東日本大震災で国の耐震基準がない、建物の天井裏の配管や壁が地震の揺れで落下し、5歳の男の子を含む少なくとも2人が死亡していたことがNHKの取材でわかった。
震災から2年余りたった今も同じような落下事故が何件あったのか十分な調査さえ行われておらず、専門家は国が対策を急ぐべきだと話している。
おととしの東日本大震災では、東京・千代田区の九段会館など、約2000の建物で天井が落下し、このうち4つの建物で5人が死亡、けが人は70人以上出ていて、国交省が、天井の落下防止策を義務づけることを決めている。
ところが、NHKが死者が出た4件の事故について詳しく調べたところ、少なくとも2件は天井の落下が死亡の原因とみられないことがわかった。
このうち、5歳の男の子が死亡した宮城県利府町のショッピングセンターでは、天井裏にあった巨大な金属製の配管が落下していて、男の子は、この配管の下敷きになって死亡していた。
また、栃木県芳賀町にある大手自動車メーカーの研究所では「間仕切り壁」と呼ばれる室内を仕切る壁が天井部分から外れて落下し、直撃を受けた男性従業員が死亡していた。
配管をはじめとする設備や、間仕切り壁のような「非構造部材」の耐震性については、学会などの指針があるだけで国の耐震基準はない。
また東日本大震災でこうした設備や非構造部材の落下により、どのくらいのけが人や死者が出たのか、2年余りたったいまも十分な調査さえ行われていない。
国交省は「4件の事故については自治体を通じ情報収集に努めたものの、当時は原因がよくわからなかった。今後も情報収集を進めて必要があれば対策を検討したい。また、大災害が起きたあとの被害の情報収集のあり方についても検討していきたい」としている。
これに対し、建物の天井や設備の落下防止策に詳しい東京大学生産技術研究所の川口健一教授は「建物が無事なのに重いものが落ちて人が亡くなる事故は、本来、あってはならない。何が落ちてどうすれば防げたのか、洗いざらい検証してきちんと対策を取ることが非常に重要だ。このままでは震災の被害が教訓として生かされない」と話している。
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また、2013年5月21日13時23分にmsn産経ニュースからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
太田国交相は21日の記者会見で、建物に付属する配管などの耐震性をめぐり、「空調の配管や照明の落下による死傷者が出るのは避けなければならない。緊急に調査をしたい」と述べ、近く全国調査を始める考えを示した。
照明などは具体的な耐震基準がなく、実態が把握できていないためだ。
太田氏は「非構造物の落下が危険ということを注意喚起することが大事だと思う」とも語った。
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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