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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20161129814分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

お店などで滑って転んでけがをした人が、「床に問題があった」として裁判を起こす例が相次いでいる。

 

高齢者の死亡原因のうち、転倒事故は年間約5000件で、交通事故を上回る。

未然防止のため、床を滑りにくくする「防滑(ぼうかつ)」に取り組む事業者も出てきた。

 

大阪市の50代主婦は、4月、市内のリサイクル店を相手取り、約800万円の賠償を求める裁判を起こした。

雨でぬれた床で滑り、足の靱帯を切るけがを負った。

入院生活は約1カ月に及んだ。

 

主婦側は、訴状で「客が転ばないようにする義務があった」と主張。

足拭きマットを敷いたり、床の清掃回数を増やしたりするべきだったと訴えている。

 

一方、店側は「転倒には女性の過失が関係している」として、争う姿勢だ。

 

同様の訴訟では、店側に賠償を命じるケースも出ている。

 

岡山地裁は、2013年、「ショッピングセンターの床に落ちていたアイスクリームで滑って転んだ」とする70代女性の訴えを認め、店側に約860万円の支払いを命令した。

 

大阪地裁では、「餃子の王将」店内で転んだ40代女性に対し、店側が解決金100万円を支払う和解が、15年に成立した。

 

「昔なら『自分が悪い』となった事案でも、ここ10年ほどで提訴になることが増えたように感じます」。

建物内での事故訴訟に詳しい佐藤貴美弁護士(第一東京弁護士会)は話す。

インターネットの普及に伴い、同種事故の訴訟情報が入手しやすくなったほか、権利意識の向上も背景にあるとみている。

 

ただ、訴訟を起こしても、不注意だったとして、主張が全面的に認められることはまれという。

佐藤弁護士は、「いきなり裁判を起こすと、社会がギスギスする。店側、客側が丁寧な話し合いで歩み寄ることも大切です」と話す。

 

 

「防滑」に取り組む企業も増えつつある。

 

西日本高速道路(大阪市)は、バリアフリー新法が施行された2006年以降、サービスエリア(SA)の店舗など約300施設の床材を、国交省の示す指標に沿うよう選定。

部分的な補強には、特殊な薬剤を塗って対応している。

 

焼き鳥チェーン「鳥貴族」(同市)は、転倒が数件あったため、約1年前から床に滑りにくい加工をしたテープを貼った。

担当者は、「安全・安心確保は、飲食店を経営する企業の責任」と話す。

 

10年に設立された「防滑業振興協会」(東京)には、現在、建設業者など約40社が加盟。

独自の試験に合格した「すべり測定士」を派遣し、国交省の指標に合っているか、有償で測定。

10年度は2件だったが、昨年度は36件に増えた。

 

同協会事務局の田中さん(49)は、「床は時代とともに滑りやすくなった」と指摘する。

店舗の床材は、比較的滑りにくい塩化ビニール製が主流だったが、十数年前からセラミック製タイルが流行。

表面が滑らかで清掃しやすい半面、水や油分が付着すると滑りやすくなる可能性がある。

さらに、塩ビに比べて硬いため、転倒すると危険という。

 

デザイン重視の建築が要因になっているとの指摘もある。

大阪工業大学の吉村英祐教授(建築安全計画)は、「雨に降られる場所でも表面がつるつるの床を使うなど、配慮に欠けている建物がある。設計段階で安全重視の観点を採り入れないと、誰もが安心して利用できる施設にはならない」と指摘している。

 

 

国の人口動態調査によると、平らな場所で滑るなどして転倒し、亡くなった65歳以上の高齢者は年々増加。

2008年には交通事故死者を上回った。

15年は転倒死5337人、交通事故死3187人だった。

 

日本建築学会は、08年、床の安全を保つための指標として「床の滑りにくさ」を数値化したものを提案。

国交省も、12年、この指標を建物の安全性向上などを目的とした「バリアフリー新報」のガイドラインに明記し、床材選びや仕上げの参考にするように促している。

 

 

出典

滑って転んで賠償請求、相次ぐ 「防滑」取り組み進む

http://www.asahi.com/articles/ASJCG4V63JCGPTIL01M.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

〇王将事例は下記参照。

2015416日掲載

[昔の事例の顛末] 201211月 大阪府寝屋川市の餃子の王将で席に向かう途中に滑りやすい床で転倒し複雑骨折したとして客が損害賠償を求めた裁判で和解成立

http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4783/

 

〇ブログ者も、半年ほど前、某中華料理店に初めて行った際、床が油でツルツルしていて滑りそうになったので、「滑るので気をつけろ」と、店員に聞こえるよう、わざと連れ合いに注意したことがある。

それが、1ケ月ほど前に再訪した際は、当該部分にマットが敷かれていた。

ブログ者の仕掛けが奏功したのかどうかは不明だが、今回の情報に接し、ふと、そういったこともあったなあと思い出した。

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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