は避難できた。納得できない」と述べた。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160516-OYT1T50124.html
http://mainichi.jp/articles/20160517/ddn/041/040/004000c
http://www.sankei.com/west/news/160516/wst1605160058-n1.html
キーワード;直撃雷?誘導雷(側撃雷)?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。