盛岡市青山の岩手県営体育館で19日に行われた体操の東日本学生選手権で、ロンドン五輪団体総合銀メダリストの加藤凌平選手(19)(順天堂大)がつり輪で演技直前に練習をしていたところ、片方の輪と上部から伸びたワイヤをつなぐ革製のベルトが切れた。
主催の関東学生体操連盟関係者によると、弾みで加藤選手が肩を痛めたが、大事には至らなかったという。つり輪は1993年に購入されたものだった。
同体育館の運営を委託されている県スポーツ振興事業団は20日、同体育館を含めて、県内で運営している11施設のスポーツ器具の一斉点検を始めた。
同事業団によると、つり輪は県が所有し、同事業団が管理している。
切れたベルトは長さ約65cm。リング(直径約25cm)の反対側で、ワイヤを通すために折り返して輪っか状になっている部分で切れた。
同体育館では大会開催時、器具の設置準備の際に、体操競技経験者の職員と主催者側で器具の点検を行っている。
今回の選手権の開催前にも、つり輪を含めた器具の点検を実施したが、異常はなかったという。
同体育館で使用されているつり輪のメーカーであるスポーツ器具製造「セノー」によると、つり輪のベルト部分の一般的な耐用年数は2年。過去にこのベルトの交換があったかどうかは確認できなかったという。
同事業団は昨年度、県に対して、運営を委託されている施設で器具が老朽化しており、事故の発生の可能性を指摘し、器具の交換を求めたが、認められなかったという。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20130521-OYT8T00474.htm
また、5月20日20時33分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関東学生連盟によると、加藤選手が懸垂技をしていた際、上から垂れ下がるワイヤとリングをつなぐ革製ベルトの1本が切れた。加藤選手は左腕一本でぶらさがる形となった。
順大の監督は「器具は練習からミシミシと音がするほど古くて、いつか事故が起きると思っていた。憤りを感じる」と話した。
つり輪は岩手県の所有で、約20年前から使用されていた。
事故を受け、日本体操協会は20日、つり輪を製造したメーカーに原因究明を求めた。各都道府県協会には、日本体育施設協会が目安としている耐久年数などに基づき、全ての器具の安全性を確認するよう通達した。
つり輪の劣化を防ぐための保管方法や使用方法のマニュアルをメーカーが早急に作るといい、それまでの間、3年以上使っているつり輪の使用を見合わせることも指示した。
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(ブログ者コメント)
○運動会で綱引きの綱が切れた事故を本ブログに掲載したことがあるが、用具の維持管理不備という点で、今回も根は同じような事故だ。
○安全帯のロープも同様、劣化状況などを定期的に点検しておいたほうがよさそうだ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。