2015年10月19日18時29分に日テレNEWS24(読売テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月19日19時2分にNHK神戸からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
午前9時ごろ、神戸港に入港したパナマ船籍の貨物船「TORITON SWAN」で、「男性が倒れている」と船員から消防に通報があった。
消防が駆けつけると、船内の貯蔵庫で積み荷のトウモロコシの品質検査をしていた日本穀物検定協会の検定員(男性、52歳)が、甲板からおよそ5m下の貯蔵庫内で意識不明の状態で倒れており、およそ1時間後に救出されたが、まもなく死亡が確認された。
海保によると、船にはおよそ1万トンのトウモロコシが積まれていて、倉庫の中はトウモロコシの呼吸によって酸素が薄い状態だったとみられている。
警察は、検定員が窒息死したとみており、運輸安全委員会も事故原因の調査のため、調査官の派遣を決めた。
出典URL
http://www.news24.jp/nnn/news88913722.html
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/2025795301.html?t=1445292615306
(ブログ者コメント)
読売テレビの映像によると、貯蔵庫の蓋はフルオープン状態だった。
一見、あれだけ開いていれば問題ないのでは?と思えるほど。
ただ、事故前からそうだったのか、事故後に開けたのかは不明。
一方、10月20日19時10分にNHK神戸からは、翌日に同じ船で乗組員の居室が焼けたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日午前10時半ごろ、神戸市東灘区住吉浜町の港に停泊していたパナマ船籍の貨物船「TRITONSWAN」(3万4800トン)で「船から煙が出ている」と、近くにいる人から消防に通報があった。
消防がかけつけ、火はおよそ1時間半後に消し止められたが、乗組員の居室2部屋およそ30m2が焼けた。
けが人はいなかった。
この貨物船は、とうもろこしなどを積んで19日神戸港に入港し、19日午前、船内の貯蔵庫で作業をしていた52歳の男性が死亡する事故が起きたばかりで、20日は、貨物船の周辺で国の運輸安全委員会の調査官が死亡事故を調査していた。
海保と消防で、火事の原因を詳しく調べている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/2025831771.html?t=1445373690820
(2016年10月29日 修正1 ;追記)
2016年10月27日10時2分に共同通信から、中間報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
運輸安全委員会は、27日、酸素濃度を測っていない船倉に入ったため、酸素不足で窒息死したとする調査報告書を公表した。
報告書によると、検定員は、貨物倉でトウモロコシの温度や品質確認の検査中に倒れているのが見つかった。
午前9時ごろに現場で測った酸素濃度は11~12%程度だった。
厚労省の資料によると、通常の濃度は21%で、12%だと目まいなどの症状が出るという。
出典
『酸素不足の船倉に入り死亡と公表 阪神港貨物船事故で安全委』
http://this.kiji.is/164177563724908021?c=39546741839462401
(ブログ者コメント)
報告書には、原因等が下記趣旨で記載されている。
「原因」
本事故は、検定員が、酸素濃度の確認が行われる前に3番貨物倉に入ったため、酸素欠乏となっていた空気を吸入したことにより発生したものと考えられる。
検定員が、酸素濃度の確認が行われる前に3番貨物倉に入ったのは、日本穀物検定協会が酸素欠乏のおそれのある危険な場所に立ち入る場合の手順を定めていなかったことが関与した可能性があると考えられる。
3番貨物倉が酸素欠乏となっていたのは、とうもろこしを積んで約1.5か月間閉鎖状態であったことによるものと考えられる。
「各種情報」
・検定員は平成22年から関西神戸支部の事務所長の職についており、所属する事務所の穀物検定員に対し、穀類等を積載した貨物倉における酸素欠乏の危険性について、日常業務を通じて指導を行っていた。
・協会では、穀物の温度測定、サンプリング等の検量業務を行うに当たり、酸素欠乏のおそれのある危険な場所に立ち入る場合、植物検疫実施の前後に関わらず、荷役責任者に酸素濃度の測定結果を聞いて安全を確認したのちに入るようにしていた。
・荷役責任者は、4番貨物倉の酸素濃度を確認し、入倉が可能であることを示す「検査済みOK」の札を同貨物倉のアクセスハッチに掛けたものの、一等航海士に呼ばれて荷役作業の打合せを行う目的で本船の事務室に向かったことから、3番貨物倉の酸素濃度を測定していなかったものと考えられる。
・協会では、昭和27年の輸入食糧検定開始以来、これまで60数年間、穀物検定員の酸素欠乏による死亡事故は発生していなかった。
・検定員が所属する事務所の穀物検定員は、とうもろこし を積載した倉内の酸素濃度が安全な限界値(約18%)を下回ることは、ほとんど経験していなかった。
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/ship/detail.php?id=8101
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。